見出し画像

私には明るい青が似合うのだから

苦手な季節ばかりで笑えるのだけれど、春は始まりと終わりが同時に訪れるので普段よりしんどい。私ののびしろを信じた上司から、新しい業務へ参画するようにと告げられた。今まで触れてこなかった分野への挑戦は正直恐ろしく、また自身の未熟さが露呈する機会になってしまうのではと今もまだ怯えている。

連休の最中、ふと思い出しては気持ちが翳った。業務の全貌が未だ掴めておらず、どんなふうに力を発揮したらいいのかわからない。発揮できるものなんて持っていないんじゃないか。あぁいやだ、今年も五月病だ。不安が募って涙が出るけれど、だいすきなひとたちの顔がひょいと脳裏に浮かぶ。少なくとも味方はいるもんな、頑張って駄目でも死なないもんな。そんなことを思ってちょっとは平気になる。繰り返しているうちにこどもの日を迎えた。空はとにかく青い。

仕事に限らず過去たくさんの困難を超えてきたはずなのに、簡単に心が萎んでしまうのはなぜなのだろう。不安に苛まれてもへっちゃらでいられる時と、涙にまみれる夜があるのとはなんの違いなのだろう。覚悟かな。ぬるま湯に浸かりすぎて、安心をもらいすぎて、不安に弱くなったのかな。だとしたら、幸せであることには違いないな。妙な思索にたどり着き、多少心が温まる。「できることを今より少しだけ増やす」という小さな目標でなんとかやってみようかなと勇気が芽吹く。信じてくれた上司にも笑ってもらいたい。

年初に立てる1年の誓いがあるのだけれど、今年は「むやみやたらに心を注ぎすぎない」とした。淡々とこなす力を身につけたい。共感は必要なところで存分に。ドライな姿勢でいることが助けになる時もあるわかっているからこその心がけだ。あぶないあぶない、今こそ立ち返る時だった。

明日は、穏やかに戦うための準備に充てる。ネガティヴの波に抱かれつづけるほど暇ではない、明るい青の似合う自分に戻るために両足で踏ん張る。5月もどたばたけらけら過ごせますように。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?