エコが日々をラクにする。ハヤカワ五味が考える「めんどくさい」から始まる環境配慮のすゝめ
「女性の身体を持つ人、ひいてはすべての人が、自分らしく過ごすための選択肢が照らされる」
そんな未来に向けて、シンデレラバスト向けランジェリーブランド「feast」や、女性向けヘルスケアブランド「ILLUMINATE」の代表を務めるハヤカワ五味さん。
大学生で起業した彼女は、事業を続けていくなかで、次第に環境問題へ目を向けるようになり、地球環境に配慮したプロダクトを作ろうと少しずつ行動に移していったといいます。
今回は、同世代の若者に向けて、ハヤカワさんが考える環境問題との向き合い方についてお聞きしました。
「最近、明らかに気温ヤバいじゃないですか」
ーー私たちにしてみると、「脱炭素」や「気候変動の抑制」と言われても、なかなか実際の生活には結び付けられなくて…。
ハヤカワさんは、どうしたら若者が気候変動に興味を持つようになると思いますか?
ハヤカワさん:
う〜ん、もう明らかに最近、気温ヤバいじゃないですか!
ここ5年くらい、毎年夏は暑すぎるし、冬は寒すぎるし。
ハヤカワさん:
私が小学生くらいのときって、9月にはもう肌寒くなってきて、プールなんて入りたくなかった記憶があるんですよ。
それなのに、ここ数年はむしろ「入らせてくれ!」って言いたいくらい、暑くなってきてる。環境は、もう体感できるくらいに変わっているんですよね。
だから、「最近の夏とか冬の気温、ヤバくない?」って考えるだけで、気候変動について考えるきっかけになると思うんです。
ーーまずは、身近なところで環境問題を意識していくことが、考えるきっかけになると。
ハヤカワさん:
そもそも、なんで環境に配慮した行動をしなきゃいけないのかを、具体的に理解する必要があると思うんですよ。
ただ、「プラスチックの使用量を減らすため、レジ袋は有料になります」と言われても納得感がない。
「なんでこれをしなきゃいけないんだろう?」と疑問に思ったことをググってみるだけでも、「この行動は、この環境問題の解決と繋がってるんだ!」と、点と点が繋がる体験ができると思います。
「めんどくさい」から自然と環境に配慮した行動が生まれる
ーーとはいえ、実際にエコな行動をするって、ちょっと面倒なイメージがあるんですが…。
ハヤカワさん:
私の場合、「ゴミを捨てるのがめんどくさいからこそ、減らしたほうがラクじゃない?」という考え方から始まりました。
私、実は意識が高いように見えて、けっこう低いほうなんです。
それこそペットボトルを捨てるときは、キャップと分けて、ラベルを取って、洗って…といろいろやらなきゃいけないじゃないですか。
ーー正直、分別するのって面倒だな、と思いながらやってます…。
ハヤカワさん:
だから、そもそもペットボトルを使わずに、マイボトルを持ち歩こうと思うようになったんです。
あとは、コンビニのお弁当とかスーパーのお惣菜が入ったプラスチック容器も捨てるのが大変なので、家では自炊派になりました(笑)。
最初は「めんどくさい」って気持ちから始まった行動でも、結果的には環境配慮になる。それでいいし、それがいいと思います。
ーー生活をラクにすることを突き詰めると「エコ」になるんですね…!
ハヤカワさん:
「メルカリ」などのフリマアプリや、「ジモティー」などの中古品取引サイトもよく使うんですけど、それも結局はラクだからなんですよね。
大きい家具を捨てるとなると、粗大ゴミに出すにも解体するにも手間がかかるし、「それなら、ジモティーで必要としてくれる人に譲ろう」となったわけです。
ハヤカワさん:
「エコ」って、自分にとっては得がないように見えちゃうから、関係ないと思う人も多いと思います。
でも、実は手間やムダな時間を減らす行動が、環境負荷まで減らしてくれたりするんですよ。
“モノ”を作ることは、“ゴミ”を作ることに繋がるかもしれない
ーーハヤカワさんは10代で起業されていますが、いつごろから環境について意識するようになったんですか?
ハヤカワさん:
私は最初から環境問題のことを考えていたわけじゃないんですよ。もちろん、多少の意識はあったんですけど、正直「そんなに急ぐものなの?」という気持ちもあって。
でも、ILLUMINATEのユーザーのお声を聞いていると、多くの方が環境問題に関心が高いということがわかり、私自身もしっかり勉強しないといけないと思うようになりました。
ハヤカワさん:
勉強していくうちに、実際に地球で起こっている環境の変化のデータと、今まで耳にしてきた環境課題を結びつけることで、「これはたしかに、今すぐにでも行動していかなきゃいけないな」と、腑に落ちたんですよね。
ーー事業を通じて、環境について考えるようになったんですね。
ハヤカワさん:
私は製造側の人間なので、自分が新しく作ることがゴミを増やすことになるかもしれないということは、考えなければならない問題だとずっと思ってきました。
でも、モノを作るからこそ、そこに雇用が生まれて、人が消費して…というように社会は回ってる。
何かしら作っていくなら、捨てずに長く使えたり、逆にすべてを使い切れるような、環境負荷が少ないものづくりをしていきたいと考えてきました。
ーー実際には、どんな工夫をされてきたんですか?
ハヤカワさん:
ILLUMINATEでは、ゴミを減らすために、できるだけ簡易な包装を作りました。
たとえば、女性向けサプリメント「チケットサプリ」の包装では、プラスチックを使わずに紙でできた箱を採用しましたが、紙だけでどれだけ耐久性を持たせられるかは、かなり考えましたね。
それでも、やっぱりプラスチックは耐久性が高いので、どうしても使うべきときは、開封したあともジップロックのようにして使えるプラスチック袋を作るなど、再利用できる包装を考えました。
無駄を出さないだけではなく、そこに新しい価値を生み出すのも大切だと思っています。
ーーたしかに、通販で買った商品の包装や、プラスチックケースとかって、すぐに捨てちゃうから、もったいないなと思っていました。再利用できたら、それだけでもゴミが減らせますよね。
ハヤカワさん:
ゴミを減らすという意味では、ランジェリーブランド「feast」でも廃棄はほとんどしていません。それは、「なるべく売れる数だけを作る」というのをつねに意識してきたから。現実的に売れそうな数の分析を重ねて、製造数を絞ることで売れ残りを最小限に押さえています。
売れ残ったとしても、よほどのB品以外はセール価格で販売したり、福袋で販売することで、廃棄は出さないように心がけてきました。
あまりに廃棄してこなかったので、そもそもの廃棄の仕方がよくわからないぐらいです(笑)。
環境への配慮が「オシャレ」だと思えることが1番
ーーお話を聞いていると、包装を再利用できたり、セール価格で製品を買えたり、ユーザーにとってもいいことばかりですね…!
ハヤカワ:
環境への配慮を考えたことで、ユーザー満足度も上がったと思います。
特に、ILLUMINATEのプロダクトは、毎日使うことで効果を体感していただくものなので、お部屋の目につく場所に置いてもらいたい。
お部屋になじむデザインを考えていくうちに、自ずとしてシンプルで無駄のない形にできあがりました。
ーーILLUMINATEのプロダクトは、オシャレなデザインと環境への配慮、2つのバランスがとてもいいですよね。
ハヤカワ:
結局、環境への配慮も「オシャレだな」って思えることが1番だと思うんですよ。
たとえば、スーパーのレジ袋を持っているよりも、デザイン性の高いエコバックを持っているほうが、単純にオシャレじゃないですか。ビジュ的に。
ーースーパーのレジ袋、たしかにオシャレではないかも…。
ハヤカワ:私は、スタバの「リユーザブルカップ」という再利用できるカップを持ち歩いているんですけど、それもペットボトルよりも軽くて便利で、しかも見た目がかわいいから使っているんですよね。
最初は、「レジ袋ってダサくない? なら、エコバックのほうがよくない?」みたいなテンションからスタートでいいと思うんです。
意識高くあれこれやるよりも、まずは自分の身の回りで長く使い続けられるオシャレなものを1つ取り入れてみるからでいいんじゃないかな。
そういう行動を繰り返していくことで、ちょっとずつ使い捨てのものが減っていって、結果的に地球を守ることに繋がると思いますね。
(取材・執筆=目次ほたる(@kosyo0821)/編集=いしかわゆき(@milkprincess17)/撮影=友海(@6stom__)
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