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文化の読書会

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読んだ本の趣旨を1章ずつ1000字以内で書いていっています。
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記事一覧

『ニコマコス倫理学』第10巻-快楽の諸問題と幸福の生

哲学初心者の僕がアリストテレスに向き合う。今回はいよいよ最終の10巻を読む。快楽や苦痛を考…

快楽と幸福。“teleiosな状態”はどこにあるのか。リストテレス『ニコマコス倫理学』…

アリストテレスの『二コマコス倫理学』(朴一功訳、京都大学出版会)と納富信留『ソフィストと…

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活動なしに快楽は生じない。同時に、あらゆる活動を完全なものにするのも快楽である。

文化の読書会ノート。 アリストテレス『ニコマコス倫理学』第10巻 快楽の諸問題と幸福の生 …

きっと『政治学』を読まないとわからない『アリストテレスの世界観』

 前回はアリストテレスの「二コマコス倫理学」第9巻 愛(フィリア)について続き を読みました…

『ソフィストとは誰か?』(納富 信留)を読む−第2部第8章「言葉の両義性」と結章

アリストテレスの『二コマコス倫理学』と納富 信留氏の『ソフィストとは誰か?』を交互に読み…

Dialogueこそ創造の源、書き言葉はその保管庫

 『ソフィストとは誰か』読書会最終回は、8章「言葉の両儀性ーアルキダマス『ソフィストにつ…

「語り」の根源性:語られた言論と書かれた言論の交錯、そこから哲学(史)が生まれる。納富信留『ソフィストとは誰か?』をよむ(7)。

アリストテレスの『二コマコス倫理学』(朴一功訳、京都大学出版会)と納富信留『ソフィストとは誰か?』(ちくま学芸文庫)を交互に読んでいくという試み。今回は、納富先生の第2部第8章「言葉の両義性」と結章を読みます。 摘 読:第8章を中心に。ここで取り上げられるのは、今となってはほとんど注目されていないソフィスト・アルキダマスである。彼はゴルギアスの弟子であり、在世中にはきわめて重要で有名な弁論家であった。にもかかわらず、すでに紀元3世紀のフィロストラトスの『ソフィスト列伝』にお

書き言葉は話し言葉の影に過ぎない

文化の読書会ノート 納富信留『ソフィストとは誰か』第2部第8章 言葉の両義性ーアルキダマス…

ポリス共同体/社会的共同関係を支えるのは、やはり愛だ。アリストテレス『ニコマコス…

アリストテレスの『二コマコス倫理学』(朴一功訳、京都大学出版会)と納富信留『ソフィストと…

『ニコマコス倫理学』第9巻-友愛(ピリアー)の続き

哲学初心者の僕がアリストテレスに向き合う。今回は第8巻からの友愛の続きとなる第9巻を読む。…

知性か快楽か?品位のある人に必要なもの

 前回はアリストテレスの「二コマコス倫理学」第8巻 愛(フィリア)について を読みました。愛…

恋することは、友愛のある種の超過。

文化の読書会ノート。 アリストテレス『ニコマコス倫理学』第9巻 友愛(続き) 納富信留『…

『ニコマコス倫理学』第8巻-友愛(ピリアー)

哲学初心者の僕がアリストテレスに向き合う。今回は第8巻を読む。他者がいるからこそ、生きて…

どのようにしたら正しく生きられるか?相互の等しさを基本とする愛で答えは出るのか?

 今回はアリストテレスの「二コマコス倫理学」第8巻 愛(フィリア)について を読みます。愛には「善に基づく愛」、「快楽に基づく愛」、そして「有用性に基づく愛」の3つがあると議論を始める巻です。アリストテレスは、快楽に基づく愛は、一層本物の愛に似ている。なぜなら、愛のうちに自由人らしさが多く含まれているから、といいます。彼の考える愛を読み解いていきましょう。 愛は計算づく!等しい交換が基本善に基づく友人は「共に生きる」間柄である、で始まる第5章には以下の様な箇所があります。