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プリントを裏返す回数が多い【生徒の観察:伸びない生徒のクセ】

塾の教師は、問題演習の時間で生徒の観察をすべきです。

勉強する上で、問題演習は必要です。
問題演習を通して生徒は、その問題を自分のものにします。

学校や塾の授業がどんなに分かりやすいものであっても、生徒自身が問題を解かなければ、絶対に学力は伸びません。

弊塾が完全個別指導にならない理由のひとつは、効果的に問題演習をさせるためです(弊塾のメインは集団指導で、個別指導もプラスでやっています)。

問題演習は正直、自分だけでもできます。

家で問題集をやればいい。

しかし、教師からすると、教室で皆で問題演習をする時間は相当に貴重です。

なぜなら、生徒の観察ができるからです。

生徒にプリントを解かせて教師はヒマしている…など、最悪です。

生徒へのアドバイスのネタを見つける絶好の機会なのに。

観察すると、本当に色々なことが分かります。

色々なことがありすぎるので、ちゃんと記録してみようと思いました。
全部まとめると相当時間がかかりそうなので、1つずついきます。シリーズにできたらいいよね。

2020/12/13追記
生徒の観察記事をもう1つ書いたので、タイトルを変更。

やたらプリントを裏返す生徒

中1のクラスで、歴史の問題演習を行っていました。

ある時代をとりあげての演習です。テストではありません。
1枚のB4用紙に両面印刷をしており、表面が一問一答問題、裏面が実戦問題です。
当然ながら、実戦問題では一問一答レベルの知識を利用するのですが…


やけにプリントを裏返す音が聞こえます。
両面を解くよう指示しているので、皆1回はプリントを裏返すのですが、それにしても裏返す音が多すぎる。

どうやら、裏の実戦問題を解くときに、表の一問一答問題に載っている内容を参考にしているようです。

おそらく、難しい漢字を見ながら書いたり、実戦問題のヒントになるのが一問一答に載っているのでしょうね。

なにが駄目なのか?

彼は、そのプリントで丸がもらえることを目的にしています。

それは勉強ではなく「作業」です。

裏を見たから正解できても、彼の頭が良くなったことにはなっていません。

問題演習の効果が無いのですから、紙資源の無駄ですらあります。

テストではないので(テストであれば、裏見れば答えが分かるようなものは出しません)、ただ目の前の問題を自分が答えられるのかどうかに集中すべきです。

一発で丸をもらえることはむしろ、分かっていないことを見逃しているおそれがあります。

不正解でもいいのです。生徒にこれを意識させるのはいつも相当骨が折れます。

今回不正解だったことで、自分が分かっていないことが分かったのですから、そこをまた解けば良いのです。


生徒の「作業」を徹底的になくす

問題が分からないとき、今見える別の問題から答えを探す癖がある生徒がいます。本人は答えを見ているわけではないので悪気はありません。だから怒りはしませんが、その行為が自分の勉強を結果邪魔していることを伝えてあげます。

問題演習のとき、生徒には「作業」ではなく「勉強」をさせなければなりません。
おそらく、生徒が作業をしてしまっているところをひとつひとつ修正し、そして完璧に徹底させることができれば、生徒は自分で真の勉強ができるようになります。
こうなると、学力は勝手に伸びていくのではと思っています。

この状態に教室全体を持っていくことが、私の理想です。
その教室での問題演習は、最高に研ぎ澄まされた緊張感だと想像します。
私もまだまだです。精進しがいがあります。

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