カーテン
先日、カーテンを新しいものに変えた。
あまり悩まずにネットで買ったのだけど、届いた色柄(ピンク系の花柄)が思ったより濃かった。柄の主張も結構ある。付け替えたその日、散歩から帰ってきてリビングに入った瞬間、これまでにはなかった存在感に驚いて、声をあげそうになった。
そして思った。あんまり好みじゃない。服の柄物は好きだけど、カーテンは無地の明るい色が好きだ。
これまでは淡い水色のカーテンだった。レースカーテンは透けたドット柄で、光に照らされて床に模様が映る感じが、アートみたいで気に入っていた。何年か前、母が適当に買ってきてくれたものだった。生地も薄くて、光を透過していた。その柔らかな色感が心地よくて、好きだったのだなと思った。
それに比べると今回のカーテンは肉厚で驚いた。閉めたら昼でも部屋が暗い。カーテンひとつでこんなにも違うなんて。今も文章を書きながらチラチラカーテンを見てみるけれど、全然キュンとしない。
どうしよう。新しいの探そうかな。もしくはジョイントマットの色をブルー系にしようか。今のジョイントマットはピンクと焦茶とアイボリーを組み合わせている。さらには娘の座椅子もフューシャピンクなので、部屋中ピンクが勢揃いで、もはやピンクの大渋滞だ。
やっぱり目に入ってくる景色はブルー系が落ち着くんだなと思った。空の色は癒しの色なのだ。間違いない。
しばらくすれば慣れるのかもしれないけど、カーテンは部屋の中での存在感という意味で、わたしにとってはものすごく重要なアイテムなんだと痛感。
またネットで選んだら失敗しそうなので、店舗に見に行こうかな。そんなことを思いながら、ブルー系のカーテンをなんとなく探し始めてみたら、あるじゃないですか。かわいいの。
ブルーのグラデーションいいなぁ💙
明るさはこっちの方が好み💖めっちゃいい。南国気分🏝
わぉ✨夕日みたい🌇✨
けど色味はこっちが落ち着く💗エメラルドグリーンぽい色が好み💙
カーテンって、壁画飾ってるくらいのインパクトあるよね。
だからやっぱりめちゃくちゃ大事だ。
夫に新しいカーテンについて感想を聞いてみた。
「明るくなった感じはするけどなぁ。」
珍しく歯切れの悪い返答。
「え、なんかダサくない?」
「…。」
自分で選んでおいて何を聞いているんだと思ったけど、ネットショッピングは思ってたんと違うことってよくある。
なので、カーテンは悪くない。
だけど最後までダサいとは言わなかった…夫よ…。いつもはもっとはっきり言うのに珍しい。でも、そのあと、次々買うのはやめてねって(笑)はい、なるほどですね。
新しいカーテン買うか、ジョイントマットをブルー系(デニム素材で可愛いのがあった)で新調するか、しばらく迷おうかな💗
それにしても、今まで知らなかった。わたし実はカーテンのこと、すごく好きだったんだってこと。揺れる、開く、閉じる、遮る、透ける。その形状、有り様に無意識にこんなにも魅力を感じていたなんて。
でも思い返せば、晴れの日も雨の日も、うれしい日も悲しい日も、カーテンの開閉を通して、なんだかいつも自分の心の窓をも開閉してた気がする。
カーテンは、どんなときも世界とわたしを繋ぐ扉だった。
(カーテンの出てくる詩があった。)
カーテンに守られ、カーテンに解き放たれ、長い間当たり前のように共に過ごしてきたんだなって自覚したら、近過ぎるとよく見えないのは、人も物も同じだなって思った。そして、カーテンが与えてくれる心理作用って、実はとても深かったんだなって気が付いた。
その柔らかで繊細な動きとレールを滑る音、色彩や形状の美しさ、風と戯れる姿、光と影とのハーモニーが、日々、心をこんなにも豊かにしてくれていたなんて、本当に素敵だ。
人間の発明するものって、素晴らしいね。
(今回さよならしたカーテン)
明日の朝も、カーテンと共に、心の扉パァーッっと開いて、1日を始めよう。
想像しただけで、すごくいい気持ち。
それでもきっと、明日には、その真新しい存在感に驚くこともなく、当たり前のようにそこにあるんだろう。ダサいとか言っちゃったことさえ、忘れて。
それもまたよし。
カーテン選びは若干失敗したかもしれないけど、人生に失敗はなし。
むしろ、書き終えるまでは思いもしなかった、物質を超えた豊かさが、今ここにあった。
気付きはふいに、どこからともなく、やってくる。
そういう瞬間が楽しくて好きだ。
あなたのおうちのカーテンは何色ですか?
風を感じる、快晴の秋の日。
しあわせな光が、今日も降り注ぐ。
ご覧いただきありがとうございます✨ 読んでくださったあなたに 心地よい風景が広がりますように💚