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横浜から山梨に移住して5年、農業をしながら民宿を営む。移住の創業期・成長期・安定期

横井さん 移住5年目

コトモファーム元会員である横井さんのところにお邪魔してきました。東京から車で1時間、山梨県都留市に現在お住まいです。

横井さんは、3年間コトモファームで野菜作りを学びながら、移住先を探し、2015年に山梨県都留市に地域おこし協力隊として移住しました。

このあたりの経緯はこちら

3年間、地域の活動や農業を営みながら準備を行い、2018年より民宿を開業、農業法人の立ち上げを行いました。

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移住して5年、民宿を開いてから2年、移住先での暮らしはどうか、聞いてみました。

Q 今ってどんな生活をしていますか?

今は、農業のアルバイトしたり、GAP(農業生産工程管理)の指導員の資格を取ったりしてますよ。

あれ、どこまで知ってるんですかね。仲間と農業法人立ち上げて、そこで正社員の形で雇ってもらって一緒に働いてたんだけど、野菜の生産でちゃんとした給料を出すのは難しいって、農業生産の事業は縮小して、自分は今年(2019年)の4月には会社を退職したんだよね。

それからは、○社(某大手)の生産農場で働いてみたり、色んな農場でバイトしたりしながら、GAPの指導員の勉強をしてるかなぁ。

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民宿での多くの人との出会い

Q なんと、そうだったのですね。民宿の方はどうですか?

今年は多かったねぇ。本当に色んな人が来たましたよ。外国から来た方もいるし。エアビー(airbnb)とかで見つけてくるみたいだね。

夏が多くて、今はそんなにじゃないけど、ならすと週に2組くらいは来てるかな。ラグビーのW杯特需があるって言われてたけど、その時期はそんなにでもなかったけど(笑)

大学卒業して以来会ってなかった人が、自分がこういう生活してることを知って訪ねてきたりもしたね。なんだか不安みたいだね。その人が言っていたのは、「会社に勤めてても、この先どうなるか分からない。新しい生活の仕方を考えていかなきゃ」って。

他にも移住とか田舎暮らしとかを考えている夫婦が来てくれたりするんだけど、何度も通っているうちに鍵渡して自分が家空けなきゃいけない時に、使ってもらったりもしてる(笑)

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(冬の寒さ対策のため、自分で漆喰を塗られたそう)

Q なんだか楽しそうですね。地域おこし協力隊の時にお会いした時におっしゃっていた「自分の力で生活してみたい」ってことをまさにやっていらっしゃるなって気がします。

会社がすぐにつぶれるようなことはないにしても、この先発展していくって気もしなくなったんですよ。そのくらいから、もう少し自分の力で生活してみたい、自分の力で生きてみたいなって気持ちがあったんですよ。自分で食べるものは自分で作ったりとか、セルフビルドって、家を自分らで建てたり、そこで仲間と一緒に住む、そんな生活をやってみたいなと。
以前のインタビューより

その時は「自分の力で」って言っていたけど、やってみると本当に周囲の人の力を借りてるなと思うよね。

農作業をするのにも一人でやるのより一緒にやった方が断然いいですし、自分が動けない時にやってもらったり、逆に相手に手が足りない時には手を貸したりしないとやってこれなかったなと。

地に足がついた、移住に対するスタンス

Q 横井さんみたいに移住や田舎暮らしをすることを考えている人は、結構いると思うのですが、相談を受けたら何て答えているんですか。

畑はやっていて良かったよね。畑をやっていると地域に知り合いができやすいし、やってたことで地域に溶け込めたかなぁって。

でも、よく見られてるので逆に畑を荒らしたままとかにしてると、「荒らすから、あそこには貸さない」ってなったり。

あとまあ、相談してきた人の状況によって言うことは変わるんだけど、その人がまだ若くて、結婚とかしてなかったら、田舎暮らしとか移住とか、まあ飛び込んでみたらいいんじゃない、と言うかな。

結婚してたり子供がいたりする人には、よく家族と相談したらって。

Q 堅実ですね・・・

まあそうだよね。移住して、今の生活にある程度落ち着いてみて思ったのは、移住にも成長期とか安定期とかあって、移住してすぐは、毎日ドラマがあるっていうか、いろんな新しい人と出会ったり、新しいことが起こったりするけど、今はだいぶ落ち着いてるよね。民宿では新しい出会いが多いけど、地域ではたまにスーパーで「おー久しぶり」なんて感じですし。

でもそれは、会社も一緒で、転職したりすると最初は色々あって、時間がたったら落ち着くじゃないですか。移住だけが特別じゃないのかなって。

でも本当に、移住して、自分で農業やって色んなことを学べたって思うね。農業も今色んなところに行ってみると、そこがどんな風に経営しているかなんとなくわかるようになったし。

ただ、農業ってこうすればいいって正解がないじゃないですか。それで、こうするのがいいって第三者的な目線が欲しいなと思って、GAPの勉強を始めたんですよ。

農業をやる人の生活水準を高めたい

あとですね。この5年はずっと農業に携わってきたし、この1年半は経営に近い立場でやってきて、色々と見えてきて。

例えば、会社で給料を出すとなると、額面で25万円だとしても、年金や保険を半分会社が持つわけだから、会社が支払うお金は30万超えるじゃない。それを野菜の生産販売の利益から出すって中々経営的に厳しいなって。

さらに、もらう側としては手元に残るお金ってもっと少なくて。

ずっと月収20万円じゃ、一人で自給自足的に暮らすなら十分すぎるけど、家庭持って子育てしていくと考えると生産性をあげなくちゃなと思うわけですよ。

そーいうのも含めて、農業でどうやって人並みの水準で生活できる環境にしていくのか、そんなのがこれから取り組んでいきたいことだよね。

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※横井さんの民宿情報

※野菜作りが学べる体験農園コトモファームの情報

#田舎暮らし #移住 #ライフスタイル #地域おこし協力隊 #農業 #働き方 #生き方

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