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いつも助けられてばかりです

 ぼくは職場ではいま、マネージャー的な役割についてます。

 どちらかと言えば、プレイングマネージャーのようなものですね(ま、そんなカッコもんじゃないけど(^^;))

 で、アルバイト的な人も何人かいて、その中のひとりが、再雇用5年目位の女性です。

 ベテランで、人当たりもよくて、とても頼りにしてた人なんですけど、先日、

「この3月でもう退職しようと思ってる」

というのです。

 理由は、なんとなく色んなことに自信がなくなってきて、このままだったら取り返しのつかない大失敗をしてしまうかも、ということのようでした。

 そのほかにも、新しい人も入ってきてるので、もう自分がいる必要もないな、とも感じているようでもありました。

 でも実際のところ、彼女がいなくなれば、ぼくの職場は崩壊しかねない。それくらい彼女は重要な人だったんです。


 もちろんぼくは、何度も説得しました。

 彼女の気持ちも揺れ動いていたんですけど、それでも決意は変えられませんでした。

 なんて無力なんだ、とぼくは自分の力のなさを情けなく思いながら、部下の女性Aさんに相談しました。

 Aさんもぼくも、再雇用の女性に対する想いは同じだったので、なんとか話してもらうようお願いしてみました。

 
 すると、数日後に再雇用の女性が、
「もしかしたら、途中でギブアップするかもしれないけど、できるところまで頑張らせてもらう」
 という返事があったんです。

 聞くと、Aさんからラインがきて、色々と言ってくれて、
 「変な話、感動してしまった」
と言うのです。

 いったいどんなライン(魔法?)を送ったんだろう、と思いましたが、さすがに「見せて」とは言えなかったけれど、とにかく本当にうれしかったですね。


 これだけでなく、ぼくはいつも色んな人に助けてもらってばかりです。


 ぼくはだれかを助けることができてるんだろうか。


 その日の夕方、Aさんに、

「ありがとうございました!」

というと、Aさんはすぐに何のことかを察して(彼女はいつも察しがよいのです)、


「いえいえ、なにもしてないですよ」

と笑って言いました。


 そのときの彼女の笑顔は、これまで見たことのないような素敵な笑顔でした。


 その笑顔に、またぼくは救われた気がしました。


 

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