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直に触れる

新潟にいた頃、火焔式土器に取り憑かれた陶芸家兼フレンチシェフのご夫婦との出会いがあった。
廃園になった保育園を利用して縄文式陶芸やケータリング・音楽イベントなどを今もされていることと思う。
おおらかで懐が深く情に厚い方というのが、そのご夫婦の印象。
夏休みの親子縄文式素焼き兼BBQイベントを2、3回体験させていただいた。
基本、創作に関して自由。
焼成の途中で破損しそうな場合だけ、声がかかる。
一緒に手びねりでやっていくんだけど、その様子がなんとも楽しそうなのだ。
その姿に安心する。
あなたたちのためにやってます、地域活性化のためにやってます、ではない。
俺が楽しいこと、一緒にやってくれるのが嬉しくってたまらない!
言葉にはしないけど、そんな気持ちが直球で伝わってくるご主人だった。
そしてそんな夫をドーンと笑顔で支える奥さん。かわええのよ。この人がまた。
ひとって、惚れ惚れするような物事に触れると、その人たちを丸ごと好きになってしまう。
颯爽とカッコよくビジネス感たっぷり醸すのより、多少不器用でも、本当にワシ・ワタシこれ好きなんよね〜!って人の方がシビれる。
効率・エンタメ度よりも、その人そのもの。純正◯◯さんっていう方が、胸への食い込み度が高い。
あゝ、この人のこのありようが好きなんよ〜。
恋愛とは別種の惚れ込み。
たぶん一生だな。
いいとこもアレレなとこもひっくるめて、大好き。応援したり、一緒に何かものづくりでも飯作りでもやりたくなっちゃう。

あ、
書きたかったことから脱線気味だ。
手を動かして、一塊の粘土から自分の今のかたちをあらわにしていく作業は、ドキドキする。
毎年、全く別人のものかというくらい変わっていく。
まず大きさ・タテヨコの比率・土の厚さ・装飾の具合などなど。分かりやすい人もいるが、気まぐれ度が高いせいか出来上がるまで毎回全く何が出てくるか分からない。
そこでは縄文式に倣って野焼きで、皮膚の奥まで焼かれるような熱さの中で焼き締めていった。
土練りはしてあったけど、形成して二週間後の野焼きにも参加できるのがまた良かった。火入れの後は、鹿肉メインのBBQでのんびり過ごす。シャツに火の粉で穴を開けながら、薪を転がすのも、火傷したかや?と思うくらい熱・暑
かった。
田舎に帰っても、土器作りのイベントに参加したが、弥生式の赤土を足で踏んで練り、土窯を作っての焼きだったので、熱さは半減。火の番も担当の大人が寝ずの番をしてくれて関わらなかったが、これも新鮮で面白かった。
あるものを活かす。
そういう意味で、先人にはかなわないのじゃないだろうかと思うことしきりだった。火起こしからやるのも面白かった。…雨にたたられ、煙で終わって、マッチに頼ったけれど…。
このかならず成功するわけではないというのがイイ。
火が点かない=湿度が高い・摩擦が足りない・タイミングを逸しているなどなど、うまくいかない理由をどうクリアするかにワクワクする。
イベントの楽しさは、予定通りじゃないところにある。
目の前のリアルな問題にどう取り組むか。
どうやってゴールテープをみんなで、または自分で、切るか。
1+1=◯◯…。
この後に何が入ってもイイ。
その時、その場で、どうしたいか。
願い通りにいくかどうかはさておき、やってみて、結果をみる。
そのあと、さらにどうするか。
自由だ。
セッティングは、自由度がある程度ある方がいい。
そこで完成する必要はない。
続けようが続けまいがどちらでもいいのだ。
そこに一緒にいる。
一緒にこの場にある。
あること。
そのものが想定を超えて力になるのではないか、そう思える瞬間に何度かあってきた。
お祭りは楽しい。
たまのイベントの楽しさより、もしこれが毎日のようにあればどうなんだろうと思うこともあった。単発打ち上げ花火はあちこちにある。
行けばやってるってくらい、日常にあるのってイイなと思うのだな。あちらこちらでワークショップというのが毎週のようにあるけれど、定常的に暮らしの一部として、その営みがある場というのがあるとイイなぁと無責任に考えてしまう。やりたいならやってみる?全部は面倒見んよ、みたいな。
受け入れ側?に宇宙レベルの懐の深さが必要なのかもしれないが…。もう、イベントとか教室とかでなくて年齢フリーとか縛り薄めの場があるとイイなぁ〜。
お客さまどうぞ的(受身型)イベントにも、飽きたかな〜。お互いに、同じ地平に立って、一緒に取っ組み合う。
その場で出たとこ勝負セッション。
または、同じ場にいる。ほかそれぞれよしなに。
イイじゃないの〜。

あれ?
ちょっと地酒に酔ってしまったな。
何が言いたかったかとか。
うん。
いま、どんな形ででも、
関わりを持って生きていることに、
ありがとう!
こう言いたかったんだな。
触れる。
感じる。
芽吹く。
膨らむ。
みんな、
おかげさんやな。

SNSも楽しいけど、直に触れて関わる醍醐味にはまだかなわんやろ。

ありがとう。
もう、山盛り、エベレストとか超えて
ありがとうなんよ。

酔っ払っているので、ここで切り上げさせていただきます。涙酒、説教酒、いろいろあるやろけど、ありがとう酒で。
日本酒、それも地元の酒。
イイわ。
この、た・ま・に。
が効くんよね〜。

きょう、畑やるど〜!と気合い入れてメダカ三匹在住の元火鉢を眺めて思ったこと。
思い出して、書きました。

八方感謝で、おやすみなさい〜。

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