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散文詩「海をおよぐ金魚」

貴方だけにささげる愛のことば
精いっぱい伝えている
いつもありがとうのメッセージは軽いのだろうか
愛してるも大好きも
言い尽くしてしまった

だから
今日もあしたも
もっと揺すぶる愛情表現をさがすの

こころの金魚が踊ったの
狭い狭い水槽の中を
石も水草もポンプもない寂しいそこに 
溜まっていくフンは身と心にべったりとくっついて 
自分で自分の首を絞めるような
でも死ねない辛さ 

苦しみの地下の監禁室 
爆発のタイムリミットが
チカチカと
今にも鳴り出しそうだった

あなたはうんとやさしいのね
きれいに掃除をしてくれた
その手には邪悪な記憶を消す温情がこもっていた
伝わったよ

セックスをする時の部屋は 
お月様の光が差し込む
外の世界だった
ガトーショコラにきらきらとかかった
粉砂糖のように
星空が流れていく 
夜から朝へと変わる空の明るさを 
薄い布団の上であなたと見た

抱きしめて頭をなでる 
まるで小さい子供をあやすように
眠ったわ
あんなに深く眠ったのは初めてだった

これはどんな感情なの
読めないコードで書かれていて分からなかった
出てきた涙は耳の方までポタッと
ながれていくのね

舌を入れる生々しいキス
ディープキス なんて容易く言えない
いやらしくない ううん 心地いい

あなたのこと好き
隣にいない今 
あの手が欲しくなる 
代わりを探しても 

すぐに死んでしまうお魚さんしかいないの 
愛おしいこころは
あなたからじゃないと
学べない
理解できない  
だからそばにいて

海の波が見たいんだ  
大きな大きなところなんでしょう

わたし
水槽の中の世界でしかまだあなたを見たことない   もっともっと大きな世界で
愛するあなたと暮らしたい







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