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2018年5月の記事一覧

梅田悟司(2017)『捨て猫に拾われた男』日経新聞出版社



さすがコピーライター、題名が面白い。猫の良さがとても伝わってくる一方、猫のエピソードの記述が厚く、「生き方のヒント」そのものについては言及が薄い。教訓を汲み取る力を試しているのだろうか。

猫というものはよく俺様気質などと言われるが、実際の猫の考えは凡そ誰もわからないはず。それなのに、我々が基本的に統一見解を持っているのは、態度から特定の性格を推測する人間共有のスキルゆえか。これが教育されたも

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神澤志万(2017)『国会女子の忖度日記:議員秘書は、今日もイバラの道をゆく』徳間書店



単純に面白い。仕事とは、ある人の人生の一部である。自分の知らない仕事の世界を覗くと言うことは、一つしかないはずの人生を二つも三つも経験できるということで、小説を読むのと同じ良さがあると思う。

この業界に関する本はとても少なく、ご縁があって辿り着いたのだが、マイナーな職業というのは他にも数多くあるのだろう。人それぞれの生き方に興味を持っていきたい。