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写真詩『愛おしさと風』

滑り台の下に置かれたカバンたち
どこかから聞こえる工事の音
待ち合わせ場所だったカーブミラー

蘇るようになぞるように
風になる

自転車はキィキィ鳴るけど
それも全てこの秋の奏でる一部で
ふと生きた感覚が指先に
鼻の先の冷たさをすぐに忘れる

秋のいつの日かを思い出すとき
この目に映るものが
息衝いていたことを理解するのだろう

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