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休職中だし、旅行しても良いよね?

これまで長く、
人事で休職者を
サポートしてきた身として、
また、心理カウンセラーとして、
休職中に旅行する場合、
注意することをお伝えします。

休職されてきた方の中には
有休をほとんど取ったことがない、
長期の連休を取ったことがない、
という方も
いらっしゃるかもしれません。

そうでなくても、
突然の休職で、
時間を持て余してしまい、
毎日、ただ時間を無駄に過ごすくらいなら、
何か有意義に時間を使った方が
良いのではないか、
ということで、
旅行しようという方も
中にはいらっしゃいます。

本来、
休職というのは、
「療養に専念する」
ことが目的で
仕事を休んでいるので、
「家で身体を休める」ということが大切で、
自分を振り返ったり、
家でゆっくり過ごすことが
とても重要になるのですが、
かと言って、
「旅行をしてはいけない」という
わけではありません。

ただ、やはり、
休職していない場合とは違い、
休職中ならではの
注意しなくてはいけない点があるので、
そちらについて、
お伝えしたいと思います。

①ストレスが増えることを覚悟する


繰り返しになりますが、
休職しているのは、
主に仕事のストレスから離れるためです。
とはいえ、
どのようなストレスであっても、
それが重なれば、
精神面への負担は免れません。
例えば、仕事以外のストレスとして、
家事や育児によるストレスに晒されていれば、
やはりメンタル疾患の回復は遅れます。

そこから考えると、
旅行というのは、
自分の思い通りにいかないことが
多い場面に遭遇しやすくなります。
予想とことなる現実は、
ストレスを感じやすいため、
このような状況は、
メンタル疾患の回復を
遅らせる可能性があることを
理解しておかなければいけません。

とはいえ、
旅行にはリフレッシュ効果もあります。
これは、メンタル疾患の
ストレスの発散には効果的なため、
そのバランスを考慮して、
リフレッシュ効果の方が
高い場合には、
旅行も勧められると考えられます。

よって、
できるだけストレスの少ない
旅行にすることが肝要なため、
以前に行ったことがあって、
不安(ストレス)の少ない場所を選んだり、
暑さ・寒さがストレスになりにくい場所や、
もし同行する人がいるのなら、
メンタル疾患に理解のある人を選んだり、
そのような配慮が必要だと思われます。


②主治医の許可を取る


旅行がストレスになりうることを
踏まえると、
やはり、そのストレスに
耐えられる状態かどうか、
主治医の許可が必要でしょう。
書面などは必要ありません。
ただ、旅行の必要性や
その工程などを含めて、
主治医の先生にはご相談しておいた方が
良いでしょう。
これは、万が一、
会社から咎められた時、
自分を守ってくれるものに
なりますし、
旅行中に辛くなっても、
その主治医の先生の許可してくれた言葉が、
自分を安心させるお守りになります。

また、主治医の先生が
許可されないのでしたら、
そこは、まだそのような状況ではない、
ということで、
素直に延期して
いただきたいと思います。


③周囲の人の受け取り方に配慮する


自分の状態が整っており、
主治医の先生が許可されたとしても、
休職中の旅行は、
周囲から見れば、
理解しがたいものに映る可能性があります。

どちらが正しいか、
ではなく、
周囲の人との関係性も、
これからの人生で良好に保つ必要があるので、
そこに配慮できるようになることが
回復の道筋になると思って、
うまく立ち回っていただきたいと思います。

例えば、
「旅行に行きたい」
「旅行に行く」という発言や、
旅行先でのSNSは
避けた方が良いでしょう。

周囲から見れば、
「旅行に行く元気があるなら
仕事もできるでしょう」と
解釈する人もいます。
そこで、
「仕事と旅行のストレスは違う!」
とか、
「リフレッシュ目的だから!」
などと、
どちらが正しいかを競うような
無用な争いは、
避けてほしいのです。

休職中は、
家族にも迷惑をかけているので、
「旅行が楽しみ!」とか、
「すごく良かった!」というような、
必要以上に楽しさをアピールするような言動も、
注意した方が良いかもしれません。

旅行に行くな、
とは言いませんが、
あくまで謙虚に、
療養の一環として
捉えてもらえるような態度を取ることが、
これも人間関係構築のリハビリとして
考えていただければと思います。

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