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舞台の資料整理

舞台照明家×カラーセラピストのTakakoです。

この一年半はイベントが無くなりすぎて、自宅待機シフトが沢山ありました。毎日現場が当たり前だったのに、腕も身体もなまります。
その間の私はと言うと過去25年分の資料整理とオンライン三昧の日々。

今日は片付けて出てきた、過去資料にまつわることをトコトコ書いてみたいと思います。

舞台照明の仕事は「現場」と言われる場所
○○ホール・○○文化センター・○○会館へ伺って働きます。

〇 毎日、同じ場所に出勤して向かい入れるスタッフ
〇 毎日、バラバラの場所に出勤するスタッフ
〇 同じ場所・違う場は半々というスタッフ
色んな人が集まって舞台の仕事に携わります。

毎日違う場所に行く場合は、当日必要な資料を持って移動しなければなりません。


資料のデジタル化は…

デジタル化は少しは進んではいるものの、仕事の特性から“紙資料”から脱却は出来ません。

例えば台本・・・当日その場で渡された場合

読みながら書き込み~下打ち合わせ~リハーサル対応
~手直し~再打ち合わせ~本番

リハーサル対応より後は全ての工程で
機械を操作しながら、比較的暗い場所ですることになります。

本番と同じ環境を作るため、お客様から目立たず演出の邪魔にならない環境を作ります。

・ある程度の大きさ(A4~B4)
・ハッキリ読める字の大きさ
・その場で書き込みが出来る(ながら作業でも対応できる)
・折り目をつけたり目印をつけることが出来る
・人や物の位置をラフなイラストで書き込める
やっぱり紙でないと無理です...。

手書きの素晴らしさ

資料は催事が終わっても捨てることはせず残しておきます。
次回の公演の際にベースになるためです。
手書きの文字からは
時間が足りていたのか?
慌てているのか?
イメージと会わなくて調整に時間がかかったのか?
文字の大きさ・強さ・太さ・勢いなどから
色々な情報が読み取れます。

舞台は生ものだから
手元の資料も生の感覚が残っている方がいい
時代錯誤かも知れないけれど、個人的にはそう思っています。

スキャンしてデータになると「温度が下がる」と感じるのです。
見積もりや段取りなどの事務的な向き合い方なら問題ないけれど
「本番」に関わるところは「熱さ」が欲しい
それが他人が書いた資料だとしても手書きが良いと思ってしまいます。
当日の担当者・主催者・出演者それぞれに思いを馳せながら資料を見ると
本番を追体験できるのでは?と思う資料もあります。

そして資料は山になる

そうして溜まった資料は山となって自宅の押し入れに残ります。
自分の人生でもあり、作品とのコミュニケーションの証
お客様に提供した「本番の温もり」

「いやぁ 捨てられない...。」

断捨離は進みません。
実際に15年以上のお付き合いになる方もいて
「10年前の○○を再演します」という事もあります。

もうアルバムみたいな感じで
「私が死んだら処分してください」と伝えるかと
捨てる事を諦めつつあります。
それでも1年以上の休業期間で資料の3分の1を処分しました。

捨てて空いたスペースに新しいワクワクが入ってきますように

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