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寄り道『2023.10.12』

本当にやりたいこととは違うことに向かっていく違和感を、感じたことがあるだろうか。

第一希望ではない会社に面接に行く。
興味が無い人に猛アタックされた末にお付き合いをする。
足の踏み場も無いので部屋の掃除をする。

どれも最終的にはやりたい方向に進める道なのかもしれないけれど、今はゴールがどこまでも遠くに見えて仕方がない。この道を辿ってゴールに着けるのかも分からない。
そんな経験はあるだろうか。

私は計画性が無い。
というより、計画しても実行出来ない自分を知っているから、計画するだけ無駄だと感じる。

次の休日は、あれをしてこれをしてどこどこに行って何を買ってって、想像することが楽しくなってしまって「達成しよう」という意識がどんどん薄れていくのだ。

先を見据えることが困難な性格である。


私の友達に、私とは真反対の人間がいる。

今自分のゴールがこれだから、ここに行くまでにまずこの勉強をして、覚えて、そうするとこれが出来るようになるはずだからここをもっと重点的に詰めていく。
そうするとゴールに向かうことが出来る。

え?
なんで?

私の身体中がはてなマークで埋め尽くされて、疑問、尊敬、驚き、色んな感情が駆け巡る。

すごい。
ゴールを見据えた動きを、未来の動きを、いとも簡単に文章におこしている。そして、それを実行出来そうな説得力もある。

ありえない。

さらっと語っていたが、どれくらい掛かるか分からない困難な道なのだろう。
でも彼女ならいける気がすると考えてしまうのだ。それだけに目標達成能力があることを知っているからだ。

学生時代から、宿題の締切すらろくに守ったことがないこちらとしては、ゴールに向かうまでの道のりを想像することまでは出来るが、本当にこれでいけるのか……?と考えて全てを終えてしまう。

彼女と私のもう一つ違う点がある。
彼女は寄り道を考えていないということだ。

ゴールまで、多少険しい道や曲がり角があるのかもしれないが、確実に一本の道が構成されている。
なんだか私も達成出来るかもしれないと思わせるような綺麗な道だ。

でも私が目指すゴールへの道は、とにかく寄り道が多い。

道を歩きながら、花を見つけて立ち止まったり、空が青いなと写真を撮ったり、お腹が空いたと座ってご飯を食べたり、あらゆる動物にきびだんごをあげて仲間にしたりする気がする。

それは、私が飽き性で一本道だとやる気を無くしてしまうからと自分自身で危惧しているから、起こしたくて起こしているイベントなんだと思う。
でも彼女より確実に長い道のりになることは間違いない。

彼女と私。
お互いに自分のことをよく分かった上で道を作っているのか。

挫けても辛くてもゴールに向かってひたすらに歩き続ける努力が出来る彼女と、寄り道をしてでも楽しい方向に進みたい私。
正反対で、実は同じ気質なのかもしれない。だから彼女のことを尊敬出来るのかもしれない。

こう思うと、私の寄り道も、そこまで悪くないのかもしれないと思えてくる。
冒頭の、本当にやりたいこととは違うことに向かっていく違和感を背負ってでも、「楽しそう」でやってきた自分を否定しようとは思わないから。

色んなことに気付いて、色んなことを吸収して、糧にして、ゴールで何かしらに私を助けてくれるアイテムになってくれることを信じて、歩いていこう。

そう思いながら、明日の面接に向けて、履歴書とにらめっこをする。

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