夢 オリオン座ファンタジー
この内容の夢は初めて見ました。
登場人物も多く不思議で、空を見上げた宇宙で展開された模様も摩訶不思議なものだった。一部脳の描いたものが混ざり込み、リアルさからファンタジーになり、最後はまるでアニメのように展開していった。
どこか分からない深夜の森の中、広い敷地に数軒の屋敷がまばらにある。木々と大きな邸のために案外と空は見渡すことが出来ない。季節は冬かその前後だろうか、厚着のため寒くはないが、空気が澄んでいて美味しい。そして綺麗な景色が広がり迷子の割には気分がいい。
何故か首から一眼レフカメラを下げている。見たこともない知らない物だ。CanonでもNikonでもSONYでもMINOLTAでもないようだ。ただそれを手に持ちシャッターを切る場所を探しているようだ。
そこで森や屋敷も良いが、夜ということだし、星を撮ろうと少し拓けた場所を探して歩くことにした。夢の中だろうということは、薄々感じているがこの時点では、その世界に違和感も持たずハマっている。星明かりの下を道らしきところを歩いてゆくと、木が多めに刈られていてなおかつ低層の屋敷があった。ここなら周りの景色も写るし景色のスケールが分かりやすいだろうと思った。
そのロケーションを狙ってカメラのファインダーを除いてみた。そこに見えたのは、この世のものとは思えないほどの星の数だった。星団の名前は分からないが無数に輝いている。当然シャッターを切った。場所を見つけた時は、肉眼では分からなかったが、ファインダーから目を外し肉眼で見上げると、その星団から花火のように輝きながら流星が出ている。そんなに流星があったら星団が薄くなるんじゃないかと心配してしまった。
シャッターを切りながら肉眼でも見たりしているときに、ふと横目に動く光が見えた。咄嗟に目で追いかけると、宇宙の大きさから考えてあり得ないような巨大な光の塊がゆらめいて高速で移動している。わかりやすく言えば椋鳥の大群やタイだかどこかのコウモリ大群の相様である。そしてその星(UFO?)が宇宙に描き出しているものは、鳳凰であった。縦横無尽に宝石のような光の集合体が鳳凰の姿で宇宙を巡っていた。もちろん追いかけてシャッターを切るが、きっとよほど高性能なカメラでなければブレブレだろう。
そんなファンタジーの世界が展開されて、一息つくように低層の屋敷の上の空を見返した。すると、さっきまであった星団はもうそこにはなかった。そしてそこに輝いていたものは、何度も見上げたことのある、オリオン座だった。先ほどまでのファンタジーを思い起こし少し残念に思いながらも、これがいつもの空だなぁとホッとしたりもしている。
被写体が当たり前になり、深妙な心持ちでファインダーを覗く。ところがである、今度は宇宙にドットのキャラクターが居るではないか。ファインダーを覗くたびに違うキャラクターになる。そしてエンディングのように馬車にお姫様を乗せた宝石のような光の集合体(星?UFO?)がさながらエレクトリックパレードのように通り過ぎ、その世界は終わる。
場面は一転し、実家の食卓である。なぜか年に一度も揃わない家族が揃っている。これはおかしいと思いつつも、ビールが飲みたくなるほど喉が渇いている。だけど、「車を乗るから飲めないでしょう。」と家族から声が上がる。“そうだこのあと車を乗るんだった。“と心の中で思う。だけど、それはどんな用事だろう。しかしその疑問は大きくならず、その声や意識に従ってご飯が始まる。朝ではなさそうだけど、昼食なのか夕食なのかは全く分からない。
夢は、そこで終わる。
まるで異世界から戻るトリガーが家族のようである。とても奇妙な気分で目が覚めた。もしくは見た宇宙は本物で、忘れさせるためなのか夢だと錯覚させるためなのか、場面を挿入された気分だ。前にも書いているけれど、実家とその家族との繋がりは非常に薄い。その安っぽい場面が戻るためのトリガーとなったおかげなのか、夢で見た宇宙の記憶は全て思い出せる。もしくはもっと複雑で最後の家族の場面も何か意味があるのだろうか。解せないのは、そこに自分の彼女や元嫁や子供が誰一人居なかったことだ。
途中の話で終われば、ファンタジーのままだった。最後のトリガーはいったいどういう意味なんだろうか。カメラに収めるというのは、自分の心の中にある宇宙の証拠を持ち帰ろうとする心理のようにも思える。
リアルでファンタジーな不思議な夢だった。
追記
もしや、家族の方が幻想なのではないだろうか。リアルと思っている世界こそ幻想なのでは?
その可能性も否定できない。こうして書いている世界こそが実はリアルでないのかもしれない。