ここは生きる力をくれる場所。私の愛する美術館
私にとって日々の食事と同じくらいに大切な場所。
それが美術館です。
作品との対話を楽しみたいので、
混雑しない平日に。
仕事の隙間を見つけては、お休みをいただいて、美術館へと足を運びます。
私の好きな美術館
日本の美術館(正確には美術博物館)の数は国公私立合わせて457館。
(*令和3年度文部科学省社会教育調査)
全国には、その土地に根ざした個性豊かな美術館が数多くあります。
その中でも、特に私が愛してやまない美術館をご紹介します。
金沢21世紀美術館
ここのために金沢に行く。そう言っても過言ではない美術館です。
現代美術を中心とした展示ですが、いつも混んでいるのが驚きです。
と言っても、私は観光客に人気のレアンドロ・エルリッヒの《スイミング・プール》はスルーするので影響なし。展覧会をじっくり楽しみます。
オリジナリティあふれる企画展もいつも素晴らしいし、探検するようにめぐる建物の構造も楽しい。建築家・妹島和世+西沢立衛「SANAA」によって設計された美術館自体が作品です。
居心地のいい空間は、『公園のような美術館』というコンセプトを見事に体現されていると思います。美術がまちに溶け込む空間。
北陸新幹線の開業で敦賀駅で乗り換えが必要になり、金沢に足も気持ちも遠ざかってしまいました…。愛する金沢なのに会いにいくハードルが上がってしまったのが悲しいです。
京都国立近代美術館
京都岡崎にある近現代の作品を中心とした美術館。デザイン系の企画展が多い?イメージです。
常設展では、絵画、彫刻、工芸から写真まで京都ゆかりの作品を中心にジャンル横断的に楽しめます。
とりわけ私は、河井寛次郎の陶芸作品の数々に足を止めて魅入っていることが多いです。私が年間で最も訪れる美術館です。
京都市京セラ美術館
1933(昭和8)年に開館した現存日本最古の公立美術館。
「帝冠様式」と言われる昭和初めの頃に流行した洋風の建物に瓦屋根という和洋折衷のデザインが特徴です。
以前は地味で暗いイメージでしたが、2020年のリニュアルで輝きを取り戻しました。建物の美しさを最大限生かす空間づくりとともに、現代美術の展示室「東山キューブ」などを新設。展覧会の幅が大きく広がりました。
とりわけ新進作家を紹介する無料エリア「ザ・トライアングル」は要チェック。まだ、なかなかお目にかかれない若手芸術家の意欲に溢れる作品に出会うことができます。
さらに、美術館の裏側にある日本庭園は、7代目小川治兵衛が関わったとされる名園。宮殿のような内部の装飾をはじめ、無料ゾーンだけでも何かと見どころが多い美術館です。
国立国際美術館(大阪)
2004年に大阪吹田の万博記念公園から中之島に移転開館。高層ビルに囲まれた中で、地中に埋もれています。
エントランスに下りていくのが、洞窟のような雰囲気です。
しかし、差し込む陽光が美しく、地下と感じさせない明るさがあります。
展示室にはさらにエスカレーターを下がっていきます。作品に向かう気持ちが整う大切なプロセスです。
作品鑑賞の後は、近くにはおしゃれなカフェも多くあり、美術館を中心にほっこりした1日を過ごすことができます。
大阪市立東洋陶磁美術館
安宅コレクションを中心に世界有数の東洋陶磁器の名品を収蔵展示する美術館。
今年(2024年)4月にリニュアルオープンし、カフェなどエントランスの雰囲気が随分変わりました。
ここの注目は自然光で魅せる展示。通常の美術館では見られない陶磁器の輝きに出会えます。
私は青いものが好き。しかも大学では陶器の研究をしていたので、器には目がないのです。ここには、白磁や青磁の一級品がザクザク並んでいる。もう私にとっては垂涎もの、でへへへへへ。
本当に垂れてんじゃないの?ってぐらいに魅入っています。
とりわけ、14世紀に中国龍泉窯で作られた、国宝飛青青磁花生の底知れぬ吸い込まれるような緑青色と均整の取れたフォルムは奇跡だと思います。
精緻に復元された製品もありますが、全然似ても似つかない。圧倒的な気品と存在感にいつも時間を忘れてしまいます。
兵庫県立美術館
神戸の都心部から少し外れたJR灘駅・阪神岩屋駅から徒歩10分弱。
海辺に面した場所にある美術館です。
展覧会が、いつもおしゃれに感じるのは神戸だから?
安藤忠雄さんによる建築も素敵です。
作品鑑賞後は、美術館横の「なぎさ公園」を散歩するのが私のお気に入り。
浜風に吹かれてゆっくり過ごすと、気持ちが洗われていくよう。
おしゃれな神戸っ子気分?
作品、建物、風景が楽しめる美術館。
JR灘駅を挟んで山側にある「横尾忠則現代美術館」はこの分館。併せていくのがオススメです。
一歩足を踏み入れたら、横尾忠則ワールドにぶっ飛びます。
もはや紹介しきれない・・・
順番に書いていたら、キリがなくなりました。
私が最も敬愛する「青い画家」東山魁夷画伯の作品を集めた長野県立美術館(東山魁夷館)はもう住みたいぐらいだし、平山郁夫画伯の名品を多数所蔵する佐川美術館(滋賀)も心安らぎます。
大阪の中之島香雪美術館や
京都嵐山の福田美術館、
丸亀市猪熊弦一郎現代美術館、
軽井沢千住博美術館もまた行きたいな。
今年も色々な博物館・美術館を巡っています。
これからもご紹介して行けたらと考えています。
芸術家の皆さんが魂を込めて制作された作品は、共感したり、癒されたり、励ましてくれたりするなど、私に生きる力を与えてくれます。
さあ、次どこの美術館に行こうかな。