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つれづれの道草

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ひと手間、ふた手間

耕せば、種を撒ける。……甘かった。昨日から始めた耕作は、遅々として進まない。小石から漬物石級の大石まで、立て続けに硬い音で鍬に当たるのだ。耕すのではなく、掘り起こす。石たちをひたすらひたすら…。どう考えてもわざと入れてある気がして、夜に確認してみたら、やはり…。ここはかつて養鶏場で、土台をしっかりさせるために石や赤土を入れ込んであるんだとな。頑固な謎の根っこも、挑戦的に石の隙間から覗いている。
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    道案内

    昨日、わが子のアドレナリン50倍出たという道を案内してもらった。しょっぱい干し梅を舌で転がしながら、獣も通らない急斜面。
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      木の芽どき

      木の芽どき

      お米が一年に一度実るように(いや二期作があるが)、春もその年一度だけ。もう四十数回、いろんな春を味わったはずなのに、記憶はスカスカしている。仕事やらなにやらで、だいたい屋内にいる時間が多かったのだ。ここ三年くらい朝は職場へすっ飛んで、ロールカーテンの端から覗く光の加減で夜を知ったものだ。半ドンや休日なんて、外の光の加減で見事に際立つ景色をチラ見しながらばたついているか、家事以外では死んだように寝て

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      直に触れる

      直に触れる

      新潟にいた頃、火焔式土器に取り憑かれた陶芸家兼フレンチシェフのご夫婦との出会いがあった。
      廃園になった保育園を利用して縄文式陶芸やケータリング・音楽イベントなどを今もされていることと思う。
      おおらかで懐が深く情に厚い方というのが、そのご夫婦の印象。
      夏休みの親子縄文式素焼き兼BBQイベントを2、3回体験させていただいた。
      基本、創作に関して自由。
      焼成の途中で破損しそうな場合だけ、声がかかる。
      一

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      精進

      イモ・いも・芋…。越冬したじゃが芋が、一俵米袋の三分の一ある。不定期にやってくるあずきブームが四、五日前からくすぶる中、毎日いも三昧。ガレット・肉じゃが・カレー風味イモ入りオムレツ…。おっと！忘れた定番のコロッケ。昨日ウケたのでまたカレー粉を入れてみたら、普通のがイイとのこと。うん。わたしもそう思った。シンプルだとイモに深く入り込める。イモと対峙せざるをえん。それがよくて、しばらくイモづきあいは続きそう。
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      たまの寄り道

      かつて我が子は、ヒデヨシを見倣って生きようとした。もちろん、周囲に止められた。まあ、こんなことはしないんだけど、いまだに読むとスーッ、ホッとする。『山賊ダイアリー』では、猟師になる！と山の中に一人で分け入り、鹿の角を持ち帰ったり、雄叫びをあげたり、手製の弓で狩りもどきをやってみたり、…。なんて手近なものに影響を受けやすいんだろう。
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        弔い

        桑の木の下、掘り畑の脇、縄文の墓のそば。重く、力強い土の香り。握りにくいショベル。ざらつく雪。静謐で生々しい行為。
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          夕焼け小焼け

          ダンちゃんが、逝った。帰って会ってみると、眠ってるよう。死ななならんのに、生まれるって、生きるって、なんなんやろな。
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            秒針

            137億年前に宇宙が始まり、46億年前に地球ができた。iPS細胞やエピジェネティクスで難病が治癒改善する。…そんなことがわかっても、目の前のいのちの声すらわからない今。
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              誰の願い

              ダンちゃん。足の冷たい日が増えた。声をかければ、顔を上げる。口や身体、おしっこの匂いが変わっていたが、何とか外に出られていた。昨日からダンちゃんの脚はふなふなと力が入らない。左右の横寝を繰り返して、胴が平らになってきた。