誰の願い

画像1 ダンちゃん。足の冷たい日が増えた。声をかければ、顔を上げる。口や身体、おしっこの匂いが変わっていたが、何とか外に出られていた。昨日からダンちゃんの脚はふなふなと力が入らない。左右の横寝を繰り返して、胴が平らになってきた。
画像2 森林狼のブレニンと暮らしたマーク・ローランズ氏は、狼とサル(人間)の決定的差異を残酷なまでに表した。サルに関して、日常的に思い当たることの多い記述に、ダメージを食らった。だがそれ以上に、マークさんのブレニンとのやりとりに深い感銘を受けた。
画像3 桜の花びらを背中で運びながら、駆け出しそうに歩く。あちこち噴き出す春の報せに、そわそわと行ったり来たり。押し付けた鼻が土を削るに任せて、とりどりの香りを身体いっぱいで吸い込む。…今年も一緒に、裏の河原や土手を歩きたいなとつい願ってしまう。抱えた骨張った軽さに慣れることができない。どうしたらいい。時間ばかり経つ。

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