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家紋と思考

最近、家紋に惹かれる。
もしかしたら、みなさんの家系にもあるかもしれない。
家紋は次のように説明される。

家紋(かもん)とは、個人や家族を識別するために用いられる日本の紋章である。 日本では、構造的な類似性に基づいて241種類の一般的な分類がなされており(1つの紋が複数の分類に属することもある)、5116種類の個別の紋が存在する(ただし、この分類に含まれていない失われた紋や無名の紋が存在することもよく知られている。

wikipedia

5,000を超える紋があるのは驚きである。
しかし、紋に興味をもった一番の理由はその構造である。
なんとすべての紋は、「円」と「線」で作られているという。
つまり、あらゆる紋は円と線に分解できるのである。

この紋辞典には、基本の紋として142の紋が掲載されているが、
構成されている円の数、線の数が軌跡のビジュアル(筆者は紋曼荼羅と呼んでいる)とともに記述されており、大変興味深い。

例えば、鳳凰の紋。
鳳凰の図柄は緻密で複雑であり、円と線だけで書くのは到底不可能なように思える。しかし、紋曼荼羅を見れば、確かに円のみで表現されていることがわかる。その円の数は「2107」にも及ぶ(なお、鳳凰の紋では線は使用されていない)。円だけでこのような美しい紋を表現するとは、古人の知恵に驚くばかりである。

このように紋の構造を見たとき、思考の構造に通ずることに気が付く。
つまり一見、複雑に見える概念も分解すれば、極めて単純な概念に整理できるということである。
難解な概念も、単純な概念の積み重ねでしかないという示唆が得られる。

あらゆるものが複雑化している現代において必要とされるのは、これらを分解して、その中に潜むシンプルな構造を見つめるまなざしではないだろうか。


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