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電通の個人事業主化とポストコロナ時代の働き方

企業と個人の関係が変わってくる時代になってきました。

昨年からはじまるコロナ禍によって企業とその社員の働き方に大きな変革を及ぼしてきました。

3月21日に緊急事態宣言が解除され、今後のポストコロナ時代の働き方、企業としての在り方、個人としての働き方について考えていくことはとても大切なことだと思います。

世の中の企業の動きをみれば社会全体の動き、時代の傾向も掴み取れるかと思います。
今回は、なかでも特にインパクトが大きいのは電通の動きに注目して書いていきたいと思います。

電通の社員の個人事業主化 コロナ禍における雇用の変化

電通は2021年1月から中高年の一部の社員を業務委託契約に切り替え、「個人事業主」として働いてもらう制度を始めた。同様の仕組みは健康機器大手のタニタも17年1月に導入しているが、大企業では初めて。個人と企業の関係が大きく変わる中、企業、個人双方から注目は集まっている。

今年1月から一部の社員を業務委託契約、すなわち個人事業主として働いてもらうことがはじまった。

従来までの、「企業」と「従業員」の「雇用関係」から、「企業」と「個人」の「業務委託契約」に変わってきています。

業務委託契約といえば、Uberが配達員を業務委託契約で個人事業主として契約していることは有名です。
ITベンチャーや外資企業ではもはや当たり前の雇用形態だといえますが、日本を代表する大企業である電通がこのように大きく雇用の制度を抜本的に変えることから注目を浴びています。

電通の個人事業主化が意味すること

個人事業主になった人が外で獲得してきた仕事で、他のメンバーに協力をしてもらいながら実施するような場合は、この子会社が受託して、対象者らが引き受ける形になるという。ただし、自ら開拓して自分で仕事が完結するような場合は、子会社を通さなくていいことになっている。年収はこうした自ら作っていく仕事の中で増やしていくことになる。

社員を個人事業主化することによって、「自分で開拓する仕事」の領域を広げることができると図っています。

これまでの固定概念にとらわれず、新しく仕事を創出していくことが求められています。

より「企業の中の社員」としてではなく、「個人」としての裁量、能力に注目されていると言えるでしょう。

個人事業主は会社員・従業員ではないため、そもそもの契約形態から働き方、給与形態まで異なります。

その名のとおり「個人で事業を行っている人のこと」を指します。

個人事業主、あるいは似たような言葉でフリーランスという働き方も最近では珍しくなく、最早当たり前の時代になってきました。

個人事業主は言わば、自由度が高いのがメリットです。

個人事業主化のメリットとデメリット

個人事業主になるメリット
・働く時間に融通がきく
・能力次第で収入を増える。
・働く場所が自由なことが多い。
・働ける年齢に制限がない。

会社員のように出社時間、退社時間、あるいは場所などの明確に決められたものはなく、個人事業主ではクライアント先との交渉し決定できるという裁量権があり融通がきかせやすいです。

収入面も断然、能力やスキル次第で増やしやすいです。
自分の能力やスキルに応じて仕事を選ぶことができます。(その分、営業力は必要となります。)

知人でもフリーランスエンジニアで月単価100万以上を稼いでいる方もざらにいますので自分次第で収入を増やせる可能性もあります。

一方で、デメリットも当然のことながらあります。

個人事業主になるデメリット
・収入が不安定
・社会保険料を自分で負担する
・自分で確定申告を行う必要がある

当然のことながら個人事業主は会社員と比べて雇用が不安定です。
企業側からしてみれば正社員と比べて雇やすい分、手離れもいいというのが実情です。
そのため能力次第で収入を増やせる分、反面、安定はしづらいというのがあります。
あとは手続きの面で、確定申告等を自分で行うことになってきます。

メリットもあればデメリットもありますが、個人の能力を活かす面では個人事業主という働き方は、企業側にとっても個人側にとっても時代のニーズにも合った働き方だと言えるでしょう。

ポストコロナ時代の働き方

社会全体として、働き方は大きく変わってきました。

日本の企業においてもここ最近では副業を解禁したり、フリーランスなどの外部人材の登用する動きは活発になってきています。

今後、ポストコロナ時代においてさらに加速してくると見込まれます。

先日の記事でも電通の本社ビル売却の動きなどについて書かせていただきましたが、数多くの企業の本社機能が東京から離れたり、都市部集中から地方へ分散する傾向が強くなってきました。

そのなかで、社員としての企業との関係性や働き方も大きく変わってきています。

 ソニーが AI(人工知能)人材の初任給を最高730万円にアップするなど、新入社員の初任給を一気に引き上げる企業が目立ちます。ターゲットは「IT人材」と「グローバル人材」。こうした企業では、伝統的な年功序列型賃金ではなく、実力次第で入社直後から高給を得ることもでき、「初任給格差」が広がりそうです。

コロナ禍より以前の取り組みですが、ソニーをはじめとして、大卒の入社時の初任給も能力評価によって差を付けるようになりました。

これまで画一的に決められていた初任給ですが、これからはより個人の能力に注目した採用が業界全体として増えてくるかもしれません。

ヤフーは2020年10月、副業人材104人を受け入れる「ギグパートナー」制度の運用を始めた。7月に募集したこの制度に応募したのは4500人超。この中から104人を選抜し、事業プランアドバイザー、戦略アドバイザー、テクノロジースペシャリストの3領域で外部人材が既に働いている。

ヤフーといえば、お社外社でのZホールディングスが2021年3月にLINEとの経営統合を控えていることが記憶に新しいと思います。
より経営基盤を強化していくための人材の強化を図る取り組みだと言えるでしょう。

これまでの正規雇用と非正規雇用の2つの大きな働き方の在り方そのものを根本から変える新しい取り組みです。

今後のポストコロナ時代では企業と個人、あるいは社員間の関係性や働き方そのものの常識も変わってくる時代になってくるかもしれません。

おわりに

ポストコロナ時代においてはより個人としての働き方によって今後の生き方が分かれてくるように見られます。
企業としての変革も求めれるなか、個人としての変革も大切です。

これからの時代はより、時代の変化に柔軟に対応し、その流れを牽引する企業あるいは個人が活躍していく時代になっていくのではないかと学ばせていただきました。


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