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2020年5月の記事一覧
#ゆたかさって何だろう 〜欲求階層理論|臨床心理士への随録 心理学
「ゆたか(豊か)」を辞書で引くと、満ち足りて不足のないさま、心や態度に余裕があって落ち着いているさま、と定義されている。
20代中頃までは、何も持っていない何者でもない自分が嫌で、金が欲しい、彼女が欲しい、称賛が欲しい、承認して欲しいとTHE BLUE HEARTSの歌のごとく貪っていた。でも不思議と、何かを手に入れても満ち足りた感じにはならなかった。
ここに、心理学者マズローが唱えた「欲求階
「職場から離れるのは逃げなのか」 臨床心理士への随録 心理学
都心にあるメンタルクリニックには、会社勤めに疲れた人々がやってくる。
お困り事を聞くと、寝れない、気分が落ち込む、頭に入ってこない、ミスが増えた等の症状が多い。うつ状態であることは間違いない。初発時期とその時期に何か出来事や変化があったかと聞くと、業務量の急増、人間関係のもつれ、目標達成のプレッシャーなどがストレスだったと語る。
職場のストレス誤解されがちだが、ストレスはそれ自体が悪いものでは
「高次脳機能検査の勉強会に参加して、基礎心理学の重要性を思い知った話」 臨床心理士への随録 心理学
高齢者領域の心理の仕事のひとつに、高次脳機能検査があります。わかりやすいのは認知症検査ですね。記憶、注意、言語、視空間認知、実行・前頭葉機能や精神の状態などを評価します。
大学院では、WAISやロールシャッハテストなどいわゆるオーソドックスな心理検査しかやらなかったため(本当はもっと色々な検査を教えたいんだけど授業のコマ数等の問題で仕方ないんだよ…と教授が嘆いてたな)、知らなきゃ始まらんというこ
「近頃は死が身近すぎる」 臨床心理士への随録 心理学
GWの最中に投げ込むテーマではないのかもしれないけど、この先を憂い、逆に今だからこそ頭の隅に留めておいた方がいい情報だよな、と信じてポストする。転ばぬ先の杖として読んでもらえたら嬉しい。
COVID-19ウィルスのせいで「死」が急激なスピードで皆に等しく身近な存在になってしまった。日本で一般市民の命が日常レベルで脅かされるなんて、空襲に怯える第二次世界大戦以来なのではないだろうか。異様な景色に日
「#私を構成する5つのマンガ」 臨床心理士への随録 心理学
私のリフレッシュ方法のひとつはマンガ喫茶です。雑食なので割となんでも読みます。面白い漫画は星の数ほどあるけれど、私を構成する(大きく影響を受けたり激しく共鳴したり)と問われて呼び起こされる作品はこの5つかな。
ブラック・ジャック言わずと知れた手塚治虫の名作。十代の頃はシニカルな勧善懲悪にシビレてたんですが、二十歳を過ぎてからこれは医療を舞台にした死生観の哲学書なんだと感じるようになりました。もの