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銀婚式を迎えたBUMP、25歳になった私

私が生きている年数、BUMP OF CHICKENが活動をしている。

つまり私とBUMP OF CHICKENはほぼ同い歳である(早生まれを考慮するとBUMPが一つ上)。BUMPの誕生日を祝う度に凄いことだと毎年思う。

BUMPは結成25周年を迎え、配信ライブのタイトルである「Silver Jubilee」の意味は「銀婚式」。結婚の節目である25周年は銀婚式、ちなみに50周年は金婚式だそうだ。

Silver Jubilee

4人が円陣を組む。この広さと彼らの地元という点からして、会場はおそらく幕張メッセだろう。

一番最初の「アカシア」で藤くんの声を聴いた瞬間から、藤くんの声に、BUMPの鳴らす音楽に安心して、気がつけばタオルを握りしめてポロポロ泣いていた。

ここは紛れもなく私の家で、ここにいるのは私ただ1人なのに、自然とライブとおんなじことをしていた。

電車に乗って会場に行き、グッズの長蛇の列に並んで、友人と待ち合わせして、チケットを係員に半分渡して、席について、ライブが始まって、終わったら「楽しかったね、またね」と話して、帰りの電車でSNSにライブのことを投稿したり、帰宅途中コンビニで夜ご飯買って、家に帰って買ってきたグッズを並べて余韻に浸っている、訳ではない。

BUMPのライブは二度とないスペシャルな非日常でありながら、どこか母校に行った時や学生時代の友人らに会った時と同じような安心感を覚える。

頑張っている時にふと缶コーヒーを買ってきてくれるような、心をよしよしと撫でてくれるような、藤くんの声にはそんな優しさが宿っているような気がする。

たった4人だけのライブを見ながら、もしもここに満員のお客さんがいたら、会場いっぱい藤くんの歌声が響いて、沢山のレーザーがステージを照らして、客席には銀テープが舞って、無数の虹色の光の海が会場を埋め尽くして、どれだけ綺麗な景色だったのだろうと、あの頃に思いを伏せた。

最後に演奏された「サザンクロス」は「南十字星」の英名で、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」においての「サザンクロス」は、他者を助け自分の命を犠牲にしたものだけがその駅で降りることが出来る天国への入り口と解釈されている。

一方でBUMPの「サザンクロス」は、特別に善をなさなくとも「生きていればそれだけでいい」と言ってくれているような優しさに満ち溢れている気がする。

どんな今を生きていますか
僕の唄が今聴こえますか
くしゃみひとつで取り戻せるよ
離れても側にいる 気でいるよ

今は仕事もせずだらしない生活をしているよ、でも凄く満足しているよ。
BUMPの4人が鳴らす音楽、聴こえているよ。
くしゃみひとつで笑い合える人がいたらいいなあ。
離れても側にいる気でいるよ。

「BUMP OF CHICKENのライブに行ってきた」と話すと、どんな人が相手でも必ず羨ましがられた。

「BUMPの一番好きな曲は?」と質問すると、彼ら彼女らが挙げられた曲は必ずというほど違っていて、この質問は人生観が見え隠れするから好きだ。もしチケットがホイホイ取れるのであれば、たくさんの人を素敵なBUMPのライブに連れて行きたい。

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チャマの不貞行為が発覚して早一年が過ぎた。この配信でチャマから謝罪があるのかと思ったら無かったし、私としてはいらなかった。4人が楽器持って揃ったらただ音楽を鳴らしてくれればよくて、あの4人が無邪気にわちゃわちゃと笑う姿が大好きだから、重苦しい雰囲気なんて御免だし堅苦しいことはライブ以外の場所を設けて欲しいと思っていたからだ。

綺麗事抜きでBUMPはBUMPらしく、私情を挟まずBUMPの音楽を演奏してくれればよかった。

「音楽に罪は無い」と教えてくれたのは「自分たちのことより自分たちの音楽を聴いてくれ」と言っていたBUMPで、私も音楽とプライベートが別だと割り切っていた耐久性があったとはいいつつ、BUMP自体がクリーンなイメージだったこともありチャマの一件を知ったときのダメージはかなり大きく、BUMPが聴けない時期もなかなか長かった。

だけど今日の配信ライブを見て”4人”のBUMP OF CHICKENが、シンプルで、最高で、孤高だと確信した。

そうしっかりと思えたのは初めてたった1人が欠けたBUMPのパフォーマンスを見たこと、悲しくも著名人の死が続いてしまったこと、そしてバンドが続く奇跡を命の限り見たいと思ったから。

奇跡と必然

時々「BUMPに出会ってなかったら、今頃私は何をしているのだろう」と怖くなる。BUMPに出会って10年とここまでくると、BUMP無しでは考えられない人生だ。

BUMPのおかげでたくさんの音楽に出会えて、BUMPのおかげでたくさんの人に出会えて、BUMPが見せてくれた景色は無限にあって、感謝しても仕切れない。

具体的には同じBUMP好きの友人に出会うことや、ライブのために新幹線や飛行機に乗って全国各地に行くこと、BUMPが主題歌を担当したアニメや映画に出会うことも無かった。

もしかするとカラオケで「天体観測」を歌えてた程度だったかも知れないし、もっとライトに名前だけ知っていた存在になっていたかも知れない。

BUMPに出会ったことは奇跡のようで、必然的だったとも思う。

正解も不正解もない世界で一つだけ言えることがある。

BUMPに出会った今の私の人生は、絶対に間違ってなかった。

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セットリスト

1.アカシア
2.Hello,World!
3.Flare
4.Small World
5.サザンクロス


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