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これから図書館で働きたい、という相談についての回答

しばらく、別の場所で、図書館に関する質問を読んだり、ためしに回答を書いたりしていました。投稿された質問に刺激されて、私も思うことを言葉におきかえて意見をまとめる練習をしました。余暇に趣味としてやってみたことだし、あくまでも私個人の経験や知識からの意見ではありますけれど。

1)「高い目標も、ためせるのは若いうちだけでは?」

あなたが若かったら(30歳以下)、司書を目指すのに、非正規ではなく正規のポストを目指したほうがよいです。激戦とか難関とか言われますが、良い雇用条件の募集に応募して試せるのは比較的若いうちだけです。

図書館で利用者さんの広範囲の知的好奇心に対応していくには、どの分野の知識も無駄になることはありません。もちろん図書館に関する専門知識も必要ですが、それを備えている同僚のなかでは、それ以外の知識や技能が、結果的にあなたの強み・得意分野に成り得ます
やることがいっぱいあって大変ですが、がんばってみてください。

2)「司書という仕事で経済的に安定した収入を得るには?」

図書館業界に限らず、何の仕事でも、正規・フルタイムで従事できればそれなりに収入も高く、保証もしっかりしたものになりますが、非正規・パート・アルバイト・臨時任用等の労働契約や待遇だと、時間当たりの収入も安く、不安定になりがちです。(特殊な高度専門職を助っ人に呼ぶような場合などは、例外として)

図書館に直接的に関連した分野では、現状としては、ポストに対して資格保持者が多いです。
司書資格を活かそうとする就職希望者の数に比べて、正規待遇の募集の話が少なく、非正規待遇の募集の話が多いので、確率的には非正規待遇の人の話を聞くことのほうが数多くなってしまうかと思います。

司書資格は人気があるので、持っているひとがいっぱいいます。ふつうの司書資格だけでは、差がつきにくく、多分、他の技能・資質も優れていないと正規の「司書」的なポストは得られません。

数すくない正規待遇で働く人になれれば、ちゃんと暮らし、まずまず家族も養っていけるだけの年収がおそらく得られますが、非正規待遇で「司書」的な仕事を続けようとした場合は、待遇に格差を感じる結果にはなりやすいです。

ほかの回答者のかたの多くは、正規待遇の例として公務員と大学職員しか挙げていらっしゃいませんが、民間企業のライブラリ配属で「司書」的な業務をするケースもごく少数ですがあります。

それも調査業務を重視する金融・法律関係の外資系の会社などは、公務員より高給の可能性があります。ただすでに、司書資格+語学力+経済法律の知識や一般に通じるビジネスセンス、ということで司書だけの技能とは言い難いかもしれません。

3)「まず公務員になることと、図書館で働くこと、あえていえばどちらを優先するか」

公務員試験の倍率は高く、「難しい難しい」の連続では気が滅入ってよいこともないかと思いますので、私の知っているケースを追加して、希望があるように書くと、大学図書館の図書館職員(正規)になるのなら、まず、国公立でも私立でも、大学職員になることを目指したほうがよいです。

意識としては、まず、事務職員志望であり、そのうち、図書館への配属希望理由として、「図書館での業務に興味があって司書資格を持っています」と人事にアピールすることはできます。大学の組織としては、図書館も人事の管理下に位置付けられますから、人事の担当者が考えてくれて状況が揃えば配属が叶うこともあります。
(たしかに少ないですが、数年に一人くらいはいる?)

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