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風が吹き、祈りが天に届く夜


風が好きです。

風がくれるなめらかな感触は、大好きな人に包まれているみたいだから。風が吹くと何かが流されたり動かされたりする。目に見えない誰かや何かからの声(メッセージ)を可視化してくれている。そんな風に思えるのが風。

先日(10/29)は、大好きな藤井風くんの日本武道館LIVE生配信を観ました。

部屋に彼のオフィシャルグッズのTシャツ3枚とタオルを飾って場を作り、いちばんお気に入りの祈りTシャツを着て(5歳の娘にも着せちゃって笑)、部屋を真っ暗にして、目の高さにスマホを設置して、全身全霊で臨みました!


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スマホの画面を通して見つめる彼の表情は子どものように無防備で、画面越しに聴こえる彼の言葉は子どものような拙さを纏っていて、そしてとても無邪気でとても愛らしかったです。

今のこの時代背景の中で、先陣を切って生のLIVEをすることは、きっとものすごい重圧の中の決断、相当な覚悟だったと思います。それでも、この混乱のご時世に、LIVEを生業とする(もちろんそれだけじゃない)アーティストたちの突破口となるべく、こうして再び何千人もの人が前向きに集える場を設けてくれたこと、本当にすごいです。

きっと開催当日に漕ぎ着けるまで、心の奥には、隠しきれない不安や恐れ、滞りも少なからずあったはず。それでも、そのぜんぶを胸に抱いて、ギリギリのバランスでその場所に立ってくれているように見えた彼は、本当に勇気ある時代の先駆者のようでした。

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そうやって出来うる限りを尽くしてようやく辿り着くことができたステージ上に、彼らの走ってきた道のり、裏側にある繊細に紡がれてきたストーリーが垣間見えたLIVEの幕開けでした。

それでもひとたびピアノに触れると、彼はその内なる声を全て鍵盤に託して、白鍵と黒鍵と音符たちと手を取り合い飛び跳ねるように躍動し始めます。さっきまでの拙い言葉を紡ぐ彼とはまるで別人のようにも見える。あぁこの人は言葉にもメロディーにもならないエネルギーを、ピアノに触れる指を通して、細胞一つ一つの衝動のままに、静かに熱く激しく鮮やかに浮かび上がらせることで表現している、アートのような人なんだなぁって思いました。

現にマイクだけを握って歌ったり喋ったりしているときよりも、ピアノソロだったり弾き語っている時の方がエネルギッシュに見えるし、ピアノと一体化し身体中に力が漲っている様はスーパーサイヤ人みたいでした。

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武道館の中央舞台にいる彼を、どの座席からもよく見えるようにと、ステージは360°まわる仕様になっていて、それだけじゃなく彼自身もくるくると歩いてまわってくれました。柔らかく温かい程よい湿度を含んだ風を吹かせて、ひとりひとりの表情を確かめ慈しむように歌い、声をかけ、手を振ってくれました。そんな彼の仕草は、どう見てもパフォーマンスではなくリアルそのもので、その一挙手一投足が胸に響きました。傷付いていたり、乾いていたり、ひび割れていたりする心のひだには優しくじんわりと浸透し、涙でびしょ濡れのそれは乾かされてゆくように。彼の歌に何度も頭痛を治された経験があるわたしは、細胞を本来のあるべき状態に修復してくれるようなそのナチュラルな存在力を改めて感じました。

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とにかく彼のすべてを見逃すまいと、一心に画面の奥を見つめつづけました

驚いたのは、観客席にいる多くの人が、彼の放つエネルギー、彼の奏でる音楽を心の底から求めながらも、彼の存在を一方的に乞うてはいなかったこと。自由に声を出せない制約のある環境もプラスに働き、彼を助けるため見守るため、壊さないように傷つけないようにただそこに静かに佇んでいました。舞台を取り囲んでいる観客の方が彼を導いているようにも見えるほどでした。お互いがなくてはならない唯一無二の理解者であり、とても神聖な存在感を放っていました。

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アルバムタイトルの通り、『HELP EVER HURT NEVER(常に助け、決して傷つけない)』の精神が見事に具現化されている、そう思えた瞬間でもありました。

そこにあるのはステージ上の彼への熱狂ではなく、共に創り上げるという明確な意図の元に生み出された時空間であり一体感。すべては繋がっている、そんな大いなるひとつのものへの祈りにも似た何かだったような気がします。

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幕が閉じようとする瞬間には、彼やまわりの関係者の人たちだけではなく、武道館に参加していたすべての人、画面の向こう側でかじりついて観ているであろう人たちにも、そこにいてくれてありがとうって自然と思えている自分に驚きました。そんな風に思えるなんて初めてのことでした。図々しくも自分を含めたこの場にいるみんなでLIVEを成功させたんだっていう感覚になれたことは、やっぱり彼のナチュラルで温かい人間性のおかげなのだと思います。思い出せば出すほどに、本当に不思議で奇跡のようなLIVEだったなぁ。

まるで自分のことのように、このLIVEが成功することを願った人たちがたくさんいて、誰かのために、何かのために、純粋に祈りつづけた結果実現させることが出来た、とてつもなく尊い場所だったなって思います。

最高に素晴らしかった。

そしてきっと、これからも止まることなく、彼のまわりにはたくさんの優しさが集まり、紡がれるメロディーは風に乗って、もっともっと遠くへと吹き流れていくことでしょう。そんな新たなる祈りが天に舞い昇るのを見届け、無事に幕を降ろした藤井風Nan-Nan SHOW 2020 in 日本武道館。

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風くん、素敵な夜をありがとう!!!




LIVEで初披露された新曲です❤︎



この「青春病」が始まった瞬間、タガが外れたように涙が溢れました。なんて優しい声なの。

へでもねーよ、ばかじゃねーよ。なんて気分爽快なセリフなの!言ってみたい。

そして同時リリースにこの2曲を選んだセンスと戦略にも感動。ポテチとチョコ。柿ピーとかりんとう。無限ループです。彼のバランス感覚、最強です。

もし藤井風、聴いたことないという方がいらっしゃいましたら、こちらもぜひ。


ところで、彼を好きになったばかりの頃、毎日溢れる感動を自分一人に留めておけず、その1〜2ヶ月前にmixi内でメッセージをくださっていた投資家で音楽通っぽいおじさまの存在を思い出し、おすすめしてみたことがありました。

そのおじさまはわたしの一方的なおすすめを快く受けてくださり、YouTubeでアルバム曲全部を熱心に聴きこんだ上で一曲一曲歌詞や曲調、アレンジに至るまで、丁寧な感想を送ってくださいました。すごくうれしくありがたいと同時に、ここまで聴かせる藤井風さまはやっぱりすごい!と思いました(笑)

先日また新曲が出たことを報告したところ、しっかり聴き込んで感想を伝えてくれるとのことで、昨夜3日越しに「へでもねーよ」の方が届きました。さすがの聴き込み力!「青春病」の方は、さらに聴きこなすのが難しいそうで時間がいるとのこと。確かに。いつも的を得たコメントと音楽への敬意が溢れているその姿勢、勉強になります。どんな感想が送られてくるのかとっても楽しみです。



追伸:

以前この記事で描いた願い。なんとっ!ピアノを買ってもらえることになりました〜🎹✨わたしの祈りも天に届いたっ💫やっと念願の『HELP EVER HURT EVER』のピアノスコアが弾ける!ありがとうございます🙏✨

今のところ、CASIOのPriviA(1000or3000)にする予定ですが、もし何かオススメの電子ピアノあったらぜひ教えてください♬音とタッチがよりリアルなものがいいです。よろしくお願いします💕










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