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日々

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日常の出来事と、心象風景。
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#日々

銀行、銀行、おでん、銀行

 銀行をいくつかはしごする用事があった。街中ではテンポよく処理したものの、最後の一件は街…

こと
11日前
1

秋の空気

秋がくると 空気がしんみりとやわらかくなる じぶんがじぶんにひたりと かさなるような気がす…

こと
2週間前

寝癖

 昨晩は早めに床へ入った。枕元にはカンテラと文庫本が置いてある。いつもの習慣で寝る前にす…

こと
2週間前
2

たいやきと珈琲

 十月一日。しつこい残暑も十月に入ればさすがに秋めくだろうと思っていたが、その日は猛暑日…

こと
3週間前
6

吉報

 先日、私の携帯電話が珍しく鳴った。それは思いもかけない良い知らせだった。鈍臭さと神経質…

こと
3週間前
3

黒い自由、白い自由

 Aさんと少し会話をする。その中で、Aさんにとっての自由は、手帳を真っ黒にすることらしい…

こと
1か月前
2

夢は乾いて、街はまだ濡れている

 昨日いちにち吹き荒れた雨は止んでいた。明るい曇天 に鳥がのびやかな声を鳴きとよもす。昨日のなごりのし めった風が、雨に洗われた樹木の梢をゆらしている。窓 と玄関とをあけて風のとおり道をつくった。しめやかな ふんわりとした空気が流れていく。しんみりとして気持 ちのよいそよ風だ。  朝方に夢を見た。目が覚めたときにあとで日記に書い ておこうと思いながら、雑用にまぎれて忘れていた。午 後に一息ついて、先日買って読みはじめている小説をひ らいたら、主人公が夢を見たいう記述が出てき

老婆と子犬

 一日曇りがちだった空が夕方になって雨を降らし出し た。弱い雨だが、さいきんはスコールの…

こと
1か月前

……。

2000年 3月31日 有珠山噴火 2000年 6月26日 三宅島噴火 2000年 9月11日 東海豪雨 2000年…

こと
1か月前
1

バス停

 路地に面した小さな神社に、見慣れぬ影を見止めた。入口の石段に若い女が腰かけている。お出…

こと
2か月前

おやすいごよう

 今日は、めんどうくさいとおもってさぼっていた雑用をやっつけた。やってしまえばすぐに終わ…

こと
2か月前
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ALL SUMMER LONG

 私はスーパーマーケットへ行った。お弁当のコーナーに天丼が見えたので、はからずも食欲をそ…

こと
2か月前
1

ひなたぼこ

 あかるい日差しがさみしい路地にそそいでゐるおだやかな日だつた。おばあさんが往來の眞ん中…

こと
2か月前
1

桜紅葉

 日曜の朝の通りは、店々の軒先で店員が開店の準備に追われていた。役所の前の歩道に鳩の死骸が仰向けに落ちていた。すれちがった女が死骸を見て顔をしかめていた。  歩廊のベンチに腰掛けると、朝の鋭い陽射が膝へ落ちた。礼服の黒が冬日を吸ってじんわりする。高い青空には刷毛ではいたようにうす雲が棚引いていた。若い車掌がずっしりとした手提げ鞄を提げて登場した。車掌は鞄を置いて次の電車の着くのを待っていた。指の骨をならし、腕を伸ばし、足首を回して、静かに気合を入れていた。  電車が来て乗り