不動産投資をする上で気になる「事故物件」注意すべきことは?

不動産投資を考えている人の中で気になることの中に「事故物件」になった場合が挙げられるのではないでしょうか。賃貸として貸し出す場合、入居者を募って、不特定多数の人が入居するため、万が一の事態が発生する可能性は0ではありません。そんな時はどうなるのか、学んでいきましょう。

大切なのはスピード感!

居室内で事故が発生した場合、まずは直ちに原状回復を行う必要があります。特に湿気の多い梅雨の時期や夏場は、劣化も激しいので、時間との戦いです。

事件発生後は、日本賃貸住宅管理協会に確認の上、現地確認や、処理業務の業者手配も行います。通常のクリーニングとは違いますので、嫌がるクリーニング業者が多く、一般的には、入居者が退去する祭などに行われる原状回復費用よりも高額になることがほとんどです。

原状回復にかかる費用は概算でどのくらい?
今回は「ワンルーム」を例に考えてみると、そこまで広くはないので、クロスの張り替えやキッチン、浴槽など供養費なども含めて、一般的には50万円程度かかると言われています。

また、原状回復費用については、入居者の事故で亡くなってしまった方の相続人や連帯保証人に請求します。もし相続人や連帯保証人が原状回復費用の支払いを拒んだ場合は、裁判になる事もあります。

そのようなトラブルの発生を避けるために、入居審査の際に、保証会社に必須加入していただくことが重要になるため、管理を委託している場合は、確認してみましょう。入居者が保証会社に加入していれば、保証内容にもよりますが、原状回復費用の支払いをしてもらえるケースがほとんどです。

日本で裁判になった時の判例は?

上記のような事故物件になってしまった場合の原状回復費用負担に関するトラブルが、
日本でも多いようなので過去の判例を調べてみました。

【過去の判例】
入居者が自殺した損害について
賃貸アパートの居室内で、入居者が死亡(自殺)し、賃貸人は入居者の相続人及び連帯保証人に対し、損害賠償請求をした。
結果、自殺は入居者の善管注意義務違反にあたるとして、相続人及び連帯保証人に対し損害賠償を認めた。(東京地裁)

さまざまな判例の中で多かったのが以下のようなものになります。
●下落した賃料差額の約1年~2年分が、入居者の相続人もしくは連帯保証人に請求でき、容認されるケースが多い。
●自殺もしくは事件性がある事故物件は、告知義務が必要だが、孤独死については、自然死にあたり「心理的瑕疵」にあたるケースは極稀で、告知義務違反に抵触することは少ない。
●事件性があった事故物件でも、入居者が入れ替わり約1年半〜2年が経過すれば、告知する義務がなく通常の賃料に戻すことが可能。

過去に上記のような判例があるからといって、今後裁判をした際に、判決通りになるかというと、ケースバイケースなので、参考程度に留意しておきましょう。

事故物件になりやすい不動産の種類とは?

不動産営業マンの経験を聞くと下記のような種類の不動産に事故物件が多いと言います。

・戸建て
・木造アパート、
・ファミリーマンション

ファミリーマンションの方が一世帯として住んでいる人数が多くなり、さらに引っ越しをする機会もワンルームマンションより少ないと想定されるので、事故物件になる確率が高くなるのではないでしょうか。

では、仮に都心のワンルームマンションが事故物件になった場合はどうでしょう。事故物件になった場合、直後に入居を希望する人には告知義務があります。しかし、事故があった後に一度入居がついて、退去した後には告知義務がなく、通常賃料での募集が可能です。

特に都内のワンルームは入れ替わりが激しいため、更新のタイミングとなる2年くらいの周期で入れ替わることが多いようです。

不動産投資の中で、事故物件のリスクを減らすポイントとして
・入居審査の厳しさ
・ワンルームマンションを選択する

といった点をあげる不動産投資家は少なくありません。

「少額短期保険」で自らリスクヘッジを

アパート経営やファミリーマンション経営を既にされている場合、事故物件リスクを気にされるなら「少額短期保険」に加入することもひとつの手段です。事故物件になってしまった場合、家賃下落分、原状回復費用も負担する保険会社です。
1部屋 月額300円~といったものもあるため、万が一に備えることが可能です。事故物件に関してはリスクを理解した上で、対策を行うか否かの判断と、万が一事故が起こってしまった時の対処法はスピード感を持って対応できるように日頃から心がけておきましょう。



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