見出し画像

#35『カンバセーションズ•ウィズ•フレンズ』


愛の形は
変幻自在であっていい。

決まりきった形でなくていい。

その人達らしく
気持ちを伝えあって
形を変えて動きだす愛を見せてもらった。

フランシスは、いつだって冷静で知的。

自分の思考、理性で
バランスを保ちながらも
あらゆる葛藤と向き合う姿、
バランスを崩したときの
フランシスの繊細な心に、
きゅーっと胸が締め付けられた。

抑え込んでいる感情、
行き場のない不安や迷い、
恐れ、苛立ちを抱えて
それでも強くあろうとする姿、
アンニュイな表情までもが
一緒に浮かび
複雑な感情との闘いに目が離せなかった。

終盤で、もし私が...だったら
と心の中で話している場面には
一緒になって泣きそうになった。

そんな葛藤を
乗り越えさせてくれた
自分にだけ向けられたまっすぐな声。

その声に心をひらき
出会った頃から惹かれていた
気持ちを頼りに下した最後の決断、
心の声で放った言葉が印象的だった。

先のことは、分からない。
それでも勢いで飛び出す姿に、
21歳という若さの真っ只中を生きる
フランシスのリアルが描かれていた。

映像を観ている感覚だった。
BBCが映像化しているそうだ。
これは観たいと思った。

#読書の秋2022

この記事が参加している募集

読書感想文

海外文学のススメ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?