見出し画像

「2023年は『パンどろぼう』」~英語多読のための読書ガイド [絵本]~

英語学習誌『多聴多読マガジン』で連載している「多読のための読書ガイド」からのスピンアウト!
多読のプロたちによるおすすめの良書を紹介しているコーナーです。


絵本編 ~2023年12月号~

執筆:柴田 里実 (金城学院大学准教授)

2023年は『パンどろぼう』


師走となり、この1年を絵本の視点で振り返ると、2023年は『パンどろぼう』(柴田ケイコ作)の快進撃が思い出されます。

2020年に1作目が出版されてから、様々な賞を受賞し、今年はさらに5作目も出版され累計250万部(2023年9月時点)も売り上げたようです。

英語で翻訳される日も近いのかもしれませんね。

まだ読んでいらっしゃらない方は、2023年の締めくくりに、ぜひ『パンどろぼう』に癒されてみてはいかがでしょうか。

それに因んで、今回はパンを題材とした絵本をご紹介します。

(1)『Walter the Baker』

YL 1.0-1.5
著者 Eric Carle
出版社 Aladdin
総語数 867 語

パン職人のWalterが作るパンは絶品で、毎朝、公爵夫妻のパンを作るほどの腕前です。

ある日、猫が大事なミルクをこぼしてしまい、水で代用して作ることに。もちろん、味は良くなく、公爵の逆鱗に触れます。

翌朝までに、お望みのパンを焼けなければ、Walterは追放されます。そのお望みとは。

Walterは追放を免れることができるのか。

諸説あるようですが、「あのパン」はこうして生まれたのかと驚かされますよ。


(2)『Sun Bread』

YL 0.8-1.2
著者 Elisa Kleven
出版社 Puffin Books
総語数 524 語

太陽がなかなか出てこない極寒の町。

動物たちは、身も心も凍えています。

太陽光が恋しいパン屋さんは、パンの太陽を作ろうと奮闘します。

パン屋さんの思いが込められた輝くパンは、町中の動物たちを呼び寄せ、皆の心とお腹を満たします。

本物の太陽は顔を出してくれるのでしょうか。

この絵本は、ライムの響きがとても美しく、特に英語独特の美しい音の響きが楽しめます。

著者は、数々の絵本の賞を受賞しています。


(3)『In Every House on Every Street』

YL 0.8-1.0
著者 Jess Hitchman
イラスト Lili La Baleine
出版社 Little Tiger Press
 総語数 360 語

ある町のある家の子どもが、家の中の秘密をこっそり紹介してくれます。

“In this room, we bake, but we never just bake.”

キッチンは、パンを焼くだけのお部屋ではないよ。

歌も歌うし、ダンスもするし、チームワークも学べるよ。

それぞれのお部屋でどんな素敵な時間を過ごし、どんなことが学べるかを教えてくれます。

とても温かい気持ちにしてくれる作品です。
イギリスのOne DirectionのメンバーであるHarry Stylesの朗読も有名です。

Cbeebies Bedtime Stories


『多聴多読マガジン12月号』発売!

12月号の特集は、「意味でつなげて広げる 最強英語ボキャビル術」です!

無理なく効果的に語彙力を増強する手段としておすすめしたいのが、単語ネットワークの構築です。

この特集では身近な話題やホットなトピックを選び、関連する単語をネットワーク化して語彙力拡充につなげる方法と実例を紹介します。

試し読みはこちらからできます


この記事が参加している募集

英語がすき

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?