「あいづち」というシャベルで、ネタを掘り出せ/編集者の言葉#1
古今東西の編集者の名言から仕事のヒントを学ぶ「編集者の言葉」という企画をはじめてみました。第1回目は、1940年代の「週刊朝日」で名編集長として活躍した、扇谷正造さんの名言から取材の基本を学びます。
インタビューをツルハシやシャベルにたとえているのが、おもしろいですね。確かに人間こそがネタの宝庫。インタビューというツルハシは、その人だけが持つ「おもしろい話の鉱脈」を見つけるのに、欠かせない道具といえるでしょう。
ではどうすれば、鉱脈を掘り当てることができるのでしょう。扇谷さんは「目標をハッキリ立てること」と「あいづち」をコツとして挙げています。
けっきょく、どうなればこのインタビューは成功なのか、それを明確に持っておく。すると「この作家さんは新刊が出たばかりだから、目を通しておこう」だとか、「脱線ばかりの取材にならないように、質問項目をまとめておこう」などと、事前に準備すべきことが見えてきます。
そして準備が万端であれば「私のことをよくわかっているじゃないか」と相手からの信用も得やすくなり、結果として「おもしろい話」を引き出せる確率が高まるというわけです。
それでも話を引き出せないときに大切なのが「あいづち」の打ち方。ときには「それはすばらしいですね!」と相手の話に共感し、ときには「それは、どういうことなんですか?」と相手の話を深掘りする。その他さまざまなあいづちを使って、話を引き出していく。そのうちに「そういえば……」とその人にしかない魅力的な言葉やエピソードがフッと出てくる。
編集者として取材をしていて「よし、きた!」とアドレナリンが高まるのはそんなときです。
本・雑誌・Webと情報収集の方法はいろいろありますが、なんといってもインタビューなどでつかんだ一次情報こそ、ネタの宝庫。そのためには、自分のツルハシをよく磨いておかなければと、実感させられた言葉でした。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
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