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〔2〕現場の社員に指示を出しても「出来ません」「無理です」しか言わない…部下指導に疲れたCOOへ

部下に指示を出しても、
「それは出来ません」「そんなの無理です」
という反応が日常茶飯事という組織は少なくありません。
 
『すぐに出来ないって言う前に、
どうやったら出来るか考えるのが仕事だろ!』
 
とイライラする気持ちには、
心から同情致します。
 
ですが、
ただイライラしているだけでは、
結局、人材が育たない…
その結果、組織の成長を妨げ、
人件費垂れ流し経営になってしまいます。
 
そこで今日は、
『部下のネガティブな態度を効果的に変え、
チームのポテンシャルを最大限に引き出すための指導術』
をテーマにしようと思います。
 
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このnoteブログ「COOエクスペリエンス」では、
現役のCOO(最高執行責任者) であり、
COOの育成〜教育研修/コンサルティングをしている
実際の経験に基づいた内容になっています。

厄介なマネジメント問題に立ち向かうための
活きた現場の知恵や戦術を、
お伝えしているので、
フォローして頂けたら嬉しいです。
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早速、今日の題に入っていきます。

COOは部下の本音と心理を把握したうえで、
指導をしていかなければなりません。
 
そこを把握せずに、
闇雲にポジティブな行動を促したところで、
「はいはい」と聞いているように見えて、
部下の本心は、
《時代遅れの根性論を語るただの老害上司》
としか思っていません…


部下が「無理です」と言う心理的背景


「無理です」という反応は、
不安や恐れから生じます。
 
特に若い社員であれば、
家に子供頃から家にパソコンがあった。
インターネットが身近にあった世代です。
 
さらに若い社員は、
デジタルネイティブで、
学生の頃からスマホを使っていた世代です。
 
彼らは新しいことに挑戦する前に、
「どうやってやるのか?」
他の人のやり方を見てから実践するのが
当たり前の文化で育っています。
 
「やってみて失敗したらどうするの?」
「やり方を見てからやった方が確実じゃん?」
 
という感覚です。
 
とにもかくにも失敗が嫌いなのです!
未知の道に行くのは怖いどころか
もはや意味がわからない感覚だと思って下さい。
※会社の固定電話をとれないのもこの感覚です
 
新しい挑戦や変化に対して抵抗を示すのは、
失敗への恐れや過去の失敗経験も根幹にあります。
 
加えて、
組織文化が過度にリスク回避的であったり、
失敗を許容しない組織であれば、
余計に部下は新しいことに挑戦する意欲を失います。
 
そこで、
部下の保守的な態度の心理的な背景を深く理解し、
対処する方法を探っていきましょう。

過去の失敗経験がトラウマになっている場合

◇共感を持ってアプローチする


失敗は誰にでも起こり得るものですが、
過去の失敗がトラウマとなり、
今後の挑戦を躊躇させることもあります。
 
経験のある役職者たちからみたら
「そんなの失敗のうちに入らないよ」
ということでも、

本人にとっては大失敗だと思っている…
なんてケースもよくあります。
 
なにせ、
学生の頃から失敗しないように
事前にYouTubeやWebサイト、
SNSで情報収集してから、
物事を安全に進めるのが
当たり前の価値観の世代ですから。
 
COOとしては、
まずは部下が過去の失敗に対して
どのような感情を持っているかを理解し、
共感を示すことが大切です。
 
部下との1対1の面談で、
過去の経験について語らせ、
その時の感情や学んだ教訓を共有する機会を持ちましょう。

◇失敗から学べることがあると知ってもらう


失敗から学べることがたくさんあり、
ビジネスマンが成長するためには
失敗は必要なことだと実感してもらう必要があります。
 
失敗から学ぶという経験値が極端にない世代
『失敗は成功の元』だなんて伝えたところ
まったく信じてもらえません!
 
だからこそ、
失敗はネガティブなものではなく、
成長&経験するために必要なポジティブなもの!
というのを丁寧にしつこく教えていきましょう。
 
もちろん、
これを教えるからには、
いざ部下がチャレンジした際に、
失敗したとしても陰険に問い詰めてはいけません!
 
失敗をネガティブな出来事として捉えるのではなく、
学びの機会として捉える企業文化を育てましょう。
 
その為に効果的なのは、
COO自身が過去の失敗を公開し、
そこから何を学んだかを率直に話すことで、
失敗を肯定的に捉える姿勢を示すことが出来ます。
 
また、
部下が失敗から何を学び、
今後どのように改善できるか?
を一緒に考えてあげることで、
失敗への恐れを和らげます。

◇安全な環境を提供する


部下が失敗を恐れる理由の一つに、
過度の批判や罰があることが挙げられます。
※COOなどの幹部陣が把握していないだけで、
各セクションの役職者が勝手に罰を設けている場合もあるので
注意してみましょう。
 
したがって、
失敗を許容し、
それを成長の一部として捉える
安全なポジティブ環境を作ることも
大事なマネジメント業務
です。
 
その為に
比較的実践しやすいやり方を
2つ紹介しておきます→
 
小規模なプロジェクトで
新しいアイデアを試す機会を設ける。
 
リスクが低く、
失敗しても大きな影響がない環境で
新しい挑戦を奨励していく。

◇正しい報告/相談をし合える組織に


部下が失敗した時に
失敗をただ責めるような組織はダメです。
部下が建設的な報告を怠るようになります。
 
「あの上司は俺の失敗を受け止めてくれる!」
と思われないといけません。

「相談したら助けてもらえる!」

と思ってもらえる組織にしなければなりません。

これが出来ていないと、
部下は失敗を隠そうと必死になります。

 
そのうえで、
『次はどのように改善できるか?』
『どのようなサポートが必要か?』
を話し合い、次回の成功に向けて
具体的なアドバイスを提供し合える組織は、
必ず伸びていきます。
※反対に失敗ばかりをピックアップして
ミスを攻め合うような
昭和の組織体制は淘汰されていくでしょう…
 
正直な不安や懸念点を
相談し合えるような組織風土になると、

部下は自信を取り戻します。
新たな挑戦への意欲を高まります!
 
加えて、
部下の失敗をトラウマにしない為には、
共感と理解、正しいサポート
が欠かせません。
 
「そこまでやるのは過保護だ」
と思う方もいるかもしれませんが、
これはもう仕方がないでしょう…
時代の流れです笑
 
我々だって
今の時代に愛のムチと称して
殴ってくるような上司がいたら
「この人についていこう!」

とは思わないじゃないですか〜
 
理想のリーダー像も
時代と共に変わっていくのです。
 
“強い”の定義が昔とは明らかに変わったのです!

周りに流されてチャレンジ精神を失ったかも…

◇組織文化の理解と改善


『会社の組織文化が
どのように社員の行動に影響を及ぼしているか?』
を深く考えたことはありますか?
 
もし、
あなたの組織が過去の成功体験に固執し、
新しい試みには消極的である場合、
それが部下の保守的な態度を
助長している可能性があります。
 
すぐに部下が「出来ません」と言うのは、
部下のせいではなく、
各組織の空気のせいかもしれません。
 
新しい試みを指示したところで、
周りが消極的な人間ばかりだったら、
指示された人間は前に進もうとしても
途中で空気に流されて、
「やっぱり俺にはムリかも…」
と思うようになるのは当然です。

 
部下のうち一人だけが、
ネガティブであれば、
その人物を指導すれば良い話ですが、
大多数の人間が「出来ません」「それは無理です」が
当たり前のように口から出てくるのであれば、
話は変わってきます。

 
その時は、
一人一人を指導するのではなく、
組織改革を早急に進めなければ、
企業の進化はありません。
 
むしろ衰退予備軍企業の可能性すらあります。

そこで

◇リスクテイキングの奨励


カッコつけて横文字で
《リスクテイキング》と言ってみましたが、
内容はシンプルです→
 
新しいアイデアや
今までやったことない方法を
試す重要性を組織全体に伝え、

リスクを取ることの価値を強調します!
 
チーム全員が、
失敗を非難し合うのではなく、
《失敗=学び・成長の機会》
として前向きに捉える文化を
促進していきましょう。

部下のモチベーション


一人ひとりが持つモチベーションは、
その行動と業務への取り組み方に大きく影響します。

COOとしては、部下の内面を理解し、
それに対応することが組織の成功に不可欠です。

◇モチベーションの源泉を探る


『部下の働く動機や仕事に対する恐怖を
理解していますか?』
 
『何に価値を見出し、
何に情熱を感じるのか?』
 
『モチベーションポイントは?』
などを探ると、
意外な一面が見えてくるかもしれません。
 
一人ひとりと面談を行い、
彼らの個人的な目標や仕事への懸念点、
職業的な野望を聞き出しましょう。
 
個人の興味や情熱に根差した
目標設定にも繋がります。
 
もちろん、組織が大きいと、
COO自ら全員と面談というのは
現実的ではないので、
各セクションの管理職にまかせても良いですが、
この過程では、
個人のニーズに対して共感を示し、
サポートする姿勢を持つことが目的というのは、
管理職/役職者の共通認識にしておきましょう。

◇個別のキャリアパス支援

面談が完了したら
次の過程に入っていきましょう。
 
彼らが
[今持っているスキル]と

[不足している知識/経験/スキル]
[将来の目標]を照らし合わせ、
必要なトレーニングや経験を提供していくには、
どのようにしたらいいのか?
 
現場のリーダー職と
共に話をしながら作っていきましょう。
 
部下が自分のキャリアに対する主体性を持ち、
モチベーションを維持する手助けとなりますし、
リーダー職にとっても
「COOが俺のチームの為に相談にのってくれた!」
と感じてくれます。
その結果、
あなたの人望も厚くなっていきます。

◇番外編:マインドフルネスとリラクゼーション技法の導入


これは番外編的な内容ではありますが、
参考までに紹介しておきます。
 
部下のストレスレベルを管理し、
心の安定を保つために、
マインドフルネスやリラクゼーション技法の
セッションを導入する企業も増えてきました。
 
日常業務の中で緊張を緩和し、
集中力と生産性を高めるのに役立ちます。
 
役員達からしたら、

「瞑想やリラックスする時間があるならその分、働け!
給料が発生しているんだから!!」

と思ってしまいがちですが…笑
 
結果として、
作業効率が上がって、
より生産性のある働きをしてくれるのであれば、
導入を検討しても良いでしょう。
 
※ただし、
マインドフルネスの導入が
諸刃の剣になる組織もあるので、
役員と現場の管理職で十分に検討したうえで
判断することをオススメします。

あなたにとっては簡単な仕事でも指示された方にとっては無謀なチャレンジかもよ?

 
『そもそも、
部下が持っている能力以上の指示を出していませんか?』

『部下はあなたの能力の半分も持っていないのが
当たり前という前提を忘れていませんか?』
 
あなたと部下とでは経験値が圧倒的に違います。
責務も立場も権限も違います。
 
自分が簡単に出来る仕事だからといって
誰でも出来る仕事では無いのです。

 
仮に、
あなたが指示を出した結果、
あなたの望む通りのクオリティで
全ての仕事を仕上げてくれる人材がいたします。
そんな優秀な人材が、
部下という立場に留まっていること自体がおかしいのです!

 
あなたの下のポジションにいる以上、
あなたより何かしら優っている能力はあるにせよ、
基本的に能力値が低いのは当然です。
 
それを忘れて指示をしていませんか?
 
そのせいで
大切な将来ある人材の心が折れて
辞めてしまった…
なんてケースにならないようにしましょう。
 
そもそもですが、
10年前を振り返れる方は
ぜひ振り返ってみて下さい。
 
「こいつは絶対すぐ辞める」と
思っていた奴が意外に出世して生き残っている。
 
「こいつは凄い!将来が楽しみ」
という奴が1年持たずに退職したり、
実は無能で窓際族になったり、
地方に左遷されていませんか?
 
おもしろいもので
人材というのは本当に将来がわからないものです!
 
[出会い・きっかけ]
一つで大きく成長することもあれば、
その逆もあります。
 
COOは人材を成長させる責任が
社長/CEOよりも重いのです。
 
なにせ
最高執行責任者として
現場をマネジメントしなければいけないので!
 
よっぽど素行が悪い人材なら話は別ですが、
今、優秀じゃないからといって、
無下に扱って手放してしまうと、
将来、後悔することになる…
なんて人材もたくさんいる。
というのは覚えておきましょう。
 
過度な負担をかけて人材を失うぐらいなら、
長期投資の気持ちで部下に掛けてみる!
成果が出るまで長い目で見る!

時にはそんな気持ちも必要かもしれません。
どうせ雇ってしまったのだから…
 
雇うのは簡単ですけど
辞めてもらうのは本当に大変ですからね…笑
日本は特に。
 
なぜか、
リスクを背負っている経営陣よりも
一般社員の方が法律で守られているので…

コンクルージョン

今回はCOOが部下の
「出来ません」「無理です」
という反応にどう対応すべきかについて探求してきました。
 
一人ひとりの能力に合わせた指示と
サポートを提供することが、
組織全体の成長につながります。
 
その為には、
COOとしての自己認識を
見直すことも大切かもしれません。
 
経験豊富なCOOであれば、
部下の潜在能力を最大限に引き出すことが出来るはずです。
 
その為には、
彼らの現在の能力と成長のペースを正しく理解し、
それに合わせて期待値を設定しなければなりません。
 
過度な期待値を設定して、
膨大なタスクを渡して、
無理難題な目標設定をすると人が伸びた!
というのは、
昭和のお話です。(もはや幻想かと…)
 
部下の成長は、
あなたの想像以上に時間がかかるかもしれませんが、
彼らが成長する過程を見守り、
適切なサポートを提供することが、
令和時代を生きるCOOの責務です。
 
COOの力次第で、
人材は活きる存在になるか、
ただの人件費垂れ流しの負債になるかが決まります。
 
いずれにしても、
あなたのリーダーシップと献身が、
組織の未来を切り開く鍵となります!
 
部下と共に成長し、
新たな可能性に挑戦し続けるあなたに、
心からの敬意を表します。
 
今日のnoteがCOOや経営者、リーダー達が
職務を果たすために少しでもお役に立てたら幸いです。
 
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会社が立ち上がるのはCEOの力ですが、
その後、会社が伸びるかどうかはCOO次第です!
 
みんなの為に人柱になってあげて下さい。
職場の平和のために〜犠牲になるのがCOO /ナンバー2の役目です笑

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