保育士の採用が難しい地域はどこ?
皆さんは、どんな地域が「保育士の採用が難しい」と思いますか?
保育園や幼稚園なと施設の絶対数が多い「都心」でしょうか?
もしそうならば、圧倒的に東京都が採用の難しい地域ということになります。もう少し地域を広げて1都3県(東京・神奈川・埼玉・千葉)や3大都市(東京・名古屋・大阪)でしょうか?
保育士養成校の少ない地域、或いは、養成校空白地帯でしょうか?
最近のヒヤリングで、長野県の山間部で3人だけ保育士が足りない自治体で、1年間で応募が0件という話を聞きました。沖縄の離島で、養成校がないため、本土の養成校に進学するけど誰一人戻ってこないという話も聞きました。厳しいですね。
給与水準の低い地域でしょうか?
給与は高いに越したことありません。しかし、給与推しの採用活動を行って長期的に上手くいった例はあまり聞きません。給与や待遇の良いにもかかわらず、全く保育士が採用できない園も少なくありません。
難しいですね。正解は、最後にお話しします。
有効求人倍率ワースト10
採用難易度の指標のひとつになるのが、有効求人倍率です。
1を超えれば人手不足、1を切っていれば人余りの状態です。
今年の1月の保育士有効求人倍率が、こども家庭庁から出ています。
ワースト10は下記のとおりです。
東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、大阪府などの都心は、ワースト10に入っていません。
保育士不足の上位には、栃木と茨城、広島と岡山、静岡と愛知、滋賀と奈良、徳島と愛媛とそれぞれ近い地域が入っています。
ワースト10には、都心も地方も、養成校の多いところも少ないところも入っています。給与の高い地域と低い地域など様々です。これらの地域で共通点はあるのでしょうか?
有効求人倍率のワーストランキングは、コロナ前後で、大きく変化しました。
平成27年9月の保育士有効求人倍率をみてみましょう。
このランキングと私たちの会社によるヒヤリングから分かる保育士不足における3つの変化があります。
①保育士不足の地域が変わった…
10年前は、東京都がワーストで、神奈川県、埼玉県など1都3県がランクしています。計測月が違うので倍率だけ見ても意味がありませんが、保育士不足の筆頭であった首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)は、10年後には相対的に順位は下がっています。ただし、東京都以外は有効求人倍率は上昇しています。
表にしておいて、私が言うのも何ですが、実は、有効求人倍率を都道府県単位で見てもあまり意味がありません。せめて市区町村単位で見ないと実態がつかめないのです。
②保育士不足の質が変わった…
有効求人倍率では、単純に採用難易度が図れなくなったと考えています。
新規開園が少なくなったため、1つの施設で多くの人数を採用する機会は以前より少なくなりました。これにより有効求人倍率は下がったかもしれません。
有効求人倍率は下がっているけど、供給数が圧倒的に少ないため、実質採用の難易度が上がっているのです。
実際、数年前から、以前は採用の強かった園が苦戦し始めています。
本年度2024年の採用は、この傾向がさらに強くなっています。
私は20年間、保育士や幼稚園教諭の採用を間近で見てきて、今が3回目の大きな採用変革期だと考えています。
そもそも、有効求人倍率はハローワークでの数値です。保育士養成校からの採用がメインの保育業界では、保育学生の人数にもっと注視しなければなりません。
最後に、令和6年のワースト10の地域の特徴は分かりましたか?
それは、保育学生の減少率の高い地域です。
さらに、保育人材の育成確保に関して効果的な策がとられてない地域です。
例を挙げると、
未だに、古いしきたりの採用を行っている
未だに、潜在保育士の掘り起こしに期待している
未だに、保育補助の受け入れをおこなっていない
既に諦めている…こんな地域がたくさんあります。
そして、もう一つ私たちの会社にしかわからない理由があります。
それは、
キャリアフィールド空白地帯です。
ご連絡お待ちしております。
11月6日に追加開催します↓
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