2022年「文化の読書会」振り返り
2022年に「文化の読書会」で読んでいった本は次の通り。今回は、これらの本を読んで自分に起こった変化を書く。
地域の文脈にアクセスすることの大事さへの気付き
2021年にブローデルの著作を読んだことで、底流に流れている普遍のものを感じるようになった。山や川の成り立ち、これまでの変遷、その中で人がどのような歴史を刻んできたのかを探るようになった。
その結果、地域のジオ的な情報をベースに学芸員や地場産業の関係者を話すように明らかに視座が変わってきた。
そして、今年のイタリアや食を中心とした著作を読んでいくことで、こういった地域の底流に流れている文脈にアクセスするためには、単なる古層を掘るだけでなく、古層が今にも繋がっているゲートウェイ的なものがあるということに気づけた。
旅を通じて人と文化的景観に出会うことが文脈にアクセスするためのゲートウェイと感じ、日々の活動が変化
これらのゲートウェイは、その地で文脈の上に生きている人たちに出会い、その人たちの自然との相互作用によって生み出されてきた文化的景観であると感じるようになった。
仕事で出張に行くときにでも、必ず地域の一の宮神社にお参りしたりするのはその一つであるし、地場産業の中でもそういった文脈が色濃く残っているところを選んでいくようになった。
もともとがそういった文脈の上に成立してきた地場産業でも、売上やビジネス的な成功だけを目指すようなところとの距離は必然的に遠くなっていった。
「食」という普遍のゲートウェイの強さを改めて感じ、仕事やプライベートでも「食」へのこだわりが増加
これまでものづくりをベースに特に工芸や町工場を中心としたゲートウェイにアクセスしてきたが、明らかに食の要素が強くなった。これは人としての普遍のものであり、チーズのような歴史の中で翻弄されながらもやはり底流にずっと存在しており、時代の状況によって顔を出してきたりする存在への理解が深まったことが大きい。
その地域ならではで、深い古層までアクセスできる食を中心に、周辺のものづくりなども構成されているケースも多いし、ものづくりを成立させている風土などの自然条件も食が最も影響を強く受けているので、食を探ることが必然的に産業の背景を読み解くことにも繋がっていく。
また、食を中心に見せることで、人はそういった背景を体感を通じて理解しやすくなる。まさに五感を刺激するからだ。
ツアー企画やプログラムを組むときにも、食と景観、産業現場などを組み合わせて考えるようになっている。
おまけ:買う本や講義が変化
こういったことを理解するために、買う本は大きく変化した。まずビジネス本的なものには一切手を付けなくなったし、講演や講義のスタイルもより普遍的な価値や考え方を考えて議論していくようなものに変化した。
おまけ2:ジオガイド取るかも
地域の文脈の理解を深めるためにジオガイドの資格を取りたいという思いが強くなっている。
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