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ピーのパパ
2022年11月19日 07:00
『海の命』という話を覚えているだろうか。父ちゃんの仇である瀬の主を殺すのかい?殺さないのかい?どっちなんだい?でお馴染みの作品である。ちなみにあなたが、1996年度以降に小学6年生を迎えたならば、国語の学習で習っている可能性が高い。(光村図書、東京書籍の教科書に掲載されている)あの物語には与吉じいさという老人が出てくる。彼の「千匹に一匹でいいんだ。千匹いるうち一匹を釣ればずっとこの海で生
2022年8月3日 04:11
フランツ・カフカは、著書『変身』において不条理に襲われる個人を描いた。物語の主人公グレゴール・ザムザは、ある朝巨大な毒虫に姿が変わってしまったことに気づく。経済的に厳しい家族をひとりで支えてきたグレゴール。皮肉にも、彼が働けなくなってしまったことで家族の自立を促す結果となる。毒虫を排除した時(直接手を掛けていない所がリアル)、家族の世界に明るく暖かな兆しが感じ取られ、物語は終わりを迎える。
2022年1月12日 23:00
久々にnoteに書きたい!と思うほど良い小説だった。教師の私にはより面白く感じられた。教師にはぜひ一読してもらいたい。夏目漱石自身が松山で教師をやっていた頃の体験を下敷きにして生み出された物語。親譲りの無鉄砲で子供の時から損ばかりしている。あまりにも有名なフレーズから始まるこの物語。主人公は生粋の江戸っ子、坊ちゃん。坊ちゃんは愛媛の中学校に勤める。そこにいるのは、個性豊かな教師陣。校長の狸
2021年8月17日 20:06
取っつきにくい政治の話を軽やかに描く。『本日はお日柄もよく』に続き、原田マハさんを読むのは2冊目だが、どちらも読後感がよい。ちなみに、『本日はお日柄もよく』に登場したスピーチライター久遠久美が『総理の夫』に名前だけ登場している。少しテンションが上がる。この小説は、東大理学部卒、大財閥の息子で、鳥類研究をしている主人公「相馬日和」の日記形式で進んでいく。本文の中に何度も「この小説を読んでい