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もうすぐ母になる私と働き方の葛藤

2022年の秋の終わり、カタールでサッカーワールドカップが開幕する頃、私は母になる予定だ。
日に日にお腹は大きくなり、ぽこぽこ、ぐにょぐにょと動くお腹の中にいる小さな存在がすごくすごく愛しい。


母になることは小さな頃から思い描いていて、いつか大好きな人と結婚して、子どもを授かることが出来たらいいなと願っていた。

大学を卒業してから3社で働いたが、振り返ってみると、どのタイミングでも「母になること」も意識しながら就職活動や転職活動をしていた。
ただ、なかなか母になる覚悟ができず、妊活を始めたのは結婚当初に考えていた理想よりも数年遅れてしまった。

キャリアのことが不安で不安で仕方なかったのだ。

新卒の時、私はかなり強気だった。
会社の歯車になんかなりたくないと思っていたし、子どもを授かってもバリバリのキャリアウーマンとして働き続けたいと思っていた。
だから、もしも入社する会社に育休取得の前例がなく、ロールモデルとなる先輩がいなかったとしても、自分がその先駆者になってやるぞ!と意気込んでいた程だ。

しかし子どもを授かることができた今、一向にキャリアの不安は拭えていないし、なんなら会社も昨年辞めてしまった。
育休を取得することを見越して、自分の中である納得できるところまで、キャリアを積み上げるために妊活を遅らせていたはずのに、結局のところ、ただ時間を無駄にしてしまった。

私の家族からはありがたいことに、子どもについてのプレッシャーは掛けられなかった。一方で、夫の家族からは結婚する前からも「早く子どもを作って」と顔を合わせる度に言われ続け、しんどかったしうんざりだった。
でも結果的に、義家族が言うように早く子どもを授かれるようにアクションを起こしても良かったのかなと、今となっては思う。

だけど、どう頑張ってもどんなに悔やんでも、過ぎてしまった時間を巻き戻すことはできないし、なんだかんだで今がベストなタイミングだったのだと強がりではなく、きっと心の底から感じている。


今まで働いた3社とも働き詰めだった。
(2社目、3社目は、がむしゃらに働きたくなかったので、残業時間は少なめな会社を選んだはずだったんだけど……)

平日にプライベートの時間は持てず、家にはお風呂と寝に帰るだけの日々だった。
定時で上がれることなんてほとんどなく、会社を出るのは大体いつも22時頃、日付が変わる頃まで仕事をすることも、毎月何度もあったし、なんなら週末や休暇中も働いていた。

どんだけ働く効率悪いんだよ!?って思うでしょ?
私も何度もそう思って、その時の私なりに改善しようと試みてはいた。
でも周りの同僚も上司も同じように働いている状態だったから、そう簡単には変えられなかった。

働くことはすごく好き。
自分で言うのはおかしいと思うけど、ボランティア精神が強く、報酬がなかったり、周りの目がなくても、手を抜かず全力で頑張ることができてしまう。多分、人から必要とされたい欲が人一倍強いのかもしれないだけだけど。

でもやっぱり限度はある。
仕事以外の時間も大切にしたいし、たまにはのんびりと息抜きだってしないと壊れてしまう。
段々、何のために働かなきゃいけないのかが分からなくなってしまった。
毎日膨大な仕事に追われ、他のやりたいことを犠牲にして、心も体もいつしかボロボロになった。


母になる準備が整った時になるべく早く子どもを授かれるよう、鍼治療に通って体を整えるようにしていた。
でも仕事のストレスの方が遥かに大きく、体重がどんどん減ったり、不眠になったりしてしまった。生理不順にもなってしまったので婦人科へ行き、ホルモンの検査をしたところ、排卵がされていないことが分かった。
それ以来、毎日基礎体温をつけるようにしたが、体温のグラフはガタガタのままで、何周期も自力で排卵はできなかった。

いつか子どもを授かるために、キャリアを築いていたはずなのに、このまま働き続けていたら、子どもを持つ未来は一生来ないんだろうなと、とても怖くなった。
夫婦で決めていた子どもを授かりたい年齢のリミットに近づいていたこともあり、一旦会社を辞め、まずは体を整えることに専念することにした。


会社を辞めた途端、あっという間に心も体も軽くなった。
数周期後、基礎体温も初めて低温期と高温期のきれいな二相に分かれるようになり、婦人科でも排卵がされていることが確認できた。
その後、少し時間は掛かってしまったが、念願だった赤ちゃんを授かることができた。

今は、これから始まる母としての「新しい私らしいはたらき方」を模索中だ。

働き方を考える上で、過去の仕事のことや私にとって働くとは?ということも改めて考えてみたので、また別の記事で投稿していきます。

今回はここまで。
記事を読んでくださりありがとうございます。






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