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Short Story

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#散文詩

Short Story「日常」

Short Story「日常」

「あぁ、よく分かりませんわ」と女がぽろり

「人の心と言うものが全て分かるわけではないというのに。
常に隣にいようとも、何事に尽くそうとも、目を見つめて手にとって生きる肌身、体温を感じようとも。

分かることはその人が私に許しているほんの一部分にしか過ぎないのよ」と。

こんなにも無常なことがあるかしら。

「きみは欲張り過ぎるんだろう。
何もそんなすべてを知れるほど人間は完璧ではないだろうよ。知

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Short Story                        「ねむねむのおばけ」

Short Story 「ねむねむのおばけ」

ねむねむのおばけはいつからか

私の中に住みつくようになった

この日の休日もいつものように出てきた

"今日は仕事行かないんだね
ねむねむはねむいからまだねるよ"

「いつになったら私から離れてくれるの

これじゃいつまで経っても動けないよ」

ねむねむ?

"月曜から金曜まで動いてるじゃん"

「だってお仕事なんだもん」

"でもお仕事いやなんでしょ
嫌なのにしたくないのに何でいくの?"

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