1兆円規模に迫る世界グルテンフリー市場|15年遅れの日本とはまったくちがう食の空間が広がっています
by CONSULTANCY M&K INC. USA, AYA
こんにちは、村上です。チャートはJFOODOが調べた2019年カテゴリー別世界のグルテンフリー市場構成比率です。ベーカリー製品が31%約21億ドル(2,425億円)を占めています。
1兆円市場が目前の海外のグルテンフリー市場ではどんな食パンがどのように売られているのかご覧ください。
市場ではどんな製品が販売されているでしょう。様々なメーカーから数えきれない製品が発売されています。
例えば、
BFree Wheat & Gluten Free White Bread
Gluten-free|Dairy-free|No refined sugar
$6.49(750円)|14オンス(390g)
Canyon Bakehouse® Gluten Free Mountain White Bread
Gluten-free|Non-GMO|Kosher(Kosher認証とはユダヤ教の戒律に従って製造された商品だということです。)
$6.19(720円)|18オンス(500g)
原材料は、水、玄米粉、タピオカ粉、全粒ソルガム粉、アガベシロップ、サトウキビ糖、EVオリーブオイル、キサンタンガム(増粘剤)、卵、イースト、海塩、培養玄米(天然防腐剤)、酢、酵素と15記載されています。
エムケーマート「米粉100%食パン」の原材料は米粉・オリーブオイル・塩・砂糖・イーストの5記載だけです。キサンタンガムのような増粘剤は入っていません。卵も防腐剤も入っていません。
又、ピックアウトした3つの商品にはグルテン含有率が記載されていません。2013年のFDA規定では「グルテンフリー表示できる製品はグルテン含有率20ppm以下」です。Canyon Bakehouse®も過去にグルテンフリー製品のリコールを行っています。
改めて見比べてください。増粘剤を一切使わず米粉100%でふっくらした食パンを焼き上げるのがいかに難しいかということです。アメリカの友人がエムケーマートの米粉100%食パンの画像を見て、どうしてそんなに驚いたかお分かりいただけると思います。両方の価格を見てください。アメリカ人ならどっち選ぶと思われますか?答えは明白だと思います。
Gluten-Free Sunny Seeded White
Gluten-free|Dairy-fre|Nut-free|Soy-free|Made in a dedicated gluten-free bakery|Never Frozen
$10(1150円)|14オンス(390g)
といった具合で、全てカットしてあります。カットの厚さも、トーストして一番美味しいく焼ける厚さを各製造メーカーが決めています。商品開発する上で研究することが多々あります。
ところ狭しと棚にぎっしりと並んだグルテンフリー食パン。
食料売場の棚にサイン表示されたグルテンフリーコーナー。
様々なグルテンフリー料理を提供するレストラン。どのレストランにもグルテンフリーを表示したメニューが用意されています。
日本と比べると、まったく異なったグルテンフリーな食の空間が広がっているのがお分かり頂けるでしょうか。
日本でも、製パンに比べると簡単につくれる米粉クッキーやケーキなど菓子類のグルテンフリー製品を販売する店は増えました。
しかし、難しい製造技術を要する米粉100%食パンを製造販売する店は極めて稀です。
欧米市場では当たり前に販売されているグルテンフリー食パン。その材料は米粉の他にもさまざまです。
ここでは味や品質には言及しませんが味もグルテン含有量もさまざまです。
今回は世界の1兆円グルテンフリー市場とせいぜい数十億円程度の日本市場との大きな乖離を感じてもらえたらよいと思います。