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「自分軸」と「自己中」の見分け方

自分軸と自己中をどう見分ければいいのか…
結論から言うと、「都合のいいことは自分軸、不都合なことは他人のせい」なひとは、結局のところ自己中な人、ワガママな人という話です。そのほかの自分軸5つのポイントについても整理してみました。


1.自分軸と他人軸の背景

最近、「自分軸」という言葉を耳にすることが増えているような気がします。その理由は、以下のような時代背景が影響しているのでしょう。

時代の変化も緩やかな少し前の時代までは「他人軸」が主流で、安心安全で、最適な生存戦略でした。人生の正解は1つ、自分の外にある基準が全て。意識を外に向け、社会性を磨いて、周囲に褒められる人でいれば安心でした。親や親戚の価値観に合わせ、所属する組織の価値観に合わせ、周囲の仲間の価値観に合わせ、様子を見ながら無難に穏やかに生きるのが多くの人の「人生の正解」だったわけです。そのおかげで秩序のある治安のよい社会が形成されてきました。

しかし、時代が変わったのです。世の中の変化が激しく、価値観が多様化して、沢山の情報にさらされる現在、急激に他人軸戦略が最適解ではなくなってきたのです。周囲にせっかく合わせてもすぐに時代遅れになったりして振り回されるだけで、他人軸でいるのも穏やかでもなくなり、大変になってきました。また、他人軸でいると、どんな情報を信じて、誰を信じて、どうやって合わせればいいのかわからなくなります。最新状況キャッチアップしてる?、えっ⁉また変更?ルールが変わった??、今度は違う真逆の情報も??どっち?、〇年前言ってたことと違うこと報道出てきたし…という感じにぶんぶん振り回されるようになってしまう。そこで、自分軸で行こうという流れになるのは、当然の成り行きなのでしょう。

2.自分軸と自己中との違い

他人軸の世界とちがい、自分軸の世界というのは、自分の本音、自分の感情に向き合うだけでなく、人の数だけ正解がある世界です。全員正解、全員OK。隣の人の正解と自分の正解が違うのも当然です。その時々や場所で変わりゆく社会の基準も、他人もあまり参考にならないのです。

では、自分満開、思いのままに進めばいい!それが自分軸、と勘違いしている人も多そうですが、それでは自己中(自己中心的)でワガママです。そういう人の特徴は「都合のいいことは自分軸、不都合なことは他人のせい」にしがちです。これ、表に見える姿は自己中(本人の認識では「自分軸」)、実際の中身は他人軸なのです。

3.「自分軸」の5つのポイント

この自分軸というのは、外に一律の基準のある他人軸よりも、高度な能力や精神性が求められるのです。つまり、自分軸に生きることは他人軸時代より一歩大人に成長する必要があるともいえます。具体的には、

外界からの独自の情報収集・観察力
それに対して自分に向き合い本音を知る力、解釈力・選択力
自分の正解や正義を他人に押し付けない(コントロールを手放す
自分の正解も他人の正解も認めるだけの許容性と理解力
自分と他人の正解が衝突しないような客観視と調整力

これを駆使してこそ、周囲の情報に左右されず、他人を利用したり他人に利用されたりせず、どんな状況でも自分を貫ける鉄壁な「自分軸」といえるのではないでしょうか。社会的な情報を独自にインプットし、独自に分析・選択し、周囲と調和しながら自分を主張して表現していく。あらためて書き出すと「自分軸」で生きるって結構高度ですね😅 でも確かに、ここまでくると、「都合いいことも悪いことも、自分軸」で向き合えるはず。

このように、「他人軸や~めた!今日から自分軸しよ♪」とお気楽に切り替えができるものでもないことがわかります。社会と自分に向き合う様々な基礎力を新たに養成し、意識を進化させる必要があるからです。

4.「自分軸」人生への一歩へ👣

私たちの社会は、教育課程が未だにマス教育で、テストで1つの正解を求め、社会で有用な人間になるよう、褒められるように頑張るような人格が育成されるようになっています。そして働く組織も他人軸思考を前提にしたものがまだまだ多い。つまり、もちろん例外はあるものの、今の社会で形成されたもの、体験してきたことの多くのベースが他人軸なのです。

なので、まずその事実を知ること、認めることが大切でしょう。そして、気づいた人から、すこしづつ「自分」や「自分独自」に視点をシフトして、自分を大切にするってどういうこと?という視点を持ち、ひとつひとつ自分の本音を知る、本音を生きる経験を増やして開拓していくことから始める必要がありそうです。その先にある、適合や妥協とは違う、一段視点があがるような形の「自他の尊重」に向かって、自己中ではない自分軸を目指したいものですね。

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