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おいしいは世界共通言語

おいしいものを食べると心がほっとする。hangry という言葉があるように、自分が好きなものやおいしいものを食べることでイライラしてた気持ちがスッと和らいで穏やかな顔立ちになれる。食べ物がもたらすストレス緩和効果は大きい。
一人で食べてもみんなで食べても私たちを笑顔にさせてくれる食べ物は、私たちに生きる活力と癒しを与えてくれる万能薬だ。

私は今まで食べ物を介して海外の人とコミュニケーションをした経験がある。

海外旅行でニュージーランドに行ったとき、中国人夫妻が経営する小さい宿に泊まった。英語は少しできると思っていたが相手の発音が流暢で中々英語で返せずGoogle翻訳を介してコミュニケーションをとっていた。それでも約1週間ほど家族のように出迎えてくれて優しいご夫婦だった。ある日昼ごはんでフォーを作ってもらった。うま味の効いたスープでとてもおいしく「So delicious!」と返すとぎこちなく「ありがとうございます」と言ってくれて、フォーを媒介に私たちはコミュニケーションをとれた。
また、ワイヘキ島で地元のおばあさんにこの辺りで飲食店はないか訪ね、お礼に持ち歩いていたお菓子の『小梅』を1つあげた。すると一瞬不思議そうな顔をして「Umm,good!」と言った。きっと口に合わなかったのだろう。
それから、スリランカ人の友達がCoCo壱でいつも5辛を頼む言って、試しに1辛で食べてみたら自分には辛すぎて7割程しか食べられなかったこともある。

その国々で好まれる味や食感は違っておいしさの指標は違う。それはまるで黒くごちゃごちゃした漢字や、ポケモンのアンノーンのようなアラビア文字のように。
だけど、おいしいと感じたりそれを見て嬉しくなる気持ちは万国共通だと思う。きっとワイヘキ島のおばあさんも、せっかくくれたから「美味しいよ、ありがとう」と伝えたかったのだろう。どんなに言葉が通じなくても美味しいものを食べる、食べさせてあげることで互いの間に「おいしい?おいしいね、喜んでよかった」といった感情を共有できる。逆に不味かったら不味かったで笑い合える。

上の写真はバイト先のミャンマー人の留学生が作ってくれたまかない。細切りのきゅうりとベーコン、薄切りの玉ねぎとにんじんをトマトソースで和えたサラダ丼と、塩気の効いたキャベツとニンニクのスープ。きゅうり嫌いの私でも美味しく食べられたと言うとめちゃくちゃ喜んでくれた。

おいしさや食べる行為は国境を越えて通じ合える一種のコミュニケーションツールだ。英語など語学に加えて、料理ができれば心でも通じ合える。また、世界の食文化を知ることでコミュニケーションの幅が広がる。古来から人間の生活と切っても切り離せないほど食べ物は身近にあるからこそ、おいしいは人類共通の感情だといえる。

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