日本茶は日常に季節感を最ももたらしてくれる嗜好飲料説(&節目にお茶を飲む習慣の提案)
まず最初に言っておかねばならないことは私はお酒を一切飲まない、飲めない。
そのため今から書くことに「お酒は?」ともしかしたら思うかもしれないがこれはあくまでコーヒー、紅茶、ジュースなどと比較した結果である。お酒も!と思うのならお酒もいいじゃんウェーイなのである。←
ただしやはり朝早くても昼間でも時間を気にせず飲める点はやはり日本茶の方が良いのではと思われる。(みんな違ってみんなイイ!!)
もしあなたが今より少しでも人生を豊かにしたい、と感じるのなら、
ぜひ急須と美味しい茶葉を買って、毎朝お茶を淹れて飲む時間をとってみてくれ、と言いたい。
今日は
日本茶が私たちの人生を豊かにしてくれるということを、
禅を起点として話そうと思う。
禅が教えてくれる人生をより良くする方法
禅僧が、日々悩み苦しみ煩悩に振り回されて生きる私たちにすすめる考え方が
「無常を深く受け入れる」ということ。
諸行無常、という言葉、一度は聞いたことがあるはずだ。これは仏教において根本的な思想の一つである。
この世で起こること、もの全ては一切留まっていない、変わらないことなどない、ということ。
「無常」・・・常が無い ということ。
私たちは変化を嫌ったり怖がったりして、「無常」に逆らい、なんとかして変わらない、変えないようにエネルギーを使うことで物事をよりややこしくしたり大変にしたりしがちなのだ。
逆らうよりも、その流れに身を任せることにエネルギーを使ったほうが気持ちはラクになる。
変わらないものはない。初めからそう受け入れておくことで
変化に逆らってジタバタしたり、自分は最強だと有頂天になっらりせずに
変化に身を任せてもっとラクに生きられるようになる。
これは単に何か起きても諦めろだとか、そういうことではなく、
「今の状態が続くことはない、きっとよくなる」と思えたり
「今の業績の良さが今後ずっと続くかは限らないのだから、天狗にならずにいよう」と自分を律したりすることができる。
無常を心得ておくことは、私たちの心をラクにさせ、人生をより良くするために必要な考えなのだ。
でもいざ無常を受け入れるったって、
毎日同じ日々の繰り返しでどうしたらいいかわかんないよ!!!!
一体どうしたら日頃から無常を受け入れられるんだ!
と思うであろう。
無常を感じる心を作るために
無常を受け入れるにはまずはこの世は無常であるということに敏感になる必要がある。
そのためには
小さな変化に気づくこと そして 自然と調和して生きることを意識すること
である。日常の中で手っ取り早く身近に感じられる「変化」は
自然が織りなす「季節」
春に咲く花、夏の青々とした草木にセミの声、秋に近づくにつれ変わりゆく木々の姿、冬の地面に見つける霜や氷柱、、
自然の営みが見せる変化を感じ取るように積極的に意識を向けていく。
通勤中、電車の中でスマホを覗き込むのではなく外の景色に目を向ける。
運動や気分転換に散歩に出て自然を探してみる、
仕事中に窓の外を眺めてみる、
耳からイヤフォンを外し、自然の音に意識を向けてみる、、
それだけで十分に「この世は無常」を感じられる。
1週間前はまだセミが鳴いてなかったのにそういえばもう鳴き始めている!
数日前より桜の開花が進んでいる!
なんだか冬の匂いがする。そろそろマフラーを使おうか。
そんなふうに、小さな変化に気づき、自然と調和することで無常を感じると同時に心もほっこりするはずです。
しかしそう言ったことを
室内で、テーブル上で気軽に楽しめるのが日本茶のある暮らしだと私は思う。
日本茶が日常に季節感をもたらしてくれる理由
禅僧がそういう理由で自然と調和して生きなさいと提案する。
私は思った、日本茶のある暮らしは、それをよりやりやすくしてくれるんじゃなかろうか、と。
日本茶ライフを楽しむ上で、季節感はきってもきれない関係であると思うから。
その理由は3つ。
一、茶器
大袈裟なテーブルコーディネートってわけじゃないけど、日常のお茶の時間を始める際に1か2番目に重要な選択事項がある。
それが、「どの急須、湯呑みで飲もうかな?」である。
これは非常に重要である。もちろん、いつも同じもの、というのもいい。
スティーブ・ジョブズが毎日同じコーデをしたように、選択に時間をかけずにシンプルに、というのも否定はしない。
ただやはり急須によって味も変わったりするし、茶種によって向き不向きもある。
茶種も考慮するのだが、やはり季節感も少し意識してみる。
例えば夏は透明なハ○オの急須とグラスで飲むと視覚的にも涼しげ。
寒くなってきたから少し厚手の湯呑みにしてみたり。
今週は桜が満開だからピンクの急須と桜柄の湯呑みにしてみよう。とか。
写真のようにしっかりテーブルコーデはしないにしても、ちょっと季節感を意識して茶器を選ぶとまた自然の移ろいを楽しめる。
これも自然と調和して生きる、ということ。
二、季節のお茶
先ほどの茶器選びと並んで決めるべき重要事項のもう一つが、
「どのお茶を飲もうかな」である。むしろこっちのが主役!
お茶なんていつの季節も一緒、と思うかもしれないが、季節ごとにいろんなお茶がある。
代表的なのは5月から始まる新茶。夏も近く八十八夜〜♪と茶摘みの歌があるが、これは春分の日から八十八夜のころに例年あちこちで茶摘みが始まるということ。
その年の一番最初に収穫して作るお茶が新茶。
うまみとフレッシュな香りの楽しめるお茶。一番茶とも呼ばれる。
それから2回目の収穫が7月ごろに始まり、これを二番茶、または夏茶とも呼ばれ、今度はさっぱりしたお味。
さらに秋に摘まれるお茶も。摘む時期が遅いほど、お茶の代表的栄養素のカテキンは増えており味も香ばしスッキリな味わいに♪
また、収穫時期ではなく、行事ごとということで、京都では元旦に大福茶というのを飲む風習もある。煎茶に梅とむすび昆布を入れたもので、無病息災を願ったものだ。(ちなみにトップの画像のイラストがまさにそれだ。一緒に描かれているのはゴボウが入った花びら餅という新年を祝う京都の和菓子。)
他にも、冬は暖まりたいからほうじ茶の気分になったりする人も多いはず。
あるいは今日はとても暑いから水出し茶を作っておこう、と思う人もいる。
何を飲むか、を決める際に私たちは自然と季節を意識するようになるだろう。
三、季節のお茶菓子
ここまではコーヒーだって!紅茶だって!!と意見が出てきそうである、が!!
この三つ目の理由には勝てまい!←
お茶菓子だ。
今までは意識してなかったが、京都に住むようになり和菓子屋さんの多さに気づき、茶道を始めて季節のお菓子を身近に感じるようになった。
そう、季節の和菓子があるのだ!!!これをお茶の時間に取り入れるだけで
「あぁ、私は今、この季節を生きている」と実感できるのである。
中には特定の日数や日にしか売られてないものや、お店の本格度によれば年に一度しか市場に出ないものもある。
年中あればいいのに、と思うかもしれない美味しいお菓子ばかりだが、
これが年中あっては季節はどこへ行ったとなる。
限定モノだからこそ、よりその季節をしみじみと感じられる。
例えばこどもの日に食べる柏餅。
そして夏はやっぱり近々に冷えた水出し茶に羊羹や水まんじゅうを用意して涼を感じたい。
ついこの前の6月30日は「水無月」というお菓子を食べる日だ。
近所の和菓子屋は20日から30日まで売っていたが、ある和菓子屋は一年の中で6月30日しか売らない、と決めていたりするのだ。
毎年それを買い、楽しむたびに「またこの季節がやってきたな。」と感じたり、「去年の今頃はあの会社でバリバリ働いていたのに、まさか独立することになるとはなあ〜」なんて環境や身の回りの変化、無常さを改めて感じたりするだろう。
もちろんそんなに本格的な和菓子屋からでなくても、大抵メジャーな季節のお菓子はスーパーに売られている。羊羹だって年中ゲットできる。
菓子皿を選ぶ際、夏なら透明感のあるものや水色など季節を意識してみるのも良い。
そう言ったお菓子と共に味わうのは必ずしも日本茶じゃないといけないわけはない、が、
日本茶が格別に合うのだ!!!!!!!!!!!!!
煎茶!!!ほうじ茶!!!抹茶!!!!!
これらはまず間違いない。日本人ならほとんどの人が納得するはず。
以上の3つの理由から
日本茶は最も日常に季節感をもたらしてくれる嗜好飲料説を唱えたい。
そして人生に豊かさを加える一つの方法と思ってほしい。
<日本茶ライフの取り入れ方>急須でお茶を淹れる日を決める
・時間がなくて毎日お茶を急須で飲むのは厳しい
・季節って言っても各季節のそれぞれの期間も長いし移り変わりの時期も様々だしよくわからん
という方に指標にしてほしいのが
節目を意識してみるということ。
日本には季節の変わり目に名前がある。
例えば「春分」「夏至」など、必ず聞いたことあるはずだ。
私たちは四季、と言いますが実際には二十四節気に分けられ、
さらに分解させた七十二候というのもある。
七十二候は流石に多いかもしれないので、
二十四節気、または、その中で重要な
夏至と冬至
春分と秋分
立春、立夏、立秋、立冬
あとできれば満月と新月の日
を意識し、その日または前後は必ず急須でお茶をいれて飲む時間を作るといいかもしれない。
これらの節目の日は意識していないと結構気づかない。
「あ、昨日夏至だったのか」と気づく方も多いはずだ。
月の満ち欠けもそう、気がつけば満月。
また、だんだん月の位置が変わることも、季節の移ろいを教えてくれる。
節目の日にお茶を飲むことで、目まぐるしく過ぎてゆく日々に一旦ストップをかけ、季節の変化を感じ、そして自分と向き合う時間を取る。
メンテナンスデーというか、上記の節目を意識すれば、
必ず月に2回はそんな時間が取れるのだ。
満月や新月の日とかぶることもしばしば。
最後に
なんやかんや綴ったが、
禅からの教え、「無常を深く受け入れる」ことで人生をもっと楽に生きる。
その一つの手段として
日本茶を通じて季節を感じ、自然と調和して生きる、
心に余裕と人生に豊かさを生み出す、
ということを多くの方に提案したい。
次の節目は立秋、8月8日だ。
秋の気配を感じつつも近年ではまだまだ猛暑が続く。
しかし空を見上げてみるといわし雲などの秋の雲が見られるかもしれない。
そんな立秋のお菓子は水ようかん。
今年の立秋は、
さっぱりした夏摘み茶を耐熱グラスで、
キンキンに冷やした口溶け滑らかな水ようかんと一緒に
楽しんでみるのもいいかもしれない。
(朝から水ようかんは厳しいかもしれないけれど)
セルフメンタルケアとして、日常に禅と日本茶を取り入れてみませんか?
お読みいただきありがとうございました。
喫茶こまち
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