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2024年5月の読書記録(読書記録その31)

 梅雨の足音が少しずつ大きくなっていますね。そういえばここからは某食品モチーフのヒーローが「顔が濡れる」とか「顔が汚れて」とかなにかと理由をつけて「力が出ない」と言い始める時期ですね。
 今月も月初恒例の読書記録行きます。


2024年5月に読んだ本

『虎のたましい人魚の涙』くどうれいん
『現役銀行員・証券アナリストがやっているトクする株主優待の選び方』浅見陽輔
『難しいことはわかりませんが、モテる方法を教えてください!』 のび太郎
『アリアドネの声』井上真偽
『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』三宅香帆
『未来の年表~業界大変化瀬戸際の日本で起きること』河合雅司
『ポチャッコの『道は開ける』』
『第一芸人文芸部創刊準備号』
『15人で交換日記をつけてみた』みんなの日記サークル
『普通のサラリーマンがスピリチュアルをやってみたらとんでもなくおもしろかった』ミラクルつとむ

そんな中から今月は:『アリアドネの声』井上真偽

 事故で兄を亡くしたハルオはそのときの贖罪の気持ちを胸に、災害救助用ドローンを扱う企業に就職する。そんな中、業務で訪れた障害者支援都市“WANOKUNI”で巨大地震に遭う。
 そしてその地下にある危険地帯には、見えない・聞こえない・話せないの障害を持ったこの街のアイドル的存在・中川博美が取り残されていた。ハルオたちは悪条件が揃いも揃った状態で6時間以内に博美をシェルターに誘導できるのか。
 反転ミステリーではあるが、一般的なミステリーとは逆の「どうやって人を救うか」か描かれている。最後の最後の大どんでん返しは圧巻だが、ミステリーとして読まないほうがいいかも。
 そういえば最近昼間に『コード・ブルー』の再放送が流れていたのでそれと被ったところがいくつか見えた。発想力・推察力・決断力が色濃く描かれている。

もう一冊:『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』三宅香帆

 子どものころから本を読むのが好きだった筆者の三宅香帆さんは、新社会人となったときに仕事に忙殺され、本を読む時間が取れなくなった経験を持つ。「一体何故そうなったのか」「他にもそういった経験がある人もいるにちがいない」「本だけではなく、他の趣味でも起こりうる」と考えた三宅さんはそうなってしまった理由を考察してみることにしたのだった。
 三宅さんが出した結論は「現代において、読書で得られる知識は労働に必要がない文脈も含まれていて、それがノイズとなってしまっている。そして現代では労働に必要な情報以外の文脈を取り入れる余裕がない。」というもの。
 そして「本来本が読めないほど自分の資源を労働に奪われるのは不健全で、バランス良く時間を割り振り、さまざまな場所に居場所を作って、さまざまな文脈に身をゆだねる"半身で生きる"生き方をすべきだ。週5日労働などせずに、週3日くらい(副業あり)でいい。」とも述べている。
 結局日本人の働きすぎによって、日本の文化的コンテンツの成長を阻害している、ということ。ワーク・ライフ・バランスをしっかりと尊重して労働を考えていかないと、大半の日本人がAIにも劣る労働ロボットに成り下がってしまう気もする。
 ちなみに本書では「日本における読書の歴史」「働きながら本を読むにはどうすればいいか」についても書かれている。

さいごに

 今月の読書記録(来月の月初になるはず)の前に先月行ってきた #文学フリマ東京38 についての記事を掲載することになると思います。よろしくお願いします。

ではでわ

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