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小説『闇に堕ちにて、空に溶けゆく』10/5(土) 【第57話 緊急企画】
目覚めると、横にいる凛はまだ眠っていた。
私の手を繋いだまま寝てくれた。
凛の優しさに包まれて眠っていたことに
感謝した。
そんな気持ちで凛の寝顔を見つめていると、
流石に、視線に気づいたのではないだろうが、
凛が目を覚ました。
そして、凛は言った。
「裕奈ちゃんおはよう。眠れた?」
私が頷くと、凛は微笑んで言った。
凛「そういえば、翔より先に裕奈ちゃんと、
寝ちゃったな。後で自慢しよ」
小説『闇に堕ちにて、空に溶けゆく』10/3(木) 【第56話 告知】
その日は、やはりスカートの中の、
これまで、経験したことのない
無防備さが気になる。
満員電車に乗っている時は不安だったので、
翔とドアの間に身体を潜り込ませ、
翔に後ろに立っているようにお願いした。
自分の後ろ側を無防備にしているのが
不安だったからだ。
なのだが、後ろの翔の呼吸がかなり荒いので、
それはそれで逆効果だと思った。
駅で降りて、翔に向かって意地悪く言った。
裕奈「息づ
小説『闇に堕ちにて、空に溶けゆく』10/1(火) 【第55話 仮想】
翔の家に泊まらせてもらうことになった後、
一番風呂を勧められたが、必死に断った。
結局、父の直樹が最初に入ることになった。
そして、直樹が入浴している間に、
凛が、部屋から着替えを持ってきた。
パジャマと下着だ。凛が手渡しながら言った。
凛「寝るときブラつけないから、
ナイトブラ、持ってないんだ、ごめん」
私は返した。
裕奈「ありがとうございます。お借りします。
私もつけないですし、そもそ
小説『闇に堕ちにて、空に溶けゆく』9/28(土) 【第54話 団欒】
家に帰り、母の着替えを袋に詰めた。
凛から、洗濯物の取込みなどは、
済ませた方がいいと、言われたので、
凛を15分程待たせてしまった。
私は「待たせて、ごめんなさい」と言い、
再び凛が運転する車で病院に向かった。
病院までは好きな芸能人の話など
他愛もない話で盛り上がった。
車だとあっという間だと、思ってたが、
病院に着いたら17時前だった。
母に着替えを渡しながら、具合を尋ねると、
か
小説『闇に堕ちにて、空に溶けゆく』9/26(木) 【第53話 搬送】
翌日、学校でいつものように、翔をはじめ、
クラスメイト達と楽しい時間を過ごしている。
その時、担任の先生が私を呼んだ。
そして、廊下に出た私に言った。
「お母さんが職場で倒れて病院に運ばれた。
すぐ帰りなさい」
私は、頭が真っ白になった。席に戻り、
翔に事情を話し、帰る準備をした。
翔が病院名を聞いてきたので、
先生から聞いた病院名を伝えた。
私は先生から渡されたメモを見ながら、
スマ
小説『闇に堕ちにて、空に溶けゆく』9/24(火) 【第52話 慈愛】
私の、驚いた表情を見ながら、
直樹は更に話を続けた。
直樹「戸籍のことだけでなく、私たち家族は
翔を本当の家族だと思っている。
翔が我が家に来てからも、変わらず思って、
口にも出して、行動にもあらわしてきた。
しかし元来の優しい性格もあるんだろうが、
翔は知らず知らずのうちに、私たちの顔色を
気にするところがあったのかもしれない。
あいつの周りには人が集まることが多かった。
でもその中で
小説『闇に堕ちにて、空に溶けゆく』9/21(木) 【第51話 真実】
サイゼリアでの撮影が終わると夜8時だった。
翔に父親から、LINEが来ていたのだが、
仕事でちょうど近くに居るから、
車で乗せて帰ってくれることになった。
日曜日だったが今日は仕事だったらしく、
元々、翔からは撮影予定は聞いていたので、
帰りは車に乗せようと思ってくれてたらしい。
夏休みは毎日のように翔の家に行ってたので、
父親とも何度も、顔を合わせていた。
翔の父親もとても優しく、気さく
小説『闇に堕ちにて、空に溶けゆく』9/19(木) 【第50話 悪化】
その日帰宅すると、母はまだリビングで
飲んだくれていた。私は台所に立ち
冷蔵庫の中のもので、適当に夕食を作った。
食べるかどうかはわかならいが、
母の分も作りラップをかけて置き、
その事を母に告げた。
私は自分の分は部屋で食べた。食べ終わり、
食器を片付けに戻ると、母はまだソファで、
ウィスキーの瓶を胸に抱えたまま眠ってた。
珍しいことでもない。
その後、そのまま部屋に戻って過ごした。
小説『闇に堕ちにて、空に溶けゆく』9/17(火) 【第49話 起伏】
暫く、翔の優しい温かさに包まれたかったが、
その日、翔は早く帰らなくてはならない事は
知っていた。
翔をいつまでも引き留めてはいけないと思い、
気持ちが落ち着かせ、翔の胸から顔を離した
そして微笑んで、翔に言った。
「ありがとう、翔。私は、もう大丈夫だから。
ほら、早く帰らなきゃダメでしょ、今日は。」
それを聞いた翔は、まだ大丈夫と言ったが、
私は大丈夫だから、と言った。
今日は楽しい事
小説『闇に堕ちにて、空に溶けゆく』9/14(土) 【第48話 有名人】
夏休みの後半2週間も積極的に動画を上げた。
新学期に入ると撮影頻度は下がるだろうから、
9月分も含め、5本撮影した。
また翔のアイディアで本編の一部を切り取った
ショート動画も上げた。
8月末には登録者数が
1.5万人まで増えていた。
編集はほとんど翔がやってくれるので、
私は翔に比べれば時間がある。
その時間を利用して動画のコメントを見て、
「いいね!」を押したりコメントに
返信をしてい
小説『闇に堕ちにて、空に溶けゆく』9/12(木) 【第47話 夏休み】
夏休みに入ったが、まだ流石に受験勉強を
することはなく、3日間の夏期講習と、
山形にある祖父母の元へ、帰省をする以外、
決まった予定はなかった。
そのため必然的に翔と動画の撮影だったり、
打合せのために会う頻度は上がった。
打合せも初めはファミレスでしていたが、
毎回ファミレスだとお金が勿体ない
ということで、いつからか翔の家で、
打合せをするようになった。
最初に家に誘われた時は、警戒し
小説『闇に堕ちにて、空に溶けゆく』9/10(火) 【第46話 企画会議】
ファミレスでの話がかなり盛り上がり、
翌日の土曜、早速企画会議をする事になった。
場所は最寄り駅にあるカフェになった。
現れた翔は、パソコンを持ってきていた。
翔はパソコンを開いてパワーポイントで作った
企画資料を説明してくれた。昨日帰ってから、
たった一日で作りあげたらしい。
説明を聞き終わり、素直にその感想を伝えた。
裕奈「あのさぁ、ディスニーランド企画なら
たぶん1日では無理だから泊
【雑談的コラム】NOBROCK TV 2024年9月7日回は本当に放送事故レベルだったのか?笑
(1)賛否両論をまきおこした動画仰々しいタイトルですが、取り上げるのは
昨日(2024/9/7)見た、あるYouTubeでして。
私、お笑いも割りと好きなのですが、
今回はそれを題材に、課題整理の
フレームワーク的な内容も入れてます。
ハンバーグまでメニューにあるような
方向性見失った、地元のうどん屋さん
みたいなコラムです笑
さて、話は戻りますが、
私、決まって見るYouTubeチャンネル
小説『闇に堕ちにて、空に溶けゆく』9/7(土) 【第45話 結成】
話題は何でもよかった。
昨日、思いがけない、翔との接点が生まれた。
それは、裕奈の中で翔への興味に繋がった。
ただ、それは中学3年以来学校生活において、
深い人間関係を避けてきた裕奈にとっては、
何の躊躇いもなく自分のテリトリーに入る、
「翔」というキャラクターに対して、
興味を抱いたというものに過ぎなかった。
翔は、どんな人間か、ということが知りたい、
ただその興味で、駅で待ち伏せのよう
小説『闇に堕ちにて、空に溶けゆく』9/5(木) 【第44話 待ち伏せ】
その後、クラスメイトの事や、先生の事など、
2人の共通話題で1時間程、話は盛り上がった。
後半は、お互いの趣味の話に少し入ったが、
順番待ちのお客さんが徐々に増えてきたのと、
あと1日だがまだテスト中ということもあり、
切り上げることにした。
伝票を持って、レジに向かった。
私が奢ると言ったが、翔は譲らなかった。
そんな翔を見て、言った。
裕奈「私が誘ったんだし私が出すよ。
そんなに高い
小説『闇に堕ちにて、空に溶けゆく』9/3(火) 【第43話 出会い】
その日の撮影は1時間半ほどで無事終わった。
普段の打合せでサイゼリアも利用するので、
実は、翔が好きなメニューはわかっていた。
敢えて外すのが難しかった。
撮影の裏で、翔は
「櫻井、無理して食べなくていいからな。
俺が食べるから。」と言ってた。
こうやって本人も意識していない場面で、
さりげなく見せる気遣いが翔らしいと思った。
そんな翔とチャンネルをはじめる
きっかけになった夏休み前の出