2020年8月の記事一覧
立秋;第39候・蒙霧升降(ふかききりまとう)
信州の山あいの集落。少年時代を過ごした場所から尾根を一つ超えたこの土地に、この頃なぜか惹かれ、帰郷すると立ち寄っている。「お姫尊(お姫様)」と地元で呼ばれる大岩があって、小さい頃遠足で行った。
下のお宮のお祭りに一度か二度来たことがあったっけ。小さい頃はたくさんある小さなお宮それぞれで秋祭りがあってとにかく行くのが楽しかった。ちょっとずつ雰囲気が違うし、中学生くらいになるとちょっと遠くに友達がで
立秋;第38候・寒蝉鳴(ひぐらしなく)
目に見えないと、忘れてしまう。
それに包まれていた不思議な時間。
ふれることができないと記憶することすらできない。
幼心に雑木林の中にぽっかりあった木立に囲まれ、陽が射し込み、ふかふかした緑の皮膚に覆われた場所が好きだった。
近くに沢が流れ、大きな石は安心なぬくもりをたたえていた。木立の向こうに沈む夕日とカナカナが好きだった。
いつも感じていた視線は今でも思い出せる。そこで生
大暑;第35候・土潤溽暑(つちうるおうてむしあつし)
大暑 土用
土はますます黒くなる
しかし 東京のど真ん中だと 土の上に立つことは ほとんどない
蝉の幼虫も アズマヒキガエルも アスファルトで轢死体になって よく見つかる
恵まれたことに 氏神様の境内にある小さな畑で藍を育てる機会をここ数年いただいている。
藍染に使う蓼藍だ。
今年は土も入れ替えて 被さって日陰を作っていた椎なども剪定してもらって明るくなった 肥料も概ねひと月ごとに与
大暑;第34候・桐始結花(きりはじめてはなをむすぶ)
氏神さまの赤坂氷川神社には、徳川吉宗公が一ッ木にあったとされる氷川神社をこの地に遷座(1730年)して以来の拝殿が残っています。総欅造り、朱漆塗りの拝殿は、関東大震災や東京大空襲を奇跡的に免れて創建時のまま残っています。
正面の壁間には桐と鳳凰が描かれています(写真は赤坂氷川神社のサイトより拝借)。古来中国では、聖天子(徳のある優れた王)が即位すると、瑞兆である鳳凰が現れると伝えられてきたといい