心身・人生の中での不調―認知の歪みとは

心の不調も、身体の不調も、必ずイコール関係で成り立っています。

自覚をしているかどうかは別ですが…。
というのも、本人には抑圧や否認が働き、自分の表面的な”症状”にとらわれる(意識の固着)ことで、本当にご自身が解決したい問題を見ないよう見ないようにすることが多いからです。
もしくは、心の不調(歪み)なり身体の不調(歪み)なりがもう実は幼い頃からであまりに当たり前過ぎる状態になってしまっていて、ご自身で気付かないくらいに麻痺しているか。

ただ、今、あなたが”感じてさえいなければ”あなたは大丈夫かというと…そうともいえません。
やけに風邪をひきやすい人、ぎっくり腰をやりやすい人、がんや原因不明の疾患にかかりやすい人…心でも、神経症状を発症しやすい人などもおられますよね。
こういう人たちも、実は心の問題と身体の問題は、必ず寸分違わぬイコール関係で繋がっています。
これは身体の症状だろう、と例えば思うかもしれませんが、それは、身体で現れている症状の方が「今のあなたの自覚にとって」目立つだけで…身体だけ不調で心は万全な人、心だけ不調で身体は万全な人、というのは、存在しません。
そして、これに気付かずに表層的な症状だけを見て…もしかしたらそれは一時的には薬などの効果で治療できたように見えるかもしれませんが、「あなたの本当の問題(不調)」を解決しないと、またすぐに何らかの形で出てきてしまいます。もしくは、外側から見れば未病(表面的に症状は現れていない)状態かもしれませんが、水面下で大きなものが蠢いて、あなたを大変な病理に蝕むことになる可能性もあります。
もちろん、数年に一度ひく風邪くらいなら、心配し過ぎることは逆に良くありません。

しかし、もし、何か原因不明の疾患や、何かわからないけれども繰り返す(そして繰り返していること自体に本人が気付いていない可能性すらある)場合、また、毎年の同じシーズンに毎回インフルエンザになるだとか、高熱を出すくせがあるだとか、傾向がある場合(その傾向に本人は指摘されても気付かない場合もあるのですが…)、そんなひとは…注意です。


心身の不調というのは、実は、例え風邪のようなもの(実は風邪が一番原因不明で謎な病気なのですが)でも、明らかにウイルスが外側から入ってきたせいだと思われるようなものでも、胃腸炎でも、原因不明の難病でも、心因性と思われる精神疾患や神経症や神経的症状が現れる傾向でも、なんでも、

実は、必ず「あなた(の身体、奥底)にその症状を発症する理由があって」発症しています。
そのため、ただ単に無理やり表面的に現れた症状だけを治めても、それは表面的になだめただけであって、「あなたの人生のためにあなたの身体があなたのために訴えたい」問題は、何一つ解消していないのです。
ただ、顕在意識としては、今の社会で、「薬を飲めば治療できるんだろう」などという風潮が強くて、しかも自分の身体の声を聴くのではなくて他人(医者)の声を聞くことで、「治して”もらおう”」とするようになってしまっています。
それはまるで、小さな子供が拙い言葉で、それでもお母さんに危険を知らせるために、「お母さん、あそこにはいっちゃだめだよ」などと袖を引いているのだけれども、お母さんとしては自分の目的にただただ逆らい邪魔して騒いでいる小さな厄介者のようにしか見えない状態となってしまっており、「うるさい!」と子供を叩いて黙らせる…もしくはその子供から耳を塞ぎながら「あーもう、あなたこの子何とかしておいて!」と夫に叩きつけて無視してしまうというようなことと同じような状態です。


どうしてこういうことが起こってしまうのか。
恐らく、そのひとつとしては、顕在意識さんには、今の時代の風潮(潜在的な学習)によって、心身の不調が実は繋がっていておおもとは自分の中に理由があるから、というメカニズムを、理解することが難しいことにあるのではと感じます。

まず一番最初の部分が一番難しい。
なぜなら、私達が幼少時から当たり前にそう感じてきてしまったことであるから…。
例えばあなたは、今あなたが感じている”外界”、これは、”あなた”が「見ている・聞いている・味わっている・感じている」と、思ってしまっていますよね?
この記事の文章や、PCや携帯電話の画面…これが「現実に」あって、それそのものをちゃんと見えている、と思い込んでしまっていますよね。
そして、実際このメカニズムの説明はややこしいので、通常の教育でも、幼い時から「あなたはこれをそのもの見ているし聞いている」というような”前提”で、物事(世の中)を進めてしまっているのです。
空気があるから、そして肺が勝手に息をしてくれているから、肺のしくみなんて考えませんし大して教えもしません。ましてや肺のメカニズムや空気がどうしてあるのかなんて。
しかし、それで何かの事件で空気が薄くなったり、自分の肺が不調を起こして息が苦しくなったときだけ、「肺」というものに意識が行く(それでも行かない場合が多い)。それと同じようなものです…

まず、私たちが「現実」と思っている「外側の世界」、これは、あなたに見えているものや聞こえているものがそのまま存在しているわけではありません。あなたが外界だと認知・認識して受け取っているものは、実は元型もとどめないほどまるで違うものです。
では、私たちが「外界」と思っているものは何か。
一言でいうと、「外界からの刺激があなたの身体に到達して変化した、あなた自身の身体の状態の変化」こそが、あなたの認識している「外界」なのです。

それでも私はちゃんと外の世界が見えているよ?目の前のコップには好きなキャラクターの顔の絵が書いてある!ラジオから音楽が聞こえてくる!などと、思うかもしれません。
詳細はぜひ私のセミナーに来ていただきたいのですが、簡単に説明しますと、あなたが今、見て、聞いていて、感じているそれらは、すべて、「あなたの脳が作り出した」姿なのです。ただ、その過程を「意識」は(あまりに当たり前過ぎて)認識しない、認識できないので、私たちは見えているものや聞こえているものが「外側から来る」ものだと思い込んでしまっているのですね。

例えば、あなたの目が、コップに描かれた好きなキャラクターのの顔の絵、これを認識することができるのは、ただ単に、丸いもの2つが左右にあって、その下に曲線が一本横にひかれていれば「”顔のパターン”であるから”顔”である!」と、パターン認識できるから、というだけの話なのです。
音楽が聞こえてくるのも、実は、ある一定の音の羅列を「パターン化」して、このパターンはこういう風に受け取る、という、「外界の刺激に対する解釈書、解釈パターン」が、脳の中に組み込まれているからなのです。

…それと同じように、ヒトは、音(音波)や光波だけでなく、自分自身への見え方考え方(自分自身はどういう存在か)、外側の「出来事」の受け取り方なども、何か「事象」が起こると、例えばそれを自分は必ず「どういうパターンで受け取る」という、パターンを自分で自分にプログラムしているのです。
本当に極端な例を出せば、例えば「世界は苦しいことや残酷なことに満ちている」というような否定的な種類のパターンしか持っていない人は、例え外界で何事が起ころうとも、どんなことでもすべて「苦しいこと」「残酷なこと」と見えて(捉えて)しまいます。
そして、その中で、また、例えばですが、「私はいつも調子を崩していなければ人に愛してもらえない、世話してもらえない存在だ」「世の中の人というのは私が何か不幸な目にあっていないと見向きもしてくれない、愛してくれないのだ」という決めつけパターンがプログラムされていると、季節ごとに風邪をひいたり、度々なにか悪化するような病気をしてしまったり、何度も骨折したり事故にあったり、というような人生(人生脚本)を歩むこととなります。

そして、私は以前の記事でもいろいろな角度から同じことを書いているのでこれも書いていますが、ひとは24時間365日、頭の中で、その「自分の外界や自分自身をどう見るかというパターン」を自分自身に言い聞かせ続けています。すべての瞬間です。人生の時間の24時間、毎秒です。
そして、その自分の中のパターンに応じて全部当て嵌めて外界の刺激情報を受け取り続けるので、あなたの人生では毎秒毎分24時間365日、あなたの人生すべての時間、それらの「パターン」をひたすら「強化」させ続けること「によって」生きているのです。


心身の不調のおおもとは、「認知の歪み」にあります。
認知の歪みというと、何か悪いもののように聞こえてしまうかもしれません。もしくは「私が歪んでいるというのか」と思ってしまいかねないかもしれませんね。
もしくは、「私の心身の不調はどうせ思い込みだっていうんだろう」と思ってしまいかねないかもしれません。

そうではないのです。
あなたの不調が思い込みなのではなく、あなたの中に、あなた自身の人生を捻じ曲げようとしてしまう力が働いてしまっているから、あなた自身の心身が「これはあなたにとって良くないよ、そんな苦しまなくていいよ」と伝えたいがために、一生懸命叫んであなたに気付かせたいがために、不調に陥るのです。

ヒトの脳というのは、身体の中でも一番エネルギーを使う臓器です。そして、その割に、実は、非常に処理できる情報量が少ない、CPUがとてもちっぽけなコンピューターのようなものなのです。
それに対して、外界から来る刺激、ヒトが受ける外界からの刺激というのは、1秒ごとに240万bitとも言われています。この膨大な量の情報に、あなたは常に晒され続けているのです。
小さなノートパソコンで、例えば240万個の動画を同時再生し続けたら、PCはどうなってしまいますか?
…そのため、ヒトの脳は、そもそも外界の刺激をごく一部しか受け取らず、それ以外は無視するか解像度をとてつもなく粗くするようにできています。
その上、それが各感覚器から身体の中へ送るための神経束を伝わる中で、更にデータ形式(伝え方の言語)を変換し変換し翻訳に翻訳を重ねる上にもっともっと情報量を省いて小さくして圧縮して、やっと脳に送ります。そして、脳は脳で、神経たちが伝えてくれたその形式のままでは情報を読み取ることができないので、これを更に脳のやり方「(幼い頃に外界や自分をこのように解釈する、と決めて取り入れた)パターン」によって、大変換をするのです。

どんなヒトの身体も同じ仕組みをもっています。
しかし、その中でも、「自分の人生がより生きやすくなるような、物事をなるべく事実を事実としてありのままに捉えたり、肯定的(あるがまま自分の糧となるよう使う・吸収する)に受け取る」適応的パターンを持っているひとと、
上述したように、外界の刺激とそれによって変化した自分の身体の状態をすべてすべて自分の人生に不利であるかのように受け取って解釈してしまったり少し歪曲しすぎる色眼鏡で尾ひれをつけ過ぎて別のものともあっちこっちくっつけてしまって何が何だかわからない解釈をしてしまう、という、「あなたの人生にとって適応的ではない(不適応)」認知パターンを持っている人もいます。
この場合、別に本人が悪いわけでもなんでもなくて、本人が苦しむパターンであるから、そして本人が自分で気付かずにしかし自分自身で自分自身の人生を不利な方向不利な方向へと持っていき人生の坂道をどんどん転がり落していってしまうようなパターンであるがために、専門用語では「認知の歪み」という名前がついています。

そして、特にこれは、心身の不調に直結します。
なぜかというと、「外界が悪いもの・怖いもの・酷いもの」ましてや「自分自身も悪いもの・怖いもの・ひどいもの」というような否定的な受け取り方をし続けてそれを更に強化(強める)し続けるパターンなのですから、毎日毎時間、しかも更に更にエスカレートし続ける一方のホラー映画を見せられ続けているようなものなのです。
世界そのものがホラー映画、自分自身もホラー映画、これでは心身が悲鳴を上げて体調を崩します。

…ですので、崩した「表面に出てきた目に見える症状」だけを一時的に治したところで、このパターンが変わらない限り、心身・人生は救われないわけです。

逆に言えば、このパターンから抜け出し、自分の人生にとってより良い選択ができ、自分の人生もう少し心地良く生きることができるような「生き方のパターン」を身につけ入れ替えれば、心身もどんどん健康になっていきます。
不調のおかげで起こる金銭や時間の支出や人間関係のごたごたも、自分でなくしていくことができる。良いことづくめです。


…あなたの人生、もし、あなたがもう少し自分の心や身体や外界に振り回されずに、心地良いご自身で心地良い世界を生きていくことができるのだとしたら、それを試してみたくは、ありませんか。見てみたくは、ありませんか…?


あなたがもし、心や身体の不調を感じていたり、なぜかその傾向でもう半ば「自分はこうなんだ、心(身体)が弱いんだ」と諦めていたり、人生や人間関係に何か気持ちの悪さ、不調を感じている、更にはそういう癖までお持ちであったりする場合は、ぜひ一度、私にお話かけしに来てください。

また、これらの…つまり「ご自身の」心・身体・人生の仕組みを知りたいかた、ご自身の中からご自身の取扱説明書を掘り出して、自由自在な人生を生きてみたいかたは、ぜひこちらから、無料事前個別相談にいらしてみてくださいね。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?