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小山陽子
2023年11月12日 10:54
「精霊の守り人」の続編である今作は、主人公バルサと、彼女の育ての親ジグロの故郷・カンバル王国を舞台にしている。卓越した武人であり、強靭な精神を持つ二人が生まれた国ってこうだよね、そうそう!めっちゃイメージできます!と頷きながら読んでしまうくらい、カンバルという国はリアリティを持っている。厳しい寒さの北の山国。乾いた風と大地。そこに生活する九つの氏族。氏族の一員として短槍の腕をみがき、武人としての
2023年11月2日 12:45
小説は不思議だ。架空の人物が私の中で息づく。そして残り続ける。でも全てがそうじゃない。心に残る物は生きているものだと思う。その人物が、作中でどれだけ生きざまを見せてくれたか。感情を持ち、自分の心に従い行動し、懸命に生き抜く姿を見せてくれたかだ。それがないと、人物はただの駒になってしまう。私が「精霊の守り人」を好きなのは、登場人物が生きているからだ。呼吸どころか、躍動して暴れ回って