詩歌を超楽しく味わう最初の一歩

詩とか、俳句とか、短歌とか、いわゆる詩歌を、教科書や問題集だけで分かろうとするのは、かえって難しいと思います。
定期テストや入試に臨むにあたって、詩歌を勉強しなければならないけれど、結局何を言いたいのか分からない…というとき、いつも生徒にオススメしている方法があります。
今日もそれを個別指導で実施しましたので、記録してみます。

詩歌が大好きな人から教えてもらう

その方法は、その詩歌の一節をGoogleで検索してみることです。

世の中には、どんなにマイナーなことでも、その物事を大好きな人が必ずいます。

ですから、分かりにくいと思うことがあれば、それが大好きな人に教えてもらうのが一番です。

そういえば孔子も論語で、
「之を知る者は之を好む者に如かず/之を好む者は之を楽しむ者に如かず」
と言っています。

敬称略。
孔子さん、って書くのは違和感。
孔子様…うーん?

どんなにマイナーなものでも、それが大好きな人はいます。

ですから、教科書に載っているくらい有名な詩歌であれば、それを大好きな人はたくさんいるはずです。それなら、その詩歌の面白いところを少し聞かせてもらってから、改めて教科書を読んでみましょうよ。
ぜったい、見方が変わりますから。

因みに、ちょっとマイナーな趣味、調べてみただけでも、こんな人がいました。
・家系図を作ることに情熱を燃やす人。

・森でナナフシを探す人(木に同化する虫らしい)。

・断崖絶壁でアイロンをかける人(れっきとしたスポーツ。画像検索が面白い)。

・想像で地図を創り上げる人(先日テレビで紹介されていて感動しました)。

・アフィリエイト広告だけで「桃太郎」を作る人(ぜひ検索してください)。
などなど。

人間って面白いですよね。

桃太郎は趣味ではないか。今日の個別指導中に話題になったので載せました。
閑話休題。

「初恋」島崎藤村 について


今日の個別指導では、島崎藤村の「初恋」を扱いました。
この作品は、手元の問題集によると「近代詩の始まりを告げた」らしいのですが、どういうことなのかいまいち分からん、と生徒から言われたので、いっしょにパソコンを見ながら検索をしてみました。
拝見したのがこちらの記事です。

記事の文面からも、この記事の作者さんがこの詩を大好きであることが伝わってきます(内容が気になる方はぜひ、実際に記事をお読みください)。
先に述べた「近代詩の始まり」に関するところを一部抜粋します。

では、「初恋」はなぜ今なお多方面で親しまれているのでしょうか。
(中略)
「共感すべき点が多々あるから」だと思います。
つまり、現代人の感性と詩の感性はとても近しいところにあるのです。
(上記記事より)

なるほど。わかりやすい。
共感できる部分が多いから、ということは、教科書でも扱われるのにも納得です。適切に考えれば分かる、ということですよね。

そして個別指導中、上記記事をひととおり読み終えて、教科書に戻ってみると、気づきが多いこと!第1連は遠くから見ている視点なのか、とか、前半は林檎なのに後半は林檎畠に変化しているところとか、注目すべきところが分かります。


最初はよく分からんと言っていた生徒も上の記事を読み終えたあとは、第3連、第4連の少年少女のイチャイチャっぷりにツッコミを入れるようにまでなりました。ツッコめるということは、理解度が深まっていますよ。
問題集にも取り組みましたが、納得して指導を終えられたと思います。

「楽しむ者」から教えを乞うのは楽しい。

もちろん、この方法は、本来の学習のためには気をつけるべきこともあります。

インターネットに載っている情報の新旧とか、真偽とか、です。

記事の作者さんの主観に偏りすぎる、とかもあるかもしれません。

それでも、ある物事が好きで、しかも記事にまでされている方がいらっしゃるということ。
これは、記事の作者さんが、その物事の良さを広めたいという気持ちからだと思うのです。

そのお気持ちをお借りして、生徒たちにはポジティブな気持ちで、詩歌を味わってほしいと思い、紹介しています。
私も国語教師のはしくれですから、詩歌を読むのは好きですし、面白いと思っているから生徒に教えています。が、それでも、趣味レベルで好きな人の表現には敵いません。素敵です。
先の孔子先生の論語で言えば、生徒は「知る者」、私は「好む者」、記事の筆者さんは「楽しむ者」、でしょう。
「楽しむ者」から教えを乞うのは楽しい。
だからこそ、私も日々の授業では楽しそうに教えたいと心がけています。
問題演習のときは観察するために目を光らせますが!)

今は、インターネットを通して、色々な方の「好き」に気軽に触れられる環境です。
詩歌に限らず、よく分からん、ということに出会ったら、ぜひ「好き」な人を探してみてください。

せっかくですから、楽しんで詩歌を味わって見てほしいと思います。

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