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大学間連携で10の取組課題をー『ひょうごコンソ』の中長期計画Ⅱ期について

2022年10月現在、一般社団法人大学コンソーシアムひょうご神戸では「大学間連携・産官学連携で人がつながり、多様な学びを共創する“ひょうご神戸”」を「ビジョン・目標」とする中長期計画Ⅱ期に基づいて、さまざまな活動を進めています。本記事では、今年度からスタートした中長期計画Ⅱ期で定める10の取組課題の概要を説明します。多岐にわたるコンソーシアム事業の方向性についてご理解いただくきっかけとなれば幸いです。

中長期計画の期間は?

大学コンソーシアムひょうご神戸では、大学間連携組織の特徴を生かした活動を大切に考えています。2006年の任意団体の設立時より各年の事業計画に基づいて活動を続けています。2016年の一般社団法人化を経た後、2017年度からは中長期計画を策定し、中長期計画Ⅰ期を2017年4月1日~2022年3月31日の5か年としました。そして、2022年度現在は、中長期計画Ⅱ期(2022年4月1日~2027年3月31日)の初年度にあたります。

策定にあたっての基本的な考え方は、中長期計画Ⅰ期での取組内容とその成果を継承・発展すること。そして、今後も想定される災害やコロナ禍における社会環境の変化への迅速な対応、人口減少社会・少子超高齢化社会、18歳人口の減少など、今日の大学をめぐる状況にも留意しています。

中長期計画Ⅱ期の目的と考え方について

中長期計画Ⅱ期では、大学単独で取り組むには困難な課題について、大学プラットフォームの多元的な資源を活用した取り組みを進めています。例えば、産官学連携による人材育成・教育支援への取り組み。地域に貢献できるような大学プラットフォームの構築を通じた人的交流ならびに連携、加盟校の多元的な教育活動に寄与する活動です。大学間連携組織の特徴を生かした産官学連携のあり方として、「人」を繋ぐ、「組織」を繋ぐ、「情報」を集約できる活動を目指しています。

10の取組課題を掲げて、事業を推進中

具体的な活動については、10の取組課題を設定して、それらを次の4つの柱「1、地域活性化と人材育成」「2、グローバル教育」「3、多元的学びの提供」「4、大学連携組織の体制構築」にわけて事業を展開しています。いずれの活動においても①情報の共有と発信②人的交流の促進③ステークホルダー(地方自治体・企業・地域・高等学校等)との有機的連携の3点が重点項目です。

では、4つの柱と10の取組課題について説明すると、以下の通りです。

<4つの柱>
1.地域の活性化に資する人材育成のための連携
2.“ひょうご神戸”の国際性を生かしたグローバル教育支援
3.県内大学の教育・研究の質を高める多元的学び
4.県内大学が活性化する大学間連携組織としての運営体制の構築

<取組課題①~⑩>
①地域の活性化のための県内企業への就職率の向上
 (加盟校学生と県内企業とのマッチングに向けた連携)
②県内大学と高等学校間の連携による円滑な高大接続
③大学の枠を超えた学生間の交流・活動促進
④外国人留学生の受け入れ体制の強化・定着促進
⑤外国人留学生と日本人学生等の交流促進
⑥大学教職員の研修機会の提供と交流の促進
⑦大学間連携による多様な教育ニーズへの対応
⑧県内大学を活用した社会人の学びなおしの推進
⑨大学資源を活用する地域プラットフォームの形成
⑩県内大学が活性化する事業運営体制の整備

参考HP:一般社団法人大学コンソーシアムひょうご神戸 中長期計画Ⅱ期 基本方針・概要図 

10の取組課題を見ると、「国際交流」「学生交流」「キャリア」「高大連携」「教育連携」「FD・SD」「社会人教育」など、大学コンソーシアムひょうご神戸では、大学教育や大学運営に関わる多岐にわたる分野が対象です。いずれも、大学や地域のニーズを大切に事業展開しています。では、上記①~⑩の取組課題について、4つの柱ごとに説明します。

■柱1:地域の活性化と人材育成

まず、一つ目の柱は「地域の活性化に資する人材育成のための連携」です。
取組課題は以下の3つ。

①地域の活性化のための県内企業への就職率の向上
  (加盟校学生と県内企業とのマッチングに向けた連携)」
②県内大学と高等学校間の連携による円滑な高大接続
③大学の枠を超えた学生間の交流・活動促進

取組課題①は、学生のキヤリア教育や就職支援がテーマ。
「大学キャリアセンターと連携した県内大学生の地元就職促進プロジェクトの実施」や「県内企業・団体等の魅力を情報発信」を通じて、学生のキャリア支援や地元企業との連携を図ります。

取組課題②は、高大連携がテーマ。
県下高校と大学が連携しながら、「大学と高等学校の意見交換会の実施」や「加盟校の魅力を情報発信」を行います。

取組課題③は、学生生活の充実や地域貢献がテーマ。
「テーマ型の学生交流プロジェクトの実施」「加盟校・学生の地域活性化に関わる取組広報の実施」をさまざまに展開しています。

■柱2:グローバル教育支援

次に2つ目の柱は「“ひょうご神戸”の国際性を生かしたグローバル教育支援」です。取組課題は以下の2つ。

④外国人留学生の受け入れ体制の強化・定着促進
⑤外国人留学生と日本人学生等の交流促進

取組課題④は、外国人留学生の支援がテーマ。「留学生向け就職支援・キャリア教育プログラムの実施」を通じて、加盟校で学ぶ外国人留学生たちが学ぶ環境を大切に、日本での就職支援も見据えたキャリア支援を行います。

取組課題⑤は、外国人留学生や日本人学生の共修によるグローバル教育がテーマ。「兵庫国際交流会館における国際交流拠点推進事業の実施」と「加盟校の国際交流プログラムとの連携促進」を通じて、多様性と多文化理解をすすめます。

■柱3:多元的な学びの提供

そして3つ目の柱は.「県内大学の教育・研究の質を高める多元的学びの提供」です。取組課題は、以下の3つ。

⑥大学教職員の研修機会の提供と交流の促進
⑦大学間連携による多様な教育ニーズへの対応
⑧県内大学を活用した社会人の学びなおしの推進

取組課題⑥は、主に学生の多元的な学びがテーマ。大学の枠を超えて加盟校の学生たちが学修できる「単位互換事業の実施」や「多様な学修機会の提供」を通じて大学での学びを探究することができます。

取組課題⑦は、加盟校教職員の研究、教育の質の向上がテーマ。「加盟校間でのFD・SDセミナーの公開」や「FD・SD情報交換会、セミナー等の開催」を通して、他大学の教職員との情報交換や学び合える機会を創ります。

取組課題⑧は、人生100年時代を見据えた社会人教育がテーマ。「リカレント教育の普及促進に向けた取組」「加盟校のリカレント教育に関する情報発信」を通じて、大学におけるリカレント教育の普及と機運の醸成を図ります。

■柱4;大学間連携組織の運営体制について

さらに4つ目の柱は「県内大学が活性化する大学間連携組織としての運営体制の構築」です。取組課題は、以下の2つ。

⑨大学資源を活用する地域プラットフォームの形成
⑩県内大学が活性化する事業運営体制の整備

取組課題⑨は、大学コンソーシアムひょうご神戸の産官学連携のプラットフォームである「ひょうご産官学連携協議会」などでの連携や恒常的な活動を通じて、「大学間・地方自治体・企業・地域団体との連携体制の構築」や「緊急時の加盟校間の協力・情報提供体制の構築」に取り組みます。

取組課題⑩は、社会課題や大学をめぐる環境、加盟校の大学間連携に対するニーズを踏まえて、「加盟校が活性化する事業運営体制の整備と推進」を加盟校とともにすすめていくものです。

■最後に
今年度2022年は、上記計画に基づいて、加盟校からなる7つの委員会(国際交流、学生交流、キャリア、高大連携、教育連携、FD・SD、企画運営)において、それぞれが創意工夫した多種多様なプログラムを企画、運営しています。設立当初から継続している大学間連携ならではの事業、今年からスタートした新規事業までその内容は多彩です。それらの活動内容について、これからnoteで加盟校の教職員や学生、事務局から詳しくご紹介してまいりますので、引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
(大学コンソーシアムひょうご神戸事務局 中水かおる)