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外国人労働者の推移とこれからの展望。経営者としてできることは?

日本の雇用情勢や労働市場を考えると、外国人労働者の存在はこれからも欠かせません。この記事では、2021年の統計情報を元にこれまでの外国人労働者の推移を知り、これからどのように行動すべきかを経営者目線で解説します。

統計情報からこれまでの推移を知る

厚生労働省が令和3年10月末に発表した「外国人雇用についての届出状況」から労働者数や事業所数、国籍の推移などをご紹介しますので、まずは見ていきましょう。

外国人労働者の総人数

出典:「外国人雇用状況」の届出状況まとめ

厚生労働省

2008年に届出を義務化して以降、外国人労働者の数は増え続けています。2021年の外国人労働者の総人数は1,727,221人。前年比2,893人増加となり、過去最高を更新しました。しかし、対前年増加率は0.2%、前年の4.0%と比較すると3.8ポイント減少しています。

次いで、外国人を雇用する事業所の数は285,080か所です。前年比17,837か所増加となり、こちらについても過去最高を更新しました。しかし、対前年増加率は6.7%、前年の10.2%と比較すると3.5ポイント減少と、ともに伸び率は小さくなっています。

国籍別

国籍別に見ると、以下の3国から働きに来ている外国人労働者が全体の半数以上を占めています。

ベトナム453,344 人 (26.2%)
中国397,084人 (23.0%)
フィリピン 191,083 人 (11.1%)

在留資格別

また、在留資格ごとの人数についても見ていきましょう。特定活動、専門的・技術的分野の在留資格、身分に基づく在留資格については増加傾向にあります。

特定活動65,928人→前年比 20,363 人 (44.7%) 増加、
専門的・技術的分野の在留資格→前年比 394,509人(9.7%) 増加
身分に基づく在留資格 580,328人→前年比 33,859 人(6.2% ) 増加

しかし、その一方で技能実習、資格外活動のうち「留学」は減少していることがわかります。

技能実習351,788 人→前年比 50,568 人(12.6%) 減少
資格外活動のうち「留学」は267,594人→前年比 38,963 人 (12.7%)の減少

これらの数値から読み取れること

コロナの影響が大きい

外国人労働者・事業所数ともに増加していますが、伸び率は微増という結果です。この背景にはコロナ禍における入国制限が大きな理由として挙げられます。

総人数が減少とならなかったのは、技能実習期間後も特定活動のビザで国内に残れたり、特定技能へ移行したりと特例措置が取られたことが影響しているでしょう。

在留資格別に見ると

技能実習は2010年7月に独立した在留資格となって以来、初めて減少しました。外国人労働者の総数に占める割合は20.4%となっており、その半数が製造業に従事しています。

また、資格外活動(約80%が留学生)においても2年連続で減少傾向です。資格外活動は、パートタイム就労に限られますが、宿泊・飲食などのサービス業に従事している人がたくさんいます。

ここで注目したいのは、目先の労働力だけではありません。留学生として日本に来ている外国人は、卒業後に日本で就職するケースが多くあり、その数は上昇傾向にあります。

つまり、留学生の資格外活動が減ることは、将来の働き手を失っていることと同じ意味があるといえるでしょう。

今後の予測と展望

外国人労働者が増加しなかった背景

新型コロナの影響によって、人材育成を目的とする制度が労働力確保にすり替わっていることが統計を見て、浮き彫りになりました。

また、2018年12月に策定された「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策」によって、外国人労働者も日本人と同じ公共サービスを享受できるように国は環境を整備していました。しかし、その最中にコロナ禍へ入ってしまったことも大きいでしょう。

レジリエンス

これまでもリーマンショックや東日本大震災などによって、想定外の事態に対する耐性や回復力(レジリエンス)の重要性が認知されるようになりました。

コロナ禍における外国人労働者の処遇についても、将来的に人材供給国も高齢化に突入することが予測できます。このことから、過度な外国人労働者への依存は日本経済にとって大きなリスクとなるでしょう。

生活者として受け入れる

外国人労働者の増加に伴い、外国人就労政策の重要性は増しています。しかし、コロナ禍において、先送りにしていた課題が白日の元に晒されることとなりました。大きな要因として、外国人就労政策が日本の現状に即していないことが挙げられます。

これまでは「技能実習」や「留学」の名目で、外国人労働者を受け入れてきました。これからは、「労働者」としての位置づけで受け入れて行くことが必要だといえるでしょう。

つまり、今後受け入れていく場合には実習生としてではなく、生活者としての観点から外国人を一市民として生活環境を改善していくことが重要だと考えています。

経営者としてできること

日本人・外国人を問わず、実際に働いているのは現場にいる人間です。国の政策について経営者としてできることはないかもしれません。

しかし、これから外国人労働者を迎え入れる・もしくはすでに雇用している場合、目の前にいる労働者が働きやすい環境を整えることには、経営者として取り組めるでしょう。

外国人労働者が快適に働くためには、言語・コミュニケーション・文化の違いをお互いが認め・助け合う心が大切です。もちろん職場だけで解決できればいうことはありませんが、新たなリソースを割く余裕がない企業も多いでしょう。

参考記事:出入国規制と外国人労働者-過去最高も、就労政策には課題も

ニッセイ基礎研究所

外国人労働者が働きやすい環境整備をお手伝い!

私、代表の松川が島根県出雲市にて外国人労働者を雇用して事業を営んでいます。その経験から、外国人労働者を雇用したことがない企業や外国人労働者に寄り添ったサービス「Relax〜外国人仕事支援サービス」を提供可能です。

オンラインを使用した日本語教育・メンタルサポートサービスを提供し、外国人労働者の負担を和らげます。

また、オフラインでの研修もあり、旅行業務取扱管理者資格を持った代表である私が、日本の暮らしを教える体験型学習も実施。オンラインとオフラインを組み合わせて、企業と外国人労働者が良好な関係を築ける環境整備のお手伝いをします。

本件の問い合わせ先:CSP株式会社  代表松川
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記事監修:合同会社KAKERU 寒川
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