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学習者中心の授業デザイン

勤務校では、今年度の2学期より、1人1台PCの生徒使用および「Google workspace for education」の利用が始まりました。

これを機に、より生徒が学びの主体となる授業を目指し、「テーマ学習」と題した授業実践を行ってきました。
対象は中学1年理科。

ここでは、基本的なコンセプトを説明したいと思います。

○全体の流れ
 ・テーマ提示、班員発表
 ・チーム内学習、確認テスト
 ・実験計画
 ・実験
 ・実験のまとめ、発表の準備
 ・クラス発表
 ・ふりかえり

1.テーマ提示、班員

化学分野でのテーマは、『沸点の違いから「  」をつくる』、物理分野は『古代エジプトのタイムスリップし、ファラオにピラミッドのつくり方をプレゼンする』としまし。
具体的な授業の内容は、後の記事で紹介する予定です。
この際に、今後の予定や各学習場面、成果物に対するルーブリックを提示・配布しました。

班員のメンバーを固定した理由は、社会人になると一定期間決められた少人数のメンバーでプロジェクトを進めるという機会も多いのではないかと考えたからです。

2.チーム内学習、確認テスト

教員が基礎知識を説明するような、いわゆる「講義型」の授業は1回も行いませんでした。
しかし、全く基礎知識のない中で学習を進めていくことに対しては自分自身に不安があったこともあり、本格的なテーマ学習に入る前に、まず「チーム内学習」と題して、基礎知識をインプットする段階を設けました。

具体的には、その単元の学習内容を、例えば教科書のページ数などで区切り、班内で分担して、内容を要約した資料を作成しました。
資料は、紙媒体でもPC作成でもよいことにしていました(ほとんどの生徒がPCでGoogleドキュメントやスライドを用いていた)。
その後、班内で資料を共有し、教員が作成しておいた確認テストに取り組みました。

3.実験計画

初回に提示したテーマをふまえ、班ごとに実験を計画しました。
教科書やインターネット検索などで情報を集めたました。
実験に必要な器具や材料などは計画書に記入し、提出してもらっています。

4.実験

計画した実験を実行します。
PCを使って、方法や結果を画像や動画として記録しておく班が多かったです。

5.実験のまとめ、発表の準備

結果を整理・分析し、考察します。
それをもとに発表の準備を行っていきました。
発表の形式は自由ですが、ほとんどの班がGoogleスライドを用いていました。
Googleスライドやドキュメントは、同時共同編集が可能なので、手持ち無沙汰になる生徒が少ない印象があります。

6.発表

各班3分以内(1コマで全班の発表が完了)。
発表の聞いている生徒は、事前に提示してあるルーブリックに基づいた相互評価アンケート(Googleフォーム)に回答します。

7.ふりかえり

まず、教員が録画しておいた発表中の様子、相互評価アンケートの集計結果を班でチェックしました。
その後、チームとしてのふりかえりや個人としてのふりかえりを行いました。
毎授業後もふりかえり(Googleスプレッドシート)に入力をしてきています。
これに関しては、時間が足りず取り組めない日もありました。

○その他所感

何を隠そう、自分の中で不安だったのは、講義型授業で用語の意味などを説明していないことによって、定期テストの得点が取れない可能性があることです。
もしこうなったら、世間体が悪くなってしまうので。
個人的には気にしていませんが、職業の公共性を考えれば無視してはいけないことでもあります。
しかし、この「テーマ学習」として取り組んだ内容の得点は、全体でみれば特段よくできたり、悪くなったりもしませんでした。
これは、少し極端になるかもしれませんが、学校が「先生に教えられる場→自分たちで学ぶ場」となる可能性を持っているといえるのではないかと感じます。

その確信を深めることができ、さらに勇気を持つことができました。
何より、協力してくれた生徒たちに感謝しかないです。

次は、単元や教科を横断して、PBLの実践をしたいです。

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