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CSUNカンファレンス2022レポート

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CSUNカンファレンス2022の記事です。日本では絶対にお目にかかれないような、障害者支援技術の数々、各国政府やGAFAを始めとする企業のユニバーサルデザインやアクセシビリティへ…
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#障害者支援技術

CSUNカンファレンス2022レポート(3月13日 成田出発)

CSUNカンファレンス2022レポート(3月13日 成田出発)

ついに出発の日だ。3年ぶりの海外、そしてCSUNカンファレンスだ。一昨年は3日前に涙をのんでの直前キャンセルだった。昨年は、全面オンライン会議だったので行くことはありえなかった。だが、今年、CSUNは大きな決断をする。「この会議は、in Personであることに、大きな意義があるのです。ですから対面で開催します!」この発表があったときは正直驚いた。まだカリフォルニアでは陽性者もたくさん出ていた時期

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3月14日 CSUNチェックイン

この日は早朝からカンファレンスチェックインが開始される。私も朝からエントリーに行った。プログラムや展示会の案内と一緒に雑誌DIVERSEabilityが配布される。いつもながら表紙はかっこいい障害者モデルだ。あ、これはパラリンピアンで平昌の銀メダリスト、Amy Purdyだな。両足義足のスノーボード選手で、モデルでもある素敵な人だ。

カンファレンスホテルと宿泊が同じというのは、とても気楽である。

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3月15日 セッション始まる キーノート NASA IBM アイボ

8時からキーノートだ。Mike Pacielloの話が聞けないのは残念だが、Harry Murphyが38年前にCSUNを始めた時代の失敗談を繰り出して笑いをとっていた。AAC(Augmentative & Alternative Communication:補助代替コミュニケーション)という言葉すら知らなかったこと。AACのブースのそばに音楽のバンドを入れて怒られたこと。AACの出す音が声の代わ

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3月16日 デジタルアクセシビリティ ハーバード大学 MacのKIOSK SONY

この日も怒涛のセッションが続く。英語が速すぎてついていけない。だんだん右の耳から音が入って、何のプロセスも経ずに、左の耳から抜けていく気がする。その中でも印象に残ったセッションがいくつかあった。企業全体、大学全体といった、大規模なUD改修のプロジェクトがいくつも報告されていたのだ。デジタルアクセシビリティという言葉も増えた。もう改修対象はWebだけではない。その中の映像だったり、情報KIOSKだっ

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展示会場はワンダーランド

展示会場はワンダーランド

日本を発つ前に、全盲のTさんから「見てきて!」と依頼のあったBonocleのブースに行ってみる。マウスの上に一個分だけ点字ディスプレイが乗っていて、タブレットなどが文字などの上を通った際に、その点字を表示するというものだ。いわゆるリフレッシャブルの点字ピンディスプレイは、高価である。かつては1セル1万と言われ、40文字だと50万円くらいしていた。プログラミングをする視覚障害者は、127万もする80

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3月17日 デジタルアクセシビリティ 法律 盲ろう メディア XR

この日の8時のセッションは、アクセシビリティの法律に関するものだった。CSUNにも長年参加している弁護士のLainey Feingoldが、‘Accessibility is a Civil Right : The 2022 CSUN Digital Accessibility Update’という題で話した。アクセシビリティは公民権であり、デジタルアクセシビリティがこの一年でどう進んだかについて

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CSUN 追記 情報キオスクのユニバーサルデザイン

CSUN 追記 情報キオスクのユニバーサルデザイン

情報キオスクについて、CSUN後に少し調べた点もあるため、追記する。世界のアクセシビリティ研究は、この分野に注目している。今後の展開が待たれる。

電子的な画面を用いて、オーダーや決済、サービスを購入する機器は、アメリカでは情報キオスク(Information Kiosk)と呼ばれる。ATMを始め、券売機、自動販売機、空港のチェックイン機、店舗やコンビニの精算機、ファストフード店やドラッグストアの

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