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りんごはいつも我等の味方


ウイルスに戦争、地震と、心ざわつく事象が続いているけれど、
それでもいつもと同じように桜の蕾が可愛らしく開いて、春。きっと戦場にも。

ぽかぽかと暖かい、そんな春の香りが足元から湧き上がってくる勢いを感じるほどに、平和がどれほど得難い幸せだったのか、なんとも言葉にできない複雑な思いで溢れそうになります。

そんな中、我が家の最後の学生、娘も無事卒業式を終えました。
できるなら笑顔で実り多い社会人生活に滑り出してほしいけれど、
我が身を振り返っても20代はなかなかにきついものでした。そんな日々も後になれば大切だったりもします。
家族としてできるのは、身体の健康を考えることしか、ないのかもしれません。

りんごが赤くなるとお医者さまが青くなる、なんて諺もありますね。
どこまで効果があるのかわからないけれど、
りんごを煮るとやはり心強い気持ちになるところは確かにあります。

そうでなくても元々りんごを煮るのがだ~い好きなので、
熱く語り過ぎるところがありますが、お許しください。

一番作るのは、カラメルで焦がしたタルトタタンですが、
ちょっと日本の梅肉エキスにも似た保存食をご紹介します。

頂き物の古いイギリスの料理本に載っていた、
アップルジェリーです。
出来立てはこんなとろんとした感じです。

不思議ですが
これができると、張り詰めた気持ちもいつの間にか緩んでいます。
りんごでなくても、ペクチンの多い、かりんやプラムでも。
(かりんが手に入ったら作っておくと、のどの保護にもいいですよ。)

皮ごと大きめのくし型にし、
芯や種に自然のペクチンが多く含まれるので、
取り除いた芯の部分を棄てずにだしパックなどに入れておきます。


りんご8個、芯の部分、ひたひたの水(1ℓくらい)、レモン汁2個分を、鍋に入れてあくを取り、
のんびり3時間ほど、弱火でことことと煮ると…。
(分量は半分でも。)
部屋じゅうが、甘くせつない香りで満たされます(^~^)


とろとろになったら、芯の入ったパックを取り除き、
煮たりんごをガーゼやさらしに包んでつるし、下にボウルなどを置いて
滴り落ちるままに、しぼったりせず一晩そのまま置いて。



翌朝、たまったジュースを計量し、
その6割~8割の重さのグラニュー糖を入れて、中火で煮ます。
(今回はバニラビーンズ入りのグラニュー糖にしました。)
8割では甘味が濃いですが、
保存には安心。
すぐ食べてしまうなら少なめで。

30分ほど煮て、ぽたっぽたっと落ちるようになったら火を止め、
熱いうちに、煮沸した保存瓶に入れて密閉します。

ゼラチンも何も入れていないのに、
ペクチンの力で次第にかたまり始め
ジャムとは違い、オレンジ色に透き通っていて、
その美しさとはかなげなおいしさに、
ついつい何度も作りたくなる一品です。

りんごの種類によって
出来上がりの色やペクチンの濃さが違うのも面白いですよ。

時間はかかりますが、
弱火にかけたまま放って置けますし、
寝る前に吊るしておけば苦にはならないかと思います。

残った絞りかすは、
本では使わないとなっていましたが、
たくさん出るのでもったいないですね。

鍋にグラニュー糖を入れて火にかけ、
カラメル色に色づいてきたら一度にこの絞りかすを加えて
混ぜながらさらに煮つめ、シナモン、黒胡椒でぴりりと引き締めれば
りっぱなタルトタタン風のコンフィチュールに。


その絞りかすのコンフィチュールを詰め、パイシートで簡単アップルパイもできます。

丸く抜いた2枚のパイシートは片方をsmileに。
少しのお湯で緩めたりんごのジェリーを塗り焼きました。
口を開けたら、
ハロウインのかぼちゃパイみたいになっちゃいましたが
おかげで笑顔になれましたよ。

そういえば震災の時も、こんなスマイルマークをパンケーキやアイスクリームにやたらと描いていました。

考えたら、このアップルジェリーには果肉はあまり必要ありませんね。
りんごを食べるときに、
皮と芯がたくさん余ったら、それだけを煮るのでも作れるよね…。
なんて思いついたら、
またやりたくなってしまいました。

マスクも外して、怯えることもなく、
子供たちが安心して笑顔で暮らせる日々が戻りますように。
なかなかに時間はかかりそうですが。

#note #料理 #おやつ #保存食 #りんご #アップルジェリー #sweets

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